新型コロナウイルス感染症拡大の影響により「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2021 IN MITO」の開催は中止となったが、日本バスケ界の理念である「バスケで日本を元気に」を目指すために、2021年1月16日（土）に「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2021 ONLINE CONTESTS」と題し、史上初のオンラインで各種コンテストを開催した。

コンテスト参加選手の各拠点で事前収録されたコンテスト映像と、中継会場となったアダストリアみとアリーナでの進行でオンライン配信を実施。 水戸の名物である「梅」をモチーフにしたコートや「提灯」などの装飾、そしてB.BLACK・B.WHITEの選手をイメージし、江戸時代でバスケをしているような様子を描いた和のテイストの壁画を展示するなど、オールスター仕様の空間に彩った中継会場からは、茨城県水戸市をホームタウンとする茨城ロボッツの平尾充庸と福澤晃平が参加した。

イベントのオープニングには島田慎二チェアマン、B.BLACKのキャプテン ライアン・ロシター（宇都宮ブレックス）、B.WHITEのキャプテン 金丸晃輔（シーホース三河）がコメント動画で登場し、それぞれがファンに向けて「今日は思う存分、楽しんでもらいたい」という内容のメッセージを届けた。

衝撃映像が次々と繰り出されたダンクコンテスト

各選手が2本ずつのチャレンジを行い、ファンによるSNS投票で優勝者を決めるDUNK CONTEST。 前回のオールスターで優勝したセバスチャン・サイズ（千葉ジェッツ）や過去2度のオールスターでチャンピオンに輝いたアイラ・ブラウン（大阪エヴェッサ）も登場するなど、優劣を決することが困難なほど激戦のコンテストになった。 最初に登場した小酒部泰暉（アルバルク東京）の滞空時間の長いワンハンドダンクをこけら落としに、驚愕のダンクが次々と飛び出す。 チャンピオンに輝いたのは、チームメイトを飛び越えてダンクを決めたコー・フリッピン（千葉ジェッツ）。 SNS投票で全体の42%の票を獲得し栄冠に輝いたフリッピンは「チャンピオンになれて非常に嬉しい。投票してくれたファンの皆さん、ありがとうございます」とコメントした。

「水戸」の魅力が詰まった映像、現役大学生が制作した映像がクリエイターMVP

「夢中を、灯せ。」をテーマに、B.LEAGUEのファン拡大、そして今回のオールスターを盛り上げるということを目的とした、B. THE CREATOR ～B.LEAGUE動画クリエイターコンテスト～。 一般の動画クリエイターから2つのテーマで募集を行い、オールスター選出選手たちが実際に映像を見て選考してクリエイターMVPを選出した。 水戸の観光地へ実際に赴き素材を集めて制作された映像、華やかなプレーを織り交ぜ選手から最多得票を集めた現役大学生の映像が、それぞれのテーマにおけるクリエイターMVPに選ばれた。

驚愕のタイムが叩き出されたスキルズチャレンジ

ドリブル、パス、シュートの正確さとスピードを兼ね揃える選手が栄冠に輝くSKILLS CHALLENGE。 過去オールスターで優勝経験のある富樫勇樹（千葉ジェッツ）が21.85秒という驚愕のタイムを叩き出し、ファンを驚かせた。 前回オールスターのチャンピオン、多嶋朝飛（レバンガ北海道）が登場し、25.24秒と素晴らしい記録を出すものの、富樫には追いつけず。 そして最後に登場した平尾もLIVEの緊張感の中でチャレンジし、27.20秒と昨年オールスターの優勝記録を超えるパフォーマンスを発揮したものの、1位には届かなかった。 優勝した富樫は「優勝できて嬉しいです。来年こそ、皆さんの前でしっかりと優勝したいと思います」と喜びのコメントを残した。

大接戦の中で繰り広げられた3Pコンテスト

1分間にコート上の5つの場所から4本ずつの3Pシュートを放っていくルールとなった3-POINT SHOOT CONTEST。 チームメイトからの応援を背に受け、どの参加選手も次々とシュートを決めていくハイレベルな展開。 前回オールスターでチャンピオンとなった金丸が登場すると、20本中17本を成功して、最後の1人を残してトップに。 最後に登場したのは、このアリーナをホームとする茨城ロボッツに所属し、B.LEAGUE最速で3Pシュート500本を記録した福澤。 「手が震えてとても緊張しましたが、1本目が入って落ち着きました」と終了後にコメントした通り、堅実なシュートで15本と好記録を残したものの金丸には及ばず。 「いつも練習している場所でリラックスして臨めて、上手くいきましたね。来年は現地にみんなが集まって開催できることを自分自身も楽しみにしています」と金丸が優勝の喜びを語り締めくくった。

すべてのイベント終了後、島田チェアマンは「できることをやってお届けしたいという想いの中で、中止決定から1週間で行った形ですが、イベントを開催できて嬉しく思っています。チームや選手を含めて、協力してくださった方々に厚く御礼を申し上げたい。社会的にインパクトを残せたのではないかと感じています。これからもバスケで日本を元気に！をベースにB.LEAGUEは邁進していきたい」とコメントした。
「夢中を、灯せ。」がテーマだった、今回のオールスター。予定通りの開催は中止となってしまったが、日本各地でファンの皆様に画面を通じて熱狂をお届けすることにB.LEAGUEらしくチャレンジすることができた。