2021/06/30B.HOPE ACTION#035

「クラブ・選手・OB一丸!地元を巻き込み、困難の中で前を向く力を伝える」茨城ロボッツ

2011年3月11日14時46分に発生した、「東日本大震災」
三陸沖を震源とする日本における観測史上最大であるマグニチュード9.0の巨大地震が発生し、東北地方を中心に未曾有の被害に見舞われました。

B.LEAGUE Hope(以下、B.HOPE)は震災から10年が経過した2020-21シーズン、改めて「東日本大震災を絶対に忘れない、忘れてはいけない」という想いと、震災の教訓を、どのように活かして未来に繋げていくのかを考え、日本郵便株式会社様のご支援のもと、「B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便」を立ち上げ、クラブとともに様々なアクションに取り組みました。

クラブの取り組みに共感した地元のバスケットボール協会とともに開催したイベント

茨城県水戸市にホームアリーナを構える茨城ロボッツ、クラブがある茨城県は東日本大震災で沿岸部を中心に甚大な被害に見舞われた地域です。東日本大震災後の2013年にクラブは創設されました。その中でも地元密着というキーワードを常日頃掲げ、創設から地元とともに歩みを進め、地元に愛されながらクラブとしての経済規模も大きくなってきました。今回のプロジェクトでは選手たちも積極的に参加して、OBや県協会などクラブを取り巻く人々を巻き込んだ取り組みを実施しています。

茨城ロボッツが本プロジェクトを推進するにあたって非常に特徴的だったのが、茨城県バスケットボール協会(IBA)と連携し、ともにイベントを開催するという形を実現したことです。2021年3月13日(土)と14日(日)に行われたホームゲームは、茨城ロボッツ vs. アースフレンズ東京Zの一戦は「(一社)茨城県バスケットボール協会 presents ROBOTS HOME GAMES」として開催されました。地元のバスケットボール協会が全面的にホームゲームをバックアップし、プロジェクトをともに実現できたことに関してGMの上原和人氏は「今回はIBAが我々の取り組みに共感してくださり、クラブと協会の想いが一致して、それを形にできました。これは今回のHANDS UP! PROJECTとしての活動はもちろん、バスケットボールを通じて地域を豊かにして子どもたちが夢を持てる環境を作っていくためにも、IBAやBリーグとともに継続的な取り組みを推進していく上で大きなきっかけの一つになったと感じています」とコメントしています。

初日の3月13日(土)にはクラブのOB一色翔太氏をゲスト講師に迎え、茨城県内の小学生約30人が参加し、ホームゲーム開催前の時間帯でディフェンス・アクション実施も含めた「防災×バスケットボール 特別クリニック」を開催しました。ディフェンス・アクションではウォーミングアップとしての役割を持ち、ランニングをしながら合図と共にパネルに出された災害に対して、必要な初期行動を取る「ファースト・アクション」とパスを受け、伝えられた災害に対して必要な初期行動を行ってからシュートを放つ「ファスト・シュート」の2つが行われました。参加した子どもたちや一色氏は、アクションを行なっている最中は笑顔を見せながら、真剣な様子で説明を聞き、2つのアクションに挑戦していました。

地域アクション(茨城)
地域アクション(茨城)

また当日を迎えるにあたって、選手たちが3つのディフェンス・アクションを実際に体験し、その様子はチームの公式YouTubeチャンネルに事前にアップされ、告知されました。

※茨城ロボッツトップチーム選手が取り組む Defense Action

翌日の14日(日)には東日本大震災10年が経過し、常磐線の再開通1年という節目のタイミングで、常磐線でつながるU15クラブを招待。U15男女フレンドリーゲームと題して、茨城ロボッツのU15チームとの対戦が実現し、大きな社会的意義のあるイベントとなりました。

10年前の縁で実現したクリニック、そして選手が赤裸々に体験を語るメッセージ動画

他にも3月20日(土)には元日本代表の伊藤俊亮氏によるバスケットボールクリニックが開催されました。上原GMはこのクリニックが実現した裏側に関して、震災直後のある出来事を話してくれました。「伊藤氏とは10年前、震災が起こった夏に、もどかしい想いをしている地域の子どもたちに対してバスケットボールができる環境を提供したい、自分たちができることをやりたいという想いで自主的にバスケットボールクリニックを開催した縁があります。10年の時を経て、B.Hopeの取り組みとして再び伊藤氏と一緒にクリニックが実現できたことは非常に意味があると感じています」

地域アクション(茨城)

当日は、参加した子どもたちに今回のHANDS UP! PROJECTのロゴをあしらったTシャツが配布されました。この日を迎えるにあたってクラブは「子どもたちに夢を」というテーマを設け、困難に向き合って前を向くヒントとなるような発信を連動していきました。その一環としてチームの日本人選手8名が「僕はこうして挫折を乗り越えた」というタイトルの動画を収録。選手たちが実際に経験した挫折や困難に対して、どのように立ち向かって、前進して今に繋いできたのかを自らの言葉で伝えています。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、様々な困難の中で生きる子どもたちが前を向き、そして明るい未来が描けるようなヒントとなればという想いで制作されたこの動画はクラブの公式YouTubeにて公開されており、各々の選手が赤裸々に自らの実体験や想いを言葉にしています。

茨城ロボッツ選手が伝える前向きになれるヒント『僕はこうして挫折を乗り越えた』

10年前の縁で実現したクリニック、そして選手が赤裸々に体験を語るメッセージ動画

今回の取り組みを通して上原GMは「地震や水害、新型コロナウイルス感染症など様々な困難がある中で、茨城ロボッツというプロバスケットボールクラブとして我々ができることを継続していくことの大切さを、今回のイベントを通して改めて感じました。こういった活動を単発のイベントやクラブのみの活動にとどめることなく、この輪を広げて継続していくことが非常に大切だと思っています」とコメント。

そしてクラブ代表の山谷拓志氏は東日本大震災から10年を経過した想いと、これからの未来に関してクラブのあり方を語ってくれました。「10年前の震災発生時は、まだクラブは誕生していませんでした。しかし、茨城県も甚大な被害を受けて復興に取り組んできています。そのことを決して風化させることの無いように、茨城ロボッツとしてできることに取り組んでいきたいと考えています。我々のクラブのグループ会社の中には、LuckyFM 茨城放送というメディアがあります。メディアを通して、そしてクラブを通してこれからも防災に関する啓蒙活動にしっかりと取り組み、またスポーツを通じて地域を元気にする活動を行なっていきたいと思っています」

この東日本大震災では東北はもちろん、茨城を中心とした北関東の地域でも甚大な被害が発生し、復興に向けて歩みを続けてきました。震災後に誕生したクラブは、スポーツを通じた様々な活動を実施することで、震災を風化させないことはもちろん、地元の子どもたちの夢となっています。茨城ロボッツは、震災から10年を節目により社会的責任活動を実施し、地域に愛されるクラブを目指していきます。

地域アクション(茨城)
地域アクション(茨城)