REPORTレポート

層の厚さを見せつけた琉球ゴールデンキングスが勝利し、ホームへ戻ってクライマックスへ

2023年3月3日

二桁得点5人、53本のリバウンドでPBAチャンピオンを圧倒

栃木県・日環アリーナにて開催中の「東アジアスーパーリーグ(East Asia Super League)」(※以下EASL)。8チームが半分に分かれて争われる2つのグループステージは、残る4チームが初戦を迎えた。昨シーズンのB.LEAGUE準優勝チームである琉球ゴールデンキングスが登場し、PBAチャンピオンのサンミゲルビアメンと対戦。20点を記録した#30今村佳太と#45ジャック・クーリーをはじめ、5人が二桁得点を挙げた琉球ゴールデンキングスが層の厚さを見せつけ、96-68で圧倒。次戦は3月4日(土)、ホームの沖縄アリーナに帰って、台北富邦ブレーブス(1敗)とのグループステージ最終戦が行われる。

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ゴール下でシュートを狙う琉球#45クーリー

サンミゲルビアメンより20本も多い、53本のリバウンドを奪った琉球ゴールデンキングス。オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントは17点、ディフェンスリバウンドから速攻を走って15点を決め、いずれも相手を上回る。試合前、桶谷大ヘッドコーチは「レギュラーシーズン中から徹底してきている細かいことを大事にしよう」と選手たちに伝え、コートへと送り出す。「ホームランプレーを狙って、一気に点差が開くわけではないのがバスケット。ワンポゼッションずつ丁寧に積み重ねたことが自分たちの良さであり、それを徹底したことで点差が開いたと思っています」というのが、28点差で勝利した要因だ。

「Bリーグと違う部分があり、多少調整が必要でしたが、ヘッドコーチが立ててくれたゲームプランも非常に良かったです。相手は強く、試合中はずっと集中し続けなければいけなかったですが、この結果には満足しています」とクーリーは感想を述べた。その違いについて今村は、「対戦相手よりもレフェリーの笛の基準が少し違うと感じました。でも今日は、それに対するアジャストもよくできたと思います」と話すとおり、全員が伸び伸びとプレーしていた。その理由は、「宇都宮さんのスタッフが、自分たちのホームコートのような演出をしてくれたことがうれしかったです。同じB.LEAGUEのチームとしてホーム感を出していただいたことで、すごく試合しやすかったです」と今村は感謝する。

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プレーに湧く琉球ベンチ

ケガから復帰した渡邉飛勇、新戦力のカール・タマヨはチームに必要なビッグマン

外国籍選手を2人しかベンチ登録できない今大会において、大きなケガから復帰した東京2020オリンピックメンバーの#9渡邉飛勇、この試合がデビュー戦となったフィリピン国籍の#33カール・タマヨ、2人のビッグマンが存在感を放った。桶谷ヘッドコーチは、「短い時間でチームのやるべきことを徹底してくれました。7~8分ほどの出場でしたが、ジャック(クーリー)や(アレン)ダーラムが休めたことは非常に大きかったです。2人ともチームにとって必要な選手になってくれました」と評価する。

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琉球#9渡邉のダンクシュート

先週行われたFIBAワールドカップ アジア地区予選で日本代表に復帰した渡邉は、漫画スラムダンクの桜木花道のようなリバウンドで満員の観客を魅了。「クイック・ジャンパー」と称したトム・ホーバスヘッドコーチを驚かせ、その期待に応えた。渡邉自身、「日本代表として2試合とも出られたことでコンディションがすごく上がり、EASLへ向けても良い準備になりました。イランとバーレーンのビッグマンは、フィジカルがすごく強かったです。その経験ができたので、EASLでの戦いも自信があります。日本人ビッグマンの僕と、タマヨ選手の活躍が大事になります」と心構えができていた。

デビュー戦を終えたタマヨは、昨夏のFIBAアジアカップにフィリピン代表として出場し、平均12点の活躍(平均出場時間21.4分)。
「初めての試合でとてもいい経験ができました。初めてプロでのプレーを実感でき、チームメイトがどのようにプレーしているかも分かった良い初戦でした。試合には勝ちましたが、これから調整しなければならないこと、練習しなければならないことがたくさんあります。チームの勝利にはとても満足しており、自分自身にとってもハッピーでした」

サンミゲルビアメン戦は8分50秒出場、7本のシュートを放ったが4点に終わる。「試合ではうまくいかないことやシュートが決まらないこともあります。もっと練習をして、シュートを決められるようにしなければなりません。でも、今日のプレーには満足しています」とタマヨは話し、新たなチームメイトとともにコートに立てたことが自信になった。

B.LEAGUEでも移動が多く、3月12日(日)には天皇杯決勝が待っており、タフなスケジュールが続く琉球ゴールデンキングス。それでも今村は、「沖縄アリーナ開催は非常に強いホームコートアドバンテージがあります。今シーズンは、獲れるタイトルは貪欲に獲りたいと考えています」と意気込み、2週連続でチャンピオンになれるチャンスをつかむだけだ。

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初めての試合で躍動する琉球#33タマヨ

3月3日(金)は宇都宮ブレックスが属するグループBが先に最終戦を迎え、4強のうちの2つが決まる。最大18点のビハインドを背負っていたソウルSKナイツが、韓国KBLチャンピオンの意地を見せ、中華圏代表のベイエリアドラゴンズに92-84で逆転勝利。宇都宮ブレックスは、ファイナル4進出へ後がなくなったベイエリアドラゴンズと対戦する。相手チームを率いるブライアン・ゴージャンヘッドコーチは、東京2020オリンピックで3位となり、オーストラリアにはじめてメダルをもたらせた名将だ。
「次の宇都宮ブレックス戦が重要です。相手の映像を見て万全な対策を練り、しっかり寝て気持ちを切り替えて、試合に備えます」

宇都宮ブレックスが勝利すれば、2位以上が確定。ソウルSKナイツと2勝で並んだ場合は、得失点差や総得点差で順位が決まる。1位はファイナルへ、2位は3位決定戦へ進む。総当たりではないグループステージゆえに、混戦必至のEASL。全チームが初戦を終え、全貌が見えたこれからこそ見逃せない。

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