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2025.12.08

指揮官の信頼に応え、成長を続けるファイティングイーグルス名古屋の平松克樹「先輩たちと違うところで変化を生み出せる選手に」

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平松克樹

指揮官「エナジーを出すことを期待しています」

127日、ファイティングイーグルス名古屋はアウェーで仙台89ERS相手に70-57で快勝し、前日のゲーム1のリベンジを果たした。

FE名古屋の指揮官ルーベン・ボイキンはこのように試合を振り返る。「正しいマインドセットで出だしから試合に臨めました。フィジカルのレベルも我々が望むのもので、高い強度を持ってプレーしてくれました。今日の試合前、『我々のディフェンスのスタンダードはもっと高いんだ。そこに立ち返ろう』という話をしていて、それをしっかりと遂行してくれた選手を誇りに思います」

ボイキンが称えるように、FE名古屋は試合の立ち上がりからボールマンへの厳しいプレッシャーで仙台のリズムを崩し、タフショットを打たせた。第1クォーターで相手のフィールドゴールを18本中1本成功に抑える完璧なディフェンスで、第1クォーターで22-5とスタートダッシュに成功。主導権を握ったFE名古屋は、その後も集中力の高いディフェンスを継続することで逃げ切った。

指揮官は続けて、「最近、『成長』というキーワードをよく使っています。私たちは若いチームでルーキーもたくさんいます。今日はすごく成長が見られました」と言った。

この試合で成長を見せた代表的な存在がルーキーの平松克樹だ。プレータイムは650秒と決して多くなかったが、第3クォーターに点差を縮められて迎えた第4クォーターの出だしで3ポイントシュートを沈め、試合の流れを引き寄せる立役者となった。

ボイキンは「(平松は)第4クォーターでビッグスリーを決めてくれました。昨日も同じシュートを打ちましたが、外しました。その後も『打つなとは絶対に言わないから』と伝え、信じ続けていました」と語り、平松のステップアップをこう評価する。

「彼は若いですし、エナジーを出すことを期待しています。ディフェンスでプレッシャーをかけ、身体を強く使って、全部を出し切る。そしてすべての練習、試合で成長を続けてほしいです。ペイントをアタックした時の判断は数カ月前の課題でしたが、今はかなり良くなっています」

しっかりと勝利に貢献した平松は、次のように自身のプレーを振り返る。「昨日の試合で3ポイントシュートを5本打って1本しか決められなかったです。ただ、今日の試合前ミーティングでもルーベンに『必要なところで決められる選手になろう』と言ってもらっていました。積極的に狙っていこうと試合に入り、決められたことは良かったと思います。ただ、ディフェンスでファウルが多くなってしまったところは迷惑をかけているので、ファウルをしないでもっとボールプレッシャーをかけていきたいです」

平松克樹

「自分の色を出していきたいです」

平松は西福岡中時代に日本一を達成し、福岡大附属大濠高、明治大とエリート街道を歩み、明治大ではキャプテンを務めた。今シーズンは、ここまで15試合で平均1543秒出場、4.3得点、2.6アシストとルーキーとして上々のプレーを見せている。

「シーズン序盤は思った以上にプレータイムをもらえました。オフに準備していたところが出せています」と語る平松だが、今の自分に満足はまったくしていない。「もっと上のレベルに行くためには、点を取るところ、コート上でのリーダーシップがまだまだです。そこは笹山(貴哉)さん、並里(成)さんを見習いながら自分の色を出していきたいです」

平松が言及するように、チームには同じ司令塔のポジションに経験豊富な笹山と並里がいる。彼らは共にはっきりとした自分の色を確立しており、だからこそまわりもプレーしやすい。平松がこれから出番を増やしていくにはベテラン2人のように彼独自のプレースタイルを確立することが大切だ。

この点について、平松は「笹山さん、並里さんとは違うディフェンスのエナジーを出すことや走ることを求められていると思うので、プレータイムが長い・短いに関係なくどんな時でも表現することを常に意識しています」と、まずはディフェンスで違いを出すことを重視。そして、オフェンスについてはこう考えている。

「相手に的を絞らせないオフェンスを展開することを意識している中、スキを見つけて自分の持ち味であるドライブ、3ポイントを狙っていきたいです。コントロールするだけでは、相手にとっては怖くない選手になってしまいます。コントロールする中でも常に得点を狙える姿勢は見せていかないといけないです」

若手の育成を大切するボイキンコーチのもと、今の平松は貴重な経験を積めている。「僕の前に出る2人の先輩たちと違うところで変化を生み出せる選手に」という目標を達成した彼が、どんな色を確立するのか楽しみだ。