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B.LEAGUE ALL-STAR GAME2019 TOYAMA


B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2019 REPORT

B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2019が19日、富山市総合体育館で開催された。アトラクション、ショー、そしてゲームと多彩なプログラムを4051名の観客が堪能した。

SKILLS CHALLENGE

ドリブル、パス、シュートの合計タイムを競う「スキルズチャレンジ」には5選手が登場。最初のデモンストレーションに登場した女子中学生がノーミス、29.6秒ですべてのメニューを終えて場内を沸かせ、Bリーガー勢にプレッシャーをかけた。5人目で登場した#2 富樫勇樹(千葉)はパス、シュートで若干のミスが出たものの、持ち味のスピードで29.4秒を記録。4選手を上回ってバトルを制し、30万円の賞金を手にした。

DUNK CONTEST

ダンクコンテストには#21 ギャビン・エドワーズ(千葉)、#3 藤高宗一郎(大阪)、#2 マーキース・カミングス(名古屋D)の3選手が登場。昨年、一昨年のダンク王#33 アイラ・ブラウン(琉球)は残念ながら負傷で参加できなかった。

#3 藤高は「忖度まんじゅう」を審査員に配り、妻・藤高(旧姓栗原)三佳選手のユニフォームでコンテストに臨むなどサービス精神を発揮。#21 エドワーズ、#2 カミングスも趣向を凝らしたダンクで場内を沸かせる。1本目は全員が「46ポイント」で並び、2本目は#21  エドワーズ、#2 カミングスが満点(50点)で決戦に進出する。

最後は#21 エドワーズが「#2 富樫が2階席から投げ落としたボールをキャッチして叩き込む」というダイナミックなダンクを成功。コンテストを制し、30万円の賞金を獲得した。

ダンクコンテスト前のやり取りについて、#2 富樫はこう明かす。

「ギャビンから『ネタ切れだから何かないか?』と聞かれたときに、見た目重視じゃないかあと。遠くから投げれば投げるほど盛り上がるかなという二人の作戦でした」

167センチの#2 富樫は、206センチの#21 エドワーズからユニフォームを借りて、スキルズチャレンジに臨んでいた。「ギャビンのユニフォームを借りたおかげでスキルズチャレンジも優勝できた。お互い様です」(#2 富樫)という連係で、千葉勢が2つのコンテストを制した。

3-POINT CONTEST

3ポイントコンテストは60秒以内に、5か所のスポットから計25本のシュートを放つ方式。5か所に一つずつ得点が2倍になる「マネーボール」が混ざっていて、満点は30ポイントだ。

一人目の#32 狩野祐介(滋賀)が19ポイントといきなり高得点を記録する。成功率がどうしても下がるラスト10本で10得点という見事な追い上げを見せた。続く4選手は#32 狩野を上回れず、6人目に登場したのが#14 金丸晃輔(三河)だった。

#14 金丸は20本を終えて17ポイントと、ハイペースでシュートを沈めていく。しかしラスト一投は時間に余裕をもって丁寧に投じたが決められず、19ポイントに止まった。

「無心だし、ボールが入ったか入ってないかも見ていない」という#14 金丸だが、「最後は何点かなと見て19点だった。逆に見ない方がよかったかもしれないですねえ」とのこと。多少の力みが出たのかもしれない。

7人を終えた時点で#32 狩野、#14 金丸の二人が並び、決着はサドンデスに。最後は#14 金丸が左コーナー付近からきっちり沈めて、3ポイントコンテストを制した。賞金の30万円をゲットした#14 金丸は「釣り道具を買います。最上級の竿を買えます」と満面の笑みで喜びを口にしていた。

ALL-STAR GAME

メインイベントとなるゲームの注目は「ご当地選手」の活躍だった。今回は富山グラウジーズから#24 大塚裕土、#11 宇都直輝、#9 水戸健史の3選手が選出された。#31 城宝匡史(福岡)も富山所属時代にファンから愛されていた選手。そして日本代表でも活躍する#6 馬場雄大(A東京)は富山出身だ。

B.BLACK(ブラック)はルカ・パヴィチェヴィッチHC(A東京)が指揮を執り、スターターの5名は#6 馬場、#1 川村卓也(横浜)、#3 並里成(琉球)、#4 ジェフ・ギブス(栃木)、#24 田中大貴(A東京)だった。#22 ライアン・ロシター(栃木)、#13 渡邉裕規(栃木)は残念ながらインフルエンザで欠場している。

B.WHITE(ホワイト)は大野篤史HC(千葉)が采配を振るい、スターターは#2 富樫、#14金丸、#24 大塚、#7 篠山竜青(川崎)、#22 ニック・ファジーカス(川崎)の5名だった。

第1クォーターはB.BLACKが#4 ギブス、#6 馬場の豪快なダンクなどで先行する展開。しかしB.WHITEも最大12点差から追い上げる。B.BLACKが33-31と2点リードで第1クォーターが終了した。

第2クォーターもB.BLACKは#1 川村や#9 ベンドラメ礼生(SR渋谷)のスリーなどで順調に加点。B.WHITEは#22 ファジーカス、#21 エドワーズの両インサイドが前半で二桁得点に達する活躍で食い下がる。B.BLACK が65-62と3点リードで前半を折り返した。

場内が一番盛り上がったのは第3クォーターだ。B.WHITEの大野HCは#24 大塚、#11 宇都、#9 水戸と富山所属の3選手を並べるラインアップで、後半のスタートに臨んだ。

B.WHITEのファーストオフェンスは#24 大塚に打たせるプレーだった。#24 大塚は「あのメンバーでやるといつも通りの連係がよみがえって、そのおかげだと思います。大野HCにプレーを作って頂いて決めることができた」と振り返る。前半は2得点に止まっていた#24 大塚が、第3クォーターの入りで3ポイントシュートを決めると、そこから彼が調子づく。チームメイトの#11 宇都、秋田でチームメイトだった#2 富樫も、ポイントガードとして#24 大塚の活躍をお膳立てした。

#24 大塚は第3クォーターの残り9分33秒、8分22秒、7分33秒、6分38秒……と次々にシュートを沈めていく。#24 大塚は10分間で3ポイントシュートが6本、2ポイントシュートが1本と合計20得点。B.WHITEは102-96と逆転に成功する。

第4クォーター残り17秒には場内を沸かせるビッグプレーが出た。#6 馬場はダンクを失敗したものの、リバウンドに対して超人的な反応を見せる。左手でリングを掴み、右手でこぼれ球を押し込む「ぶら下がりダンク」を決めてみせた。レフェリークルーもお目こぼしでこのプレーをアシストしている。

B.BLACKは#00 ロバート・サクレ(SR渋谷)、#4 ギブス、#6 馬場、#9 ベンドラメが20得点超の活躍を見せ、#3 並里は13アシスト。#4 ギブスは21得点、12リバウンド、9アシストを記録し、トリプルダブルに迫るスタッツを残した。しかしB.WHITEは29得点を挙げた#22 ファジーカス、24得点を決めた#24 大塚らの活躍により142-130で勝利を飾っている。

MVPに選出されたのはSNS投票で60%という圧倒的な支持を受けた#24 大塚。100万円の賞金も獲得している。周りのアシストがあったとはいえ、3クォーターにチャンスでしっかり決め、試合の流れを変えた――。地元・富山のファンはもちろん、試合を見ていた誰もが祝福するMVPとなった。

#24 大塚はこう喜びを語っていた。
「本当に素晴らしい1日になりました。忘れないと思いますし、重い1日でした。代表経験のない僕がスターティングファイブで出て、まさかMVPを取れるとは……」

富山県に多大なる貢献をした選手に贈られる「富山県特別賞」は先日の日本代表戦でも活躍した#6 馬場が受賞。ホタルイカ、白エビなど富山の名産品が贈られた。今回のオールスターは#24 大塚、#6 馬場ら富山に縁のある選手が見せ場を作り、真価を発揮した試合になった。

#2 富樫は「普段は真剣な表情を見せる選手たちの笑顔を見られるのがオールスター」と開催の意義を語っていたが、選手だけでなくアリーナにいる全員が笑顔になれる1日だった。

編集◎大島和人