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準備はいいか?B.LEAGUE 2020-21 SEASON 開幕

B.LEAGUE
2020-21

シーズン展望

佐々木クリス

佐々木クリス

2020-21シーズンの注目ポイントはここだ!

青山学院大学卒。大学時代にインカレ優勝を経験、元プロバスケットボールプレイヤー。現役引退後の2013-14シーズンよりNBAアナリストとして解説を始める。B.LEAGUE開幕年の2016-17シーズンはB.LEAGUE チャンピオンシップナビゲーター、2017-18シーズンからはB.LEAGUE公認・B.LEAGUEアナリストに就任。

B1シーズン展望

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突然のシーズン中断から200日。長い夜が明け、Bリーグが帰ってくる!

10月2日(金)の開幕をもって5シーズン目に突入するBリーグ。プロリーグとしての歴史はまだ浅いかもしれないが、着実に増やしてきた観客動員に支えられながら、前進を続けてきた。初年度から『国際基準』をミッションのひとつに掲げてきた中で、今季は外国籍選手のレギュレーションも変わり、名実ともに多様性豊かなグローバルリーグへの一歩を踏み出すものと期待したい。

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新レギュレーションが巻き起こす"変化"

昨季は3人登録できた外国籍選手のうち試合に出場できるのは2人までだった。しかし、今季もコートには2人しか同時に立てないが、登録された3人全てが出場権を得た状態でゲームに臨める。日本バスケが自力出場を21年振りに勝ち取ったワールドカップの経験を踏んで、よりハードに、よりスピードあふれる展開へと進む中、この変更はリーグ全体のパフォーマンスアップに寄与できる。トップアスリートのバスケットボール選手ですら、ピークパフォーマンスを維持できる出場時間は30分そこそこ。昨季までは30分を超えてなお外国籍に負担を強いるような起用も散見されたが、今季は3人の外国籍選手の出場時間を上手くマネジメントすることでチーム力はグッとあがり、同時にコートに立つ日本人選手たちとのコンビネーションもより研ぎ澄まされるだろう。

今季さらに注目に値するのはアウトサイドの外国籍選手を獲得したチームが決して少なくないこと。これも新レギュレーションの影響が大きい。ポジションを問わず日本人選手の競争は激化する。世界で戦うためにレベルアップが欠かせないピック&ロールの技術も盗めるだろう。これは来年に予定される五輪に向けた日本代表の強化にも繋がるはずだ。

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次代のBリーグ選手へのメッセージ

そして中長期的観点からもB1は『育成リーグ』ではなく『プロとして魅せるリーグ』としての色が濃くなるだろう。日本がこれまで輩出してきた優秀なポイントガードのポジションだろうと、200cmを超えるような大型プレーヤーだろうと、B1に来るまでに自身のスタイルと強みを確立しておかなければいけないというメッセージにも取れる。Bリーグに憧れる10代の若武者たちが5年後、10年後にどのような姿でリーグに参戦して来るのか、実に楽しみだ。

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空前絶後のシーズンを制覇するのはどのクラブか!?

当たり前にあったものが当たり前ではない。今季は今まで以上に選手たちが、バスケットボールができる喜びを全身で表現してくれるに違いない。一方で様々なバックグラウンドの選手たちがより一層増えたことでチームのダイナミズムが変わり、時に想定外の戦いも各クラブは強いられることもあるだろう。
withコロナの新しい社会様式をくぐり抜け、最後に誰がトロフィーを掲げようとチャンピオンが決まるファイナルを開催できること自体が日本バスケにとって大きな勝利と言っても過言ではないシーズンになる。
同時に、各チームが果敢に荒波を分けて大海原に乗り出す2020-21シーズンの年間チャンピオンは、歴史の中でも色濃くいつまでも光を放つチャンピオンとなり得るのではないだろうか。

詳細なシーズン展望が「Number PLUS B.LEAGUE 2020-21 OFFICIAL GUIDEBOOK」に掲載されています。是非ご覧ください。

B2シーズン展望

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多角化した選手層に注目が集まる

B1同様レギュレーションの変化に伴い外国籍獲得の考え方にB2でも変化が観られる。日本人インサイドプレーヤーの鎌田裕也を川崎から獲得した仙台、そして千葉から帰化選手として長らく活躍してきたマイケル・パーカーを獲得した群馬などのB2優勝候補はアウトサイドの外国籍選手を獲得し、リーグ屈指の汎用性とメンバー編成の柔軟性を手に入れた。

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B1昇格争いに拍車がかかる

そしてB2を戦う各クラブにとって外国籍選手のレギュレーション変更以上に影響が大きいのは、今季終了後にB1から降格するクラブはなく、2021-22シーズンは22チームでB1が開催されることが決まっていることだろう。2020-21シーズンのリーグ戦終了後にB1・B2入替戦が行われないため、B2プレーオフ・ファイナルへと進んだ時点でB1ライセンスを保有していることを条件にB1昇格が決まる。イレギュラーなシステムではあるが、この好機を捉えるべく先に挙げた2クラブを筆頭に茨城なども悲願のB1昇格を狙う。

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新戦力がもたらすB2の新時代

B1から今季はB2へと移籍した日本人選手たちも多く、彼らはクラブをB1へと引き上げる立役者として自身の価値を証明するためにコートを所狭しと駆け回るはずだ。
B2の競技レベル向上と共に全国各地で大いにファンを楽しませてくれるシーズンに期待したい。