B.LIVE REPORT

B.LIVE レポート

編集◎バスケットボールキング

1月14日、「B.LEAGUE ALL-STAR GAME2018」が熊本県立総合体育館で開催され、123-111でB.WHITEがB.BLACKを下した。B.LEAGUE開幕前に実施された「熊本地震復興支援B.LEAGUE チャリティーマッチ」に続き、2016年4月に発生した熊本地震からの復興支援を目的とした今回のオールスター。リーグを代表する選手が随所に好プレイを披露し、駆けつけた大観衆を大いに勇気づけた。3Pシュート6本を決める大活躍を見せたB.BLACKの#7 小林慎太郎選手(熊本ヴォルターズ)が、SNS投票で過半数の票を集めてMVPを獲得。3-POINT CONTESTは京都ハンナリーズの#12 岡田優介、DUNK CONTESTは琉球ゴールデンキングスの#33 アイラ・ブラウンが連覇を果たすなど"火の国熊本"は大変な盛り上がりを見せた。

同日同時刻、開催会場の熊本からおおよそ1,300キロ離れた恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール(東京都渋谷区)において、『次世代型ライブビューイング B.LIVE in TOKYO』が同時開催。メイン会場とは別のところで現場の雰囲気を楽しむ、またお気に入りのチームを応援するパブリックビューイングはこれまでも行われてきたが、今回行われた「B.LIVE in TOKYO」は最先端ICTテクノロジーを活用した“世界初”のスポーツエンターテイメントだ。

次世代型ライブビューイングは、音、振動、映像により熊本の会場にいるかのような臨場感だった。これは、B.LEAGUEのICTサービスパートナーである富士通株式会社の協力を得て実現可能となったもの。富士通独自のアルゴリズムにより高品質なリアルタイム映像伝送が可能になり、熊本で繰り広げられるエキサイティングなシーンに合わせて、映像が切り替えられ、よりリアルな映像を楽しむことができた。

日本バスケットボール界の顔である#0 田臥勇太(栃木ブレックス)のノールックパスも、#6 ロバート・サクレ(サンロッカーズ渋谷)の激しいダンクシュートも、大いに熊本会場を沸かせた#7 小林慎太郎(熊本ヴォルターズ)の3Pシュートも、コートの振動やバスケ独特のドリブルやバスケットボールシューズの音が再現されたことにより、まるですぐそばでプレイを観ているような臨場感をもって体験できたこのイベントは、これからの日本のスポーツ観戦に新しい風を送り込むこととなるだろう。

イベント終了後、B.LEAGUE常務理事・事務局長の葦原一正氏は「とにかく終わってホッとしている」と、安堵の表情を浮かべると、「旧来型のパブリックビューイングから突き抜けて新しいことをやってみたいという想いの中、こういうやり方もあるというのは提言できたと思う。最初は初めてのことなのでお客様もどぎまぎしている感じも正直あったかと思ったが、雰囲気も途中からほぐれてきて、新しいチャレンジをお伝えすることはできたと感じた」と、手ごたえを口にした。
また今回のイベントを技術面で支えた富士通株式会社のビジネス企画・推進統括部長の小山英樹氏は「イベント自体を総合的に楽しみたいという方と、バスケットボールを本格的に見たいという方の両方が楽しめるように、クォーターごとに強弱をつけた演出にした。た。演出に対するお客様の反応もよく、演出にバリエーションをつけて良かったと思っている」と満足気な表情を浮かべた。

今後、オールスターの魅力を更に高めていくためにはどうするべきかと問われたB.LEAGUE大河正明チェアマンは「サッカーや野球にはない、アリーナスポーツとしてのエンターテインメントのよさを存分に発揮して、皆さんに見てもらう。やはりアリーナスポーツの強みを活かさないとね」と語る。
アリーナスポーツの特徴でもある音、空間演出そして臨場感。これらを1300キロ離れた東京に、その臨場感を増幅して届けることが可能であることを証明した「B.LIVE in TOKYO」。大河チェアマンの語るとおり、「アリーナスポーツならではの魅力」これがバスケットボール界のオールスターの魅力の大きな要因と言えるのは間違いないが、その答えの1つが今回開催地から遠く離れた恵比寿で実施された次世代型のライブビューイングなのかもしれない。

来年のオールスターが富山市で行われることも決定しており、B.LEAGUEまた何か面白いことに新しいことにチャレンジするかもしれない、と十分思わせてくれる1日となった。