2023/07/25B.HOPE ACTION#055

B.Hope ACTION「Diversity & Inclusion supported by Sateraito Office」

 

2023年5月27日・28日に横浜アリーナで開催された「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022-23」において、B.Hopeでは障がいの有無に関わらずみんなが輝き、誰ひとり取り残されない社会を目指して、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマにした2つの取り組みを実施しました。また本取り組みは、株式会社サテライトオフィス様ご協力のもと実施しました。

【対応するSDGs】

 

①インクルーシブチェア企画

実施背景

現在日本では身体障がいを持つ人が436万人、そのうち18歳未満の約7万人が肢体不自由、視覚障害、聴覚障害などの障がいを持っていると言われています。(参考:厚生労働省)施設や建築物におけるバリアフリーやユニバーサルデザインの導入が日本でも進んでいますが、障がいがあることによる障壁はまだまだあるのが現状です。

「家族以外に属せるコミュニティが少ない」「家族だけではできない経験をさせてあげたい」等、障がいを持つ子とその家族が、これまで以上に社会と繋がり溶け込むためには、身体的・精神的に抱える課題を一つひとつクリアにしていくことが必要と考えます。

またこれらは障がいのある子どもだけでなく、健常の子どもを持つ家族にも当てはまることであり、「子どもがまだ小さいから〇〇に行きにくい」「兄弟がいて手がかかるから外出が大変」等、子どもを持つ親であれば一度感じたことのある経験です。

スポーツ観戦においては、長時間抱っこしていることが肉体的に厳しかったり、兄弟連れの場合は物理的に手が足りないことも。今ではどこの会場にもある車椅子席が「みんなの座席と違う場所にあり疎外感を感じる」といった課題もあります。

実施内容

インクルーシブチェア企画では、身体障がいのある乳幼児の「座る」に関するニーズをベースに開発された、体幹の弱い子どもでも安定して座ることができる、既存の会場座席に設置が可能なポータブルチェアを活用。このチェアを一般席エリアに設置した「サテライトオフィスシート」へご家族を招待し観戦いただきました。

【実施日】5月27日(土)、28日(日)
【対象】障がいのある乳幼児とそのご家族、健常の乳幼児とそのご家族

横浜アリーナの2階席に設置

結果、小さな子どもが安心して座れるだけでなく、親御様に物理的な余裕も生まれ、より試合に熱中できるシーンが増えました。また、一般席にて周りの人たちと同じ目線での観戦ができるようになり、障がいの壁を超えて体験を共有しあえる空間もつくることができました。

子どもがまだ小さいことや障がいを持っていることにより、スポーツ観戦に限らず(外出に)躊躇してしまうというご家族からは、「抜群に、子どもと⼀緒に楽しめた。また来たいと思ったし、可能性がすごい広がった。非日常的な空間を味わえた」とコメントをいただきました。

また、ご兄弟の下の子が障がいを持っていることやこれまでのコロナ禍もあり、上の子は物心ついてからいつも我慢が多くどこにも連れて行けていないことを気にされていたご家族は、「本当に(観戦が)楽しそうで、それが本当に嬉しかった」とお話いただきました。

 

 

 

 

※関連記事:「一緒に観客席で声援を」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230608/k10014092611000.html

※アルバルク東京のホームゲーム会場では、シーズンを通してポータブルチェアの貸出を行なっております。詳しくはこちら:https://www.alvark-tokyo.jp/news/detail/id=17346

②ユニファイドスポーツ®︎バスケットボールチャレンジ

実施背景

B.Hopeとスペシャルオリンピックス日本は、スポーツ界および障がい者スポーツの発展のみならず、障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を目指すために、2018年にパートナーシップを締結しました。

これまでは主に、「ユニファイドスポーツ®︎」のバスケットボールの試合を開催したり、コロナ禍で活動制限があった時期においても、アート作品の制作やダンス動画企画を通して、多様な人々が共に生きる社会の実現を目指してメッセージを発信してきました。

パートナーシップ締結から5年目となる2022-23シーズンはコロナ禍を経て、SOアスリート(知的障がいのある人)が2年振りに横浜アリーナへ集結。障がいのある人とない人がバスケットボールを通してともに理解を深め、楽しさや悔しい気持ちを分かち合う場を目指し「ユニファイドスポーツ®︎バスケットボールチャレンジ」を開催しました。

スペシャルオリンピックス日本は、知的障がいのある人たちへスポーツを通じた挑戦や社会参画を支援し、障がいのある人もない人も楽しめるユニファイドスポーツ®︎の普及に取り組む。

※ユニファイドスポーツ®︎とは、知的障がいのある人(SOアスリート)と知的障がいのない人(パートナー)が混合チームを作り、練習や試合を行い、スポーツを通じてお互いに相手の個性を理解し合い支え合う関係を築いていくためのプログラムです。障がいのある人の「ために(for U)」ではなく、「共に(with U)」がキーワードの取り組みです。

実施内容

【実施日】
2023年5月27日(土)

【参加者】
・スペシャルオリンピックス日本のSOアスリート
・横浜市立豊田中学校 男子バスケットボール部

【実施内容】
・知的障がいのあるSOアスリートと、豊田中学校アスリートで混合チームを結成。
・SOアスリートと豊田中学校アスリートがペアとなり、バスケットボールのミニゲームを実施。

参加アスリートたちはこの日だけの特別チームを結成し、「TEAM WHITE」と「TEAM BLACK」に分かれ、本番に向けてアイスブレイクを実施。好きなB.LEAGUEクラブや選手などの共通点でペアが組まれ、ペア目標を決めて本番に臨みました。

 

 

 

 

いよいよ迎えた本番。B.LEAGUEの年間チャンピオンを決める大舞台ということからアスリートたちは緊張の様子でしたが、会場MCからの紹介を受け、ご来場のバスケットボールファンに向けてアピールをします。チャレンジ直前には、各チームでハドルを組みました。

TEAM WHITEのSOアスリート

TEAM BLACKのSOアスリート

TEAM WHITEの豊田中アスリート

TEAM BLACKの豊田中アスリート

 

 

チャレンジ中のアスリートの様子。
SOアスリートと豊田中学校アスリートの息の合ったプレーや時折笑顔も垣間見られ、チームで勝利を目指す真剣さと、夢の舞台でバスケットボールを楽しむ様子が印象的でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

チャレンジ終了後、参加アスリート代表2名と、スペシャルオリンピックス日本の平岡理事長よりご挨拶をいただきました。

横浜市立豊田中学校男子バスケ部キャプテンの早川空さんは「この場所で少し緊張したけれど、みんなで楽しくできてとても良かったです」と感想を述べ、スペシャルオリンピックス日本・北海道の對馬広晟さんは「今日は横浜(アリーナ)でバスケができて楽しかったです。一生懸命練習をしました。これからも頑張ります。今日は本当にありがとうございました」と、会場からの温かい拍手を受けながら感想を述べました。

「今日のユニファイドバスケットボールが、お互いを思いやる、お互いのためにカバーし合うという共生社会が体現された」とスペシャルオリンピックス日本理事長の平岡拓晃様が述べられたように、B.Hopeでは今後もバスケットボールと通じて共生社会の実現に向け活動を推進して参ります。

横浜市立豊田中学校男子バスケ部キャプテンの早川空さん

スペシャルオリンピックス日本・北海道の對馬広晟さん

スペシャルオリンピックス日本理事長の平岡拓晃様

最後は全員で記念撮影