2022/08/03B.HOPE STORY#016

「地域と共に・地域のために」レバンガ北海道が全道で取り組む社会貢献活動

「B.LEAGUE 2022-23シーズンでクラブ設立12年目を迎えるレバンガ北海道。シーズン中に試合を開催する北海道各地域は、オフコート活動においても地域貢献を推進するための重要な舞台です。そんな広大な地域と共にある同クラブの取り組みについて、レバンガ北海道の折茂武彦代表取締役社長、橋本竜馬選手、SR担当の太田雅樹さんにインタビューを行いました。
 

クリニック活動や学校訪問で結んだ地域とのつながり

レバンガ北海道では、2019-20シーズンまでの27年間現役を続け、今年の6月に引退試合を開催した折茂武彦代表取締役社長が、2007年に北海道に移籍してから地域に根ざした活動を行ってきました。クラブ設立年となる2011年は、東日本大震災の影響もあり厳しい状況からのスタートとなった中、「正直、いろんなことをやりすぎではと感じるほど多くのことに取り組んだ」と折茂社長が当時を思い返すほど札幌市を含む全道で地域貢献活動に励みました。

クラブ設立当初は、入場者数や戦績も良いと言えるものではなく、選手やスタッフが試合PRのためのビラ配りをする状況の中、「我々は地域密着で一つひとつ取り組んでいこう」と声をそろえて、各地で開催される数多くのイベントへ参加し、北海道民にとって身近に感じてくれる存在を目指しました。

地域密着をモットーに、拠点である札幌市を中心に全道各地にまで活動を広げ、競技普及はもちろん、クラブの認知度を向上させるためにクリニック活動を重点的に取り組んできました。2014年には、札幌市の教育委員会を通じて、小学校訪問時に体育の授業でバスケットボールを実施するだけでなく、学校給食に選手とスタッフが参加し、子どもたちにとってクラブがより慣れ親しんだものになろうと進めてきました。「児童の皆さんと交流する機会を増やし、体の大きなバスケットボール選手から食べることの大切さを伝える食育活動にも取り組んでいます(太田さん)」と、子どもたちの教育や健康を軸に、毎年20~50校の訪問を地道に重ねてきました。

3シーズン振りに開催した学校訪問

2017年からはパートナー企業と共にプロジェクトを推進

「地域のために」「子どもたちのために」の想いをカタチに

3シーズン振りに学校訪問を再開した今夏は、40校を超える札幌市内の小学校へ選手とスクールコーチが訪れました。また、旭川市・函館市・帯広市・釧路市など、ホームタウンの札幌市から車で片道3~5時間かかるような地域への活動も再開。「地域に根ざしている企業様から、地域密着で一緒に活動できませんかという言葉をいただくことが増えてきています(太田さん)」と話すように、地域に根ざしたパートナー企業の協賛の下で複数のクリニックも開催されました。

2022年5月、釧路市浜中町で酪農業を営む「株式会社鈴久名牧場」「株式会社アンフィニ」「株式会社A-RANCH」の3牧場の主催で開催されたクリニックでは、釧路市や根室市に住む小中高生60人が参加。「浜中町は子どもたちがバスケットボールをする環境が少なく、地域のためにもプロ選手と触れ合う機会を作りたい」という鈴久名牧場様の地域に対する想いから開催に至った本クリニックには、橋本竜馬選手らがバスケットボールの技術指導を行い、子どもたちにとってプロ選手のプレーを間近で見る良い機会となりました。

また活動に参加した橋本選手も、「スポーツ選手と直接触れ合う楽しさを感じてくれて嬉しかったし、バスケットボールが子どもたちとの距離を縮める大事なツールだと感じました。また、今回の主催者でもあるパートナー企業様や地域についても知るきっかけにもなりました。」と、クラブを支え応援してくれる地域との繋がりやパートナー企業への理解にも繋がる時間であったと振り返りました。
 

 

また、レバンガ北海道は今年の5月に、未就学児に運動の楽しさを伝えるオリジナルの絵本「ぼくとクラウンの冒険」を札幌市立大学デザイン部の学生と共同制作しました。発育時期に応じた体力作りや身体を動かす楽しさを知ってもらうためのトレーニングをこどもたちにわかりやすく、興味をもって取り組んでもらえるようにと工夫された絵本は札幌市内の幼稚園に寄贈されています。折茂社長が札幌市内のこども園に通う園児に読み聞かせをするイベントも開催され、イベント内では絵本に出てくる運動を実際にユースのコーチが真似て見せる場面も。折茂社長は「元気に体を動かす子どもたちの反応が非常に良かった」と話されています。
 

 

 

また2022年7月18日には、知的障がいのある人たちにスポーツを通した社会参画を提供する「スペシャルオリンピックス日本・北海道」との連携発表を行いました。発表前に折茂社長は「僕自身、車椅子バスケの関係者と話をする中で、まだまだ日常生活の環境が整っていないという話を聞きます。できることは限られているかもしれないけど、障がいのあるご本人やご両親も本当に頑張っています。自分たちが良ければそれで良いのではなく、こういった障がいのある人たちへの理解が深まる社会になって欲しいです」と語り、同日に開催されたイベントにて、SOアスリート(障がいのある人)へのバスケ指導や、ボッチャなどのユニファイドスポーツを通じて交流しました。

イベントには橋本竜馬選手と松下裕汰選手も参加。橋本選手は、「これまでスペシャルオリンピックス日本の活動をあまり知りませんでしたが、今回のイベントを通して、活動内容や競技種目を知ることができて良かったと思います。競技を通して障がいのある人たちと触れ合うことができて良かったです。」と感想を述べました。
 

SOアスリート(知的障がいのある人)にシュートのスキル始動を行う松下選手

初めてボッチャを体験したという橋本選手

バスケットボールを通じた課題解決「LEVANGA ACTION」をスタート。

 

地域に根ざした活動を続けてきたレバンガ北海道は今夏、「北海道に明日のガンバレを。」をスローガンに地域の課題解決に努める社会貢献プロジェクト「LEVANGA ACTION」を立ち上げました。本プロジェクトは、地域の方々やパートナー企業をはじめファン・ブースターと共に、SDGsが目指す持続可能な社会を創り出していくことを目指すもの。これまで長く実施してきた学校訪問に加え、体育の授業で使用するボールの寄贈など、バスケットボールを通じて子どもたちに学びの機会を提供することを中心とした取り組みです。
北海道の子どもたちの未来を支える為に、「LEVANGA ACTION」でチャレンジを続けていきます。

 

今後さらに活動の幅を広げていくにあたり、日頃からパートナー企業と向き合うSR担当の太田さんは「我々のクラブはオーナーを持たず、北海道の様々な企業様や地域の人々に支えられているクラブです。だからこそ、パートナー企業様と一緒に北海道をみんなで元気にしていきたいという思いがあります。コート内外で、皆さんの笑顔で溢れるような活動をしていきたいです」と今後の抱負を語ってくれました。

そして苦しい時代にクラブを支えてきてくれた人たちへの想いを誰よりも強く抱いている折茂社長は「バスケットボールを通して元気や夢を与えることはもちろんですが、地域密着でクラブが進んでいるからには、地域の人たちに何ができるかということを考えていかなければ意味がないと思っています。いろんな思いの中で立ち上がったクラブだからこそ、支えてくださった方々の思いが強いクラブですし、感謝を込めて人と向き合って仕事をしています。そして、この思いは今後も継承していかなければならないと考えています」と、改めて決意を述べられました。

レバンガ北海道は、地域の人々と共に、地域の人々のために、オフコート活動を通して「北海道から明日のガンバレを。」届けていきます。

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