2024/03/28B.HOPE STORY#032

選手へインタビュー!
平尾選手が取り組む地域貢献活動
「自分も何かチャレンジがしたい」

茨城ロボッツに所属する平尾充庸選手は、自らが主導となる"M-HOPE Player’s Action with ラオ"を立ち上げました。知人の紹介で就労支援の活動に興味を持った平尾選手は、どんな思いでこのプロジェクトを立ち上げ、活動に取り組んでいるのでしょうか。平尾選手のオフコート活動について、お話をうかがいました。

【インタビュー対象者】
平尾充庸選手

©︎IBARAKI ROBOTS

――平尾選手は今シーズンから“M-HOPE Player’s Action with ラオ”を始動させました。知人の紹介で活動に興味を持ったようですね。

平尾)北水会グループというクラブスポンサーの方とお話する機会があり、北水会グループでは就労者に対して、社会に慣れる機会を提供していることを知りました。そこでは水を張り続ける『冬期湛水・不耕起移植栽培』という特殊な方法で稲作をしているようで、まずはそれがどのようなものなのか気になりました。稲作を見たかったのと、そこで就労者の方々と触れ合い、どういったことができるのかということから始まりました。

これまでは地域貢献活動に取り組もうと思っても、なかなか行動に移せませんでした。例えば、どこかで震災が発生した時、被災された方々に対して「何かやってあげたいけど、どうしたらいいんだろう」と悩んで、そこでストップしてしまう自分がいました。もちろん、募金活動などできることには取り組んでいました。
ただ、今回は「ここではこういったことをしているんだよ」という知人の詳しい説明があったから、行動に移せたと思っています。そこは個人的に成長できた部分です。

©︎IBARAKI ROBOTS

――実際に参加して印象に残っている出来事はありますか?

平尾)農業体験自体は子どもの頃に経験しましたけど、大人になって芋を掘るとか、トラクターを運転して畑を耕すことはありませんでした。就労者の方から説明を受けつつ、いろいろなお話をしながら楽しく仕事できました。最初はどうしても「あの人は誰だろう」という懐疑的な目で見られていました。ただ、一緒に仕事をしていくうちに心を開いてくれるようになって、最後は私生活や家族の話まで会話が弾みました。接し方や話し方1つで変わるとわかり、自分にとっても非常に貴重な経験になりました。

――トラクターを運転する写真を拝見しましたが、笑顔が印象的でした。

平尾)すごく楽しかったです。最初は見守られながら運転していましたが、最後は「行ってらっしゃい」と言われて1人で運転していました。きれいに耕すことができたと思います。

©︎IBARAKI ROBOTS

――利用者の反応はいかがでしたか?

平尾)利用者は僕にとって先輩で、彼らは「こうやるんだよ」、「このほうがやりやすいよ」などと丁寧に教えてくれました。僕が成長できた部分はもちろん、コミュニケーション面を含めて彼らの自信にもつながったと思っています。

©︎IBARAKI ROBOTS

©︎IBARAKI ROBOTS

――施設で栽培した芋はホームゲームで焼き芋として販売されました。1つの活動で終わるのではなく、その先につながるのはすごくいいことですね。

平尾)非常にうれしいことですよね。北水会ファームで育てられた農作物が僕たちの活動を通じて認知されるようになるのは、両者にとっていいことです。商品を購入したファンの方々が「そういった体験ができるなら自分も行ってみたい」と思ってくれれば、輪がさらに広がるはずです。
ただ、これで終わらせるつもりはありません。例えば、北水会ファームさんの敷地の一角をお借りし、僕たち選手がお芋を育てて、それをホーム会場で販売するのもいいかもしれません。今後もいろいろなことができればいいと思っています。

SNSを通じて「お芋が美味しかった」、「こういう活動しているみたい」という感想を目にしたことがあります。小さな活動かもしれませんけど、うれしかったですし、すごく大事なことだと感じました。

――プロアスリートが地域貢献活動に参加する意義をどのように捉えていますか?

平尾)僕たちはプロバスケットボール選手なので、皆さんには結果でしか恩返しできません。ただ、自分を1人の社会人として考えた時、そういった活動に参加することは非常に大事だと思っています。プロバスケットボール選手というキャラクターを使い、世の中に広めるのも1つの武器なのかなと。僕自身はコミュニケーション能力が高いと思っているので、いろいろな場所に行って、いろいろなことに挑戦したいです。

©︎B.LEAGUE

©︎B.LEAGUE

――キャプテンとしての立場で、コート外において茨城ロボッツをどのようなクラブにしていきたいか聞かせてください。

平尾)僕は現メンバーで一番長く茨城ロボッツに在籍している選手です。加入当初、茨城ロボッツの認知度は低かったと思いますが、選手だけではなくフロントスタッフの努力があったから、今の姿があると思っています。
ただ、茨城県内には自分たちの存在を知らない方がまだいるはずです。バスケットボールで茨城県内、そして日本全体を元気にしていくことはもちろん、まずはみんなが茨城ロボッツを知っている環境を作っていきたいです。アリーナでプレーするだけでは認知されないと思うので、挨拶運動をはじめ小さな活動にも取り組んでいきたいです。
右肩上がりのクラブなのでまだまだこれから。愛されるクラブ、愛されるプレーヤーを目指していきたいです。

――とはいえ、日々の生活で盛り上がりを感じることも増えたと思います。

平尾)加入当初とは全然違いますね。車にステッカーが貼ってあったり、街中にもポスターやのぼり旗があったり。アダストリアみとアリーナの近くには僕の顔が載った大きな看板もあって、少し恥ずかしい反面、やっぱりうれしいです。街全体に茨城ロボッツの色が少しずつ出てきたと思っています。それは地道な取り組みがあったからこそです。ここで止めてはいけませんし、コツコツと積み重ねていくことが大切だと思っています。

©︎IBARAKI ROBOTS

今後も、ぜひ平尾選手の活動にご注目ください。
M-HOPEの詳細についてはこちらをご覧ください。https://www.ibarakirobots.win/m-hope/