2023/09/25B.HOPE ACTION#057

JBPA ASSIST ~バスケ選手があなたの力に~(後編)

 

日本バスケットボール選手会(以下、JBPA)は、「自分たちを必要としてくれる方々の力になりたい」との想いで、昨年に続き公募型の企画を実施。選手たちが6月~8月にかけて全国各地へ赴き、地域の子どもたちや学生らと交流しました。

前編はこちら:https://www.bleague.jp/b-hope/hope-action/action_detail/id=332564

バスケ選手が全国各地で活動を実施

 

日本バスケットボール選手会では設立以来、震災被災地の子どもたちとのふれあいをはじめとする復興支援活動を実施してきました。2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、選手が子どもたちと触れあう機会が激減。スポーツの活動や人とのふれあいが制限された 時間を経て、改めて「自分たちを必要としてくれる方々の力になりたい」という思いを強くし、 昨年より 「JBPA ASSIST~バスケ選手があなたの力に~」をスタートしました。

選手会の協力が必要な活動や企画を全国から一般募集し、選手による審査のもと企画が決定。 今年は7つの企画が実現し、選手が全国各地に夢を叶えるお手伝いに行きました。

※詳細、JBPAからのコメントは「JBPA ASSIST ~バスケ選手があなたの力に~」 特設サイト(http://j-bpa.com/assist2023/b-hope_jbpa_20230331/)をご覧ください。
※なお、本活動は 、2023 年4月に実施された「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO 選手会× B.Hope チャリティーオークション」で集まった資金や、JBPA ASSIST チャリティーオークションの売上を活用するとともに、「B.LEAGUE Hope」の協力のもと実施いたしました。
※合計7企画のうち、本レポートでは7・8月に開催された3企画をご紹介いたします。
※本3企画では、日本財団が運営する「HEROs」のご協力のもと実施いたしました。

「みんなでバスケを続けたい」コーチ不在のチームへ選手が訪問

熊本市白坪小学校バスケットボールクラブはコロナ禍でコーチが不在となり、部員不足から廃部も検討していたチームでした。子どもたちの「一緒に活動を続けたい」という想いに応えて、保護者が指導者講習を受けたり、ボランティアで活動を継続し、部員も少しずつ増えて先日初めての試合に出場できるようになりました。
今回は7月の大会で1勝することを目標としている子どもたちと、田渡凌選手(福島ファイヤーボンズ所属)、磯野寛晃選手(熊本ヴォルターズ所属)、小池文哉選手(新潟アルビレックスBB所属)が交流しました。

利き手と逆手しか使えないルールの「ドリブル鬼ごっこ」では、選手たちが鬼役を務め、最初は表情が硬かった30人の子どもたちに笑顔が広がっていきました。その後選手たちは1時間ほどドリブル、パス、シュートの3班に分かれて基礎的なスキルも指導。勝ち残りゲームで残った子どもにサインボールを贈呈するなど会場を盛り上げました。

質問タイムでは、子どもたちからシュートを決めるコツを聞かれると、選手たちは「技術的なことよりも絶対自分が決める!という強い気持ちが大事」と応え、大会を控える子どもたちに様々なアドバイスを送りました。

JBPA事務局の青島さんは「このチームのように、子どもたちが卒団するとコーチ役の保護者も抜けるため、チーム存続問題が再燃することを保護者は危惧していました。競技普及を支えるコーチの担い手を確保していくことは、今後のバスケ普及・発展には重要な課題であり、JBPAとして問題を提起するとともにできることを考えて貢献していきます」と熊本での活動を振り返りました。

【参加選手コメント】
●磯野選手
「コロナが緩和されて迎えたオフシーズンで、子どもたちとバスケを通じてコミニュケーションを取れてとても楽しい時間を過ごさせてもらえました。普段、自クラブのスクール生とは一緒にバスケをする事が出来ていたが、なかなかスクールに入れない子どもたちも居ると思うので、そんな子どもたちと共に過ごせて良かったです。また、今回のイベントで子どもたちの『上手くなりたい』『バスケを楽しむ』というマインドを持っている姿をみて、自分自身も更に成長して少しでも手本になれる、応援してもらえる選手になっていかないといけない、そう感じさせてくれた活動でした」

ドリブル鬼ごっこをする子どもと小池選手

基礎的なスキル練習は3班に分かれて実施

シュートを担当した磯野選手

真剣に取り組む子どもたち

勝ち残りゲームではサインボールが贈呈された

最後に全員で記念撮影

将来バスケ界に携わることを目指す大学生へ、プロ選手が交流へ

次に選手が訪れたのは、茨城県にある流通経済大学。
当大学のスポーツコミュニケーション学科には、将来バスケに関わる仕事を希望するゼミ生が多く、将来に向けて学生の視野を広げるために、選手から直接キャリア講義をしてほしいという背景で企画が実現し、田渡凌選手(福島ファイヤーボンズ所属)が訪問しました。

当日は大学2~4年生約30名の学生が集まり、学生からの質問に田渡選手が答える形式で進行。

質問は多岐に渡り、「人生の選択について」「生き方で大切にしていること」等、バスケ界の現場に関すること以外にも、これから社会へ出ていく学生にとって刺激となる人生観に関する話題もありました。田渡選手は「どの道を選んでも、その環境でどれだけコミットできるか」「大変な状況にあっても自分自身が行動することが大切」「チャンスはどこに転がっているか分からない、縁を大事にしている」等、学生たちへ前向きなメッセージを送りました。
講義の後は選手と学生でシュート対決で交流も行い、非常に有意義な授業となりました。

【参加選手コメント】
●田渡選手
「自分が信じているものや社会に必要なことを発信していくことは、選手としても選手会会長としても続けていくことが必要だと改めて感じました。日本バスケ界が、コート上だけではなく、このような活動においてもリードしていける存在になっていけたら良いと思います。」

大学2~4年生が受講

質問をする学生

質問をする学生

田渡選手

最後はシュートゲームを実施

集合写真

障がいのある人を対象にバスケクリニックを実施

最後の企画は、障がいのある子どもを対象としたバスケクリニックが東京都で開催されました。
本企画には岡田優介選手(アルティーリ千葉所属)と、小林慎太郎氏が参加しました。
小学生から20代までの幅広い世代が参加したクリニックでは、ボールを使って身体を動かすことを中心に、参加者全26名がバスケを楽しみました。プロ選手と対決するゲーム形式では、得点が決まると会場が盛り上がりました。最後は、じゃんけん対決で勝ち残った子どもにサインボールをプレゼントする他、サイン会を実施しました。

【参加選手コメント】
●岡田選手
「この度は素晴らしい機会をいただきありがとうございました。 みんなシュートがとても上手で、思っていた以上のスピードでチャレンジメニューをクリアしてくれて、周りで見ていた保護者の皆さんも驚いたと思います。 例年この活動に参加させていただき、子どもたちの笑顔や成長が見られるのも楽しみです。今後も継続的に活動に参加させていただきたいと思います。」

クリニックをする岡田選手

クリニックをする小林氏

ドリブルにチャレンジする参加者

シュートにチャレンジする参加者

岡田選手のサポートでシュートを打つ参加者

集合写真

「自分たちを必要としてくれる方々の力になりたい」との想いで実施した本活動を通して、この夏も全国各地で子どもや学生たちの笑顔が生まれました。B.LEAGUE Hopeは、今後も日本バスケットボール選手会(JBPA)と連携し、「バスケで日本を元気に」を目指して参ります。