2018/08/08B.HOPE ACTION#012

【BAJ】人形櫂世レポート#12

B.Hope Project #12

世界初となる長期療養を必要とするこどもの復学支援プロジェクト
-第一弾プロジェクト終了-
2018年5月5日

プロジェクトの修了となる「修了式」を実施―

2017年11月15日から約半年間に渡り、長期療養を必要とする子どもの復学支援プログラムである「TEAM MATES」事業に参加していた人形櫂世くんの修了式が2018年5月5日アルバルク東京のホーム最終節にて執り行われました。
人形櫂世くんは、修了式を迎えるまでの約半年間、チームの練習参加や試合参加を通じ、自分自身ができることを数多く発見し、またやれることを増やしてきました。選手のみならず、チームスタッフのフルネームも入団早々に覚え、練習参加の際には、自分に課題を設定し、本プログラムに臨んでいました。
以下、人形櫂世くんが行ってきたプログラムの主な活動になります。

  • ・練習修了時の「1.2.3.ALVARK!」の掛け声
  • ・選手のドリンク作り
  • ・選手の洗濯物をたたむお手伝い
  • ・選手へのインタビュー
  • ・自身のドリブル&シュート練習
  • ・試合会場でのマスコットキャラクター「ルーク」のアテンド
  • ・コート内のモップ掛け
  • ・選手が座るベンチ作り
  • ・グッズなどの投げ込み
  • ・シュート練習時のリバウンド

この他にも、チームメイトがケガなどをすると、早期復帰を願いお手紙を書いてきてくれていた櫂世くん。アルバルク東京のチームメイトとして、選手の皆さんとも早くから打ち解けていました。
これまでの活動レポートは以下。

修了式で読み上げた人形櫂世くんからのお手紙

「みなさんへ

きょうで、このユニフォームをきるのもおしまいになっちゃいました。

いままで、すごくたくさんのことをさせてもらいました。
どれもやったことがないことや、みたことがないことだったから、アルバルクへいくのがいつもすごくたのしみでした。

せんしゅのみんなもスタッフのみんなも、ここにいるみんなも、いつもわらってぼくにやさしくしてくれたのが、すごくうれしかったし、たのしかったです。

ルカコーチも、ぜんぜんこわくなかったです。
ぼくがとおくにいても「こっちにおいで」といって、いつも「1,2,3,アルバルク!」っていわせてくれます。
なかまになれたきがして、いいきぶんでした。
コーチインタビューのときは、いつもぼくのあたまをクリクリなでてくれました。
ぼくはそれがとてもうれしかったです。
ぼくはルカコーチだいすきだから、ルカコーチがぼくのがっこうのえいごのせんせいか、たいいくのせんせいだったらいいな~っておもいました。

ぼくはアルバルクへくるまではやきゅうがだいすきでした。
でもいまはバスケのほうがすきかもしれません。
それをたしかめたいので、あしがなおったらアンダーにはいりたいな~って、おもっちゃいました。
もし、はいれたら、コートの中をはしりまわって、いっぱいかつやくしたいです。

このユニフォームがきれなくなっちゃうのがさみしいです。
ほんとうはもっとやっていたかったけど、こんなにたのしいことをひとりじめしたらダメだから、つぎのおともだちにつながっていけばいーなーっておもいます。
ぼくはつぎのシーズンになったら、おうえんしにここにこようとおもうので、こんどはおうえんするみんなのなかまにいれてください。

さいごに、ぼくにやさしくしてくれたみんなとアルバルクはぼくにとってのチャンピオンです。
だから、「ありがとう」のきもちをこめて「Thank you cup」をつくりました。
もじがまちがっちゃったりして、つくるのチョットたいへんだったけど、みんなのことをおもいうかべながらつくったら、がんばれちゃって、たのしかったです。
うけとってください。

みなさんと、アルバルクのみなさん、おもいでをいっぱいありがとうございました。

2018.5.5
ひとかた かいせい」

修了式の模様

人形櫂世くんがこのプロジェクトに参加すると決めた勇気と、頑張り、そして、それをしっかり受け入れたアルバルク東京があり、第一弾プロジェクトは無事に終了式を迎えることができました。
人形櫂世くんは活動参加前は、緊張も相まって、なかなか積極的にチームメイトに声を掛けることができませんでした。しかし、活動参加ごとに、「目を見て話を聞く」「選手やコーチに積極的にインタビューをしてみる」など自分自身で課題を設定し、それに向き合ってきました。その結果、大きな自信と笑顔を見せて、この活動の修了式を迎えることができました。

本活動のスタートをきっかけに、プロスポーツのみならずアマチュアスポーツも含めた様々なスポーツで、本取り組みが導入されています。受け入れられる人数に限りがある為、順番を待ってくださっているお子様もいると聞きます。
B.LEAGUE Hopeはこれからも「TEAMMATES事業」が、プロスポーツクラブやスポーツ団体が行うことができる社会的責任活動の1つと捉え、今後も複数のクラブへの展開が可能になるよう、活動をサポートいくとともに、長期間チームに所属するという事で、社会との繋がりに実感を得ながら、スポーツから得ることが出来る賢明さやひたむきさ、興奮や感動を体験することで、子どもが社会参加する勇気や希望・楽しみなどを提供できればと思っています。

2018-19シーズンは本取り組みをさらに拡大する予定です。応援するクラブに、TEAMMATES事業でお子さんが入団された際には、皆様どうか惜しみない応援を宜しくお願いいたします!

その他の写真

人形櫂世くんは、修了式後もアルバルク東京の試合を観戦に訪れ、FINALで優勝を飾った際には、アルバルク東京の選手らと一緒に喜びを分かち合いました。
また、本取り組みの革新性に対し、B.LEAGUE AWARD2018において、特別賞を受賞しました。

プロジェクトの目的

⇒ B.LEAGUE Hopeでは発足以来、B.LEAGUEクラブが実施可能であり、全国的に広められる、新たなプログラム開発を検討してまいりました。その検討において、B.Hopeのパートナーである日本財団から、長期療養を必要とするこどもの復学支援プログラムとしてBeing ALIVE Japanが開発した「TEAMMATES事業」をご紹介いただき、その実現に向けてプロジェクトを推進してまいりました。

⇒ 「TEAMMATES事業」とは?
本事業は米国非営利団体Team IMPACTの事業(大学スポーツチームと慢性疾患のあるこどものマッチング事業)を参考にBeing ALIVE Japanによって開発されたプログラムです。長期療養を必要とするこどもがチームの一員として入団し、練習参加や試合会場でのスタッフサポート等、チーム活動に定期的に参加しチームメンバーとの関係構築を目指します。チームとの繋がりを創出することで、こどもとそのご家族の生活の質が向上することに貢献していくことを目的にした事業です。

⇒ このような取り組みは北米のアマチュアスポーツでも一部の取り組みであり、日本スポーツ界としては初、世界的にもプロスポーツクラブの取り組みとしては例がございません。クラブの姿勢として社会課題に目を向けて行きたいというアルバルク東京の受け入れにより、実施に至ることができました。アルバルク東京は昨シーズンからB.Hopeのプログラムである「難病のこどもとそのご家族の招待」においても積極的に実施していただいておりました。(https://www.bleague.jp/news/34159.html)

※特定非営利活動法人Being ALIVE Japan (http://www.beingalivejapan.org/)

2016年2月にNPO法人化。代表北野華子氏が学童期に長期治療生活を送った経験から、慢性疾患のあるこどもたちが目標や希望、憧れで溢れる青春時代を応援したいという思いから設立に至りました。慢性疾患のあるこどもの健全育成及び生活の質の向上を目的に、地元アスリートとともに慢性疾患のあるこどもたちの青春をつくり、こどもたちの療養生活を支え応援する人「TEAMMATES」を地域社会に増やす活動をしています。現在までに小児医療センター内にある院内学級でのスポーツの活動の提供をはじめ、当TEAMMATES事業とスポーツを通じて慢性疾患のあるこどもとご家族を支援する、国内でも新しい取り組みを行っています。