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2017.05.28

西宮、2016-17 B2 リーグ戦の雪辱を果たしB2初代王者に輝く

  • COLUMN

5月20日(土)、B2 PLAYOFFS FINAL 2016-17(以下、ファイナル)が行われ、西宮ストークスが78−53と島根スサノオマジックに圧勝し、B2初代王者に輝いた。

文◎鈴木栄一

B2 PLAYOFFS SEMIFINALS 2016-17 で、西宮は群馬クレインサンダーズ、島根は広島ドラゴンフライズをそれぞれ下し、B1昇格を決めた。ただ、両チームとも昇格だけに満足せず。B2王者という勲章、賞金1,000万円を狙って今回のファイナルに臨んだ。

試合序盤は8−8の同点が示すように白熱の展開となる。しかし、西宮は#13道原らの得点に加え、#15オーウェンスが終了直前に3ポイントシュートを沈め6点リードで第1クォーターを終える。

これで流れをつかんだ西宮は第2クォーターに入っても堅い守備から得点を重ねる。特に#4バーンズが持ち前の高い個人技で得点を重ね、39−28とリードを広げる。

そして後半に入ると、西宮の勢いがさらに加速する。第3クォーターは開始直後から攻守で島根を圧倒する。特に見事なディフェンスが光り、このクォーターで24−6と大きく突き放し、リードを29点にまで広げた西宮がこのまま余裕の勝利を飾った。

西宮は天日コーチ、この試合で17得点を挙げMVPを受賞した道原が揃って「今季で一番良かったかもしれない」と語るように、この大一番で会心のパフォーマンスを披露。特に「島根のオフェンスについて、3ポイントシュートとオフェンスリバウンドを抑えようと言いました。選手たちはスマートに実行してくれたと思います」天日コーチが振り返ったように、ゲームプランを確実に遂行するディフェンスが素晴らしかった。

今季の西宮は、シーズン中盤の12月に先発ポイントガードを務めていた中心選手の1人#8竹野が残りシーズン欠場の大ケガを負って離脱するなど、色々な苦難を乗り越えてのB2制覇となった。

それだけにこの試合で19得点を挙げた主力の#9谷も優勝の喜びを語るが、一方で早くもレベルの上がるB1での戦いに向けて気を引き締めてもいる。「チームでそこを目指し長いシーズン戦ってきたので、優勝は素直に嬉しいですし、誇りに思う。ただ、来年が勝負という気持ちも生まれています」

また、西宮は昨季までNBLに所属しており、今季リーグ上位のチームとはすでに対戦経験も豊富だ。しかし、NBL時代は、厳しい成績に終わっており、道原は次のように意気込みを語る。「NBLの時は毎年、悔しい結果ばかりでした。今年B2でスタートすることになり、B1でチャレンジしたいと思ってプレーしてきました。来季へ向けて1人1人がレベルアップしないといけない。僕はフィジカル面で苦労したのでそこを強化していければと思います」

まさかの大敗となった島根だが、#12寒竹は「僕たちのバスケットボールを展開できなかったことは、エナジーレベルの差があったから。メンタルのタフさが欠けていました」とコメント。

そして来季に向けて、守備こそがB1の舞台で戦い抜くには鍵となると続けた。「(レギュラーシーズン)51勝9敗は名誉ですが、チャンピオンになれなかったことで心残りがある終わり方となりました。B1ではすべてが格上となりますが、その中でも武器としてきたディフェンスでは負けられないです。守備でしっかりプライドを見せたい。毎試合、タフな試合が続くので今季以上もっとタフにならないといけないと思います」

あまりに対照的なシーズンの締めくくりとなった両チームだが、来季ともにB1に戦いの舞台を移すことは同じ。良い意味でのサプライズを起こし、リーグに旋風を巻き起こせるのか注目だ。