規約違反による制裁決定について
公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ (東京都文京区、チェアマン:島田慎二 以下「B.LEAGUE」) は、下記の事案におきまして、裁定委員会に諮問し、その答申を受けて制裁を決定いたしましたのでお知らせいたします。
【事案】
越谷アルファーズ所属コーチによるBリーグ規約違反
【認定された事実】
関係証拠を総合すると、下記事実が認定された。
1. 越谷アルファーズに所属する安齋竜三ヘッドコーチが、①2024-25シーズンを通して、選手に対して、怒鳴る、威圧的な態度をとるなど反復継続してハラスメント行為等を行った事実、および②選手に対して下記行為を行った事実
(1) 試合中、選手が通りすぎたタイミングなど、当該選手が自身に向けられたと認識せざるを得ない状況で「死ね」と発言した
(2) 選手に向けて、および選手が自身に向けられたと認識せざるを得ない状況で「クソが」などと複数回発言した
(3) 2025年1月4日、ハーフタイムのロッカールームにて、特定の選手複数名に対し、「お前、給料いくらもらってんだ、言ってみろ。恥ずかしくないのか」と発言するとともに、その発言に際してロッカーを叩いた
(4) 2025年2月1日、試合後のロッカールームにて、特定の選手に対し、当該選手に課せられた責任を果たしていない旨の発言をした上で、「言いたいことがあるなら言ってみろよ」、「お前も人間だろ。言ってみろよ」と言いながら詰め寄った
2. 上記事実に対する越谷アルファーズの監督責任
【適用条項】
認定事実1:Bリーグ規約 第3条第9項
認定事実2:Bリーグ規約 第127条、第3条第9項
【制裁内容】
1. 安齋竜三ヘッドコーチ :けん責およびバスケットボール関連活動の全部の停止・禁止3ヶ月間
※本制裁決定の翌日(2025年7月23日)から2025年10月22日まで
2. 越谷アルファーズ :けん責および制裁金200万円
【制裁理由】
本件は、ヘッドコーチが選手に対して威圧的で人格否定的、人格侮辱的言動を繰り返した事案であり、その態様は長きにわたり反復継続されたものであり、またハラスメントを受けた選手も多く、これに起因して複数の選手が心身の不調をきたし、競技環境の変更を余儀なくされた選手もいるなど、非常に程度の重いハラスメント事案といわざるを得ない。
そのため、ヘッドコーチに対しては猛省を促すためにも3か月の活動停止が相当である。
また、B.LEAGUEは長年にわたり、各クラブに対し、ハラスメントの根絶を指導してきたにも関わらず、越谷アルファーズは本件の発生を防ぐことができなかった。特に本件は、日常的にハラスメントが繰り返された事案であるにも関わらず、これを把握、改善できなかった越谷アルファーズの監督上の責任は非常に重い。
したがって、越谷アルファーズに対しては、相当に重い制裁が必要と判断し、けん責および200万円の制裁金が必要と思料する。
【経緯の概要】
1. 2025年2月下旬ころ、B.LEAGUE通報窓口に対し、認定事実1の通報がなされる。
2. 同日、B.LEAGUEコンプライアンス事務局が調査を開始。
3. 同年7月22日、B.LEAGUEにて本制裁決定に至る。