「B.LEAGUE UNITED」の水野宏太ヘッドコーチが語る国際経験の意義「ここで得た経験がB.LEAGUEの中で生かされ、それが積み重なる」

2025年6月28日と29日、B.LEAGUE選抜チーム「B.LEAGUE UNITED」がオーストラリアリーグNBL選抜を招き、群馬県太田市のオープンハウスアリーナ太田で対戦しました。

「B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL 2025」は、主に若い選手が国際経験を積むための機会ですが、「B.LEAGUE UNITED」を率いる水野宏太ヘッドコーチは、この2日間の意義をこう語りました。
「B.LEAGUEが発展して、EASL(東アジアスーパーリーグ)やBCL Asia(バスケットボール・チャンピオンズリーグ・アジア)といった大会で国際経験が得られるようになりましたが、それは結果を出した限られたクラブのこと。今回は志願してくれた選手がNBL選抜と対戦しました。そこに今村佳太選手や池田祐一選手のように経験ある選手が志願することにすごく意味があると思っていて、キャリアがあっても成長し続けるという意欲を若手が見ることで、自分もそこにチャレンジしようとするサイクルができてくると思います」
「たとえばトビン マーカス海舟選手、淺野ケニー選手は、層の厚いチームでプレータイムを勝ち取るのが厳しい状況にあって、その中でここに志願してきたことで得られた経験がキャリアに繋がってくると思います。志願してここに来た選手が得た経験がB.LEAGUEの中で生かされる、それが積み重なってB.LEAGUEが目指す2030年の目標(NBA選手を5人輩出)にも繋がっていくと思います」
■今村選手「僕らはこの期間だけでは終わらない関係性になる」

「B.LEAGUE UNITED」のキャプテンを務めた今村選手も思いは同じで、「選手もスタッフもリーグも、チャレンジな企画だと思ってやっています」と語ります。
「その意義やメリットは今語るものではなく、参加した選手がそれぞれのチームに戻ってプレーで見せたり、それが評価されることで、そうなれば来年に『参加したい』と思う選手が増えると思います。このチャレンジが皆さんのもとに届くようにしなければいけないし、この経験が意味のあるものになったと言えるように、それをファンの皆さんに認めてもらえるようにしないとならない。そういう責任感は持っています」
普段は異なるチームでプレーしている選手が集まる選抜チームで、短い準備期間で試合を戦うのは大変だったはずですが、今村キャプテンは「このメンバーじゃなかったらこうはならなかったと思うぐらい、みんな言い訳せずに取り組んでくれる選手だったので、難しさより楽しさの方が大きかったです」と語り、こう続けました。
「このメンバーでアメリカに行けるのは楽しみですし、僕らはこの期間だけでは終わらない関係性になるんじゃないかと思っています」
■中村拓人選手「アメリカ遠征が楽しみ」

今村キャプテンが言うように、「B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL 2025」はこの2日間では終わりません。この後、「B.LEAGUE UNITED」はアメリカ遠征、そして再び海外クラブを日本に招いての試合が予定されています。
PGの中村拓人選手は、「僕はそもそもアメリカでバスケをやったことがありません。キャリアの中でアジアしか経験していないので、より楽しみですね」と、その挑戦について語ります。
「やれる機会があることは、僕ら選手にとって本当にありがたいですし、そこに立つ責任もあると思っています。もちろん全部が上手くいくとは思っていませんし、自分のレベルを痛感させられるかもしれませんが、機会があるのに自分ができることにトライしないのが一番もったいないので、遠慮せずに貪欲にやっていくつもりです。チャンスを生かしてバスケットボール選手としてレベルアップしたいです」
このプロジェクトのスケジュールは日本代表の活動と並行して進むことになります。中村選手は「日本代表としてチームに貢献したい思いもありますし、Bリーグを盛り上げたいという思いもあって、どちらが上か下かは僕自身も分かりません。それぞれの機会がそれぞれの選手にあって、どちらも自分が上手くなれる機会なので、その場所を与えてもらった以上は生かしたいと思っています」と語ります。
逆に、長いシーズンを終えてのオフを休みたいという気持ちはないのでしょうか。と質問すると中村選手は「こういう機会がいただけるのであれば、休みが欲しいとは思わないです」と笑顔で応えました。「長く休むとバスケの感覚が失われるので、少しの休みを挟みながら、プレーすることを続けていきたいと思っています」