【CS出場チーム紹介⑦】群馬クレインサンダーズ「歴代最強の布陣。下剋上へ“群馬一丸”」
レギュラーシーズン上位8チームによる「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2024-25」がいよいよ幕を開ける。本稿ではチャンピオンシップの出場チームを紹介。7チーム目はワイルドカード上位でクラブ史上初となるチャンピオンシップ出場権を獲得した群馬クレインサンダーズをピックアップする。
今大会唯一の初出場チーム。2021-22シーズンにB1に昇格して以降、群馬クレインサンダーズは着実に勝率を伸ばしてきた。
「バイウィーク前に取りたかった勝利数には届いていませんが、バイウィーク明けにはもっといいバスケットをお見せしたい」
カイル・ミリングヘッドコーチの言葉どおり、シーズン序盤は8勝6敗と勢いをつけられなかった。しかし、第9節から5連勝を挙げると、1敗を挟んで7連勝をマーク。B1でのクラブ最多となる39勝でレギュラーシーズン60試合を終えた。
今シーズンから指揮を託されたミリングHCが目指したのは「ディフェンシブなチーム」。その方向性は数字にも顕著に現れ、昨シーズンまで80点台だった1試合平均失点は71.6点まで減少した。
ただ、ケガ人が発生した影響もありリバウンド争いでは指揮官の理想とする強さを発揮できなかった。ミリングHCは「レギュラーシーズンよりもフィジカルな試合になる」と先を見据え、リバウンドをポイントに挙げる。
「リバウンドに関しては波があるので、しっかりと取るべきリバウンドを取り続けることが必要です。ロースコアの試合になることも予想されるので、リバウンドがかなり重要になってくると思っています」
それでも、B2時代から中心を担ってきたマイケル・パーカーとトレイ・ジョーンズを筆頭に、新戦力の藤井祐眞、ヨハネス・ティーマンらもそれぞれの役割を発揮。初のチャンピオンシップ進出を果たした今シーズンの布陣は、歴代最強と言えるだろう。
「レギュラーシーズンを通して良いチームケミストリーを築くことができました。選手起用もいろんなラインナップを敷いて他のチームを困惑させることができたと思っていますし、その中で結果を出せたこともよかったと感じています」
合言葉は『群馬一丸』。下剋上を起こした名将のもと、さらなる快進撃を見せる準備は整った。
◆KEY PLAYER/SG #9 辻直人

長距離砲でチームを勢いづける辻[写真]=B.LEAGUE
「やっぱり辻直人がチーム2年目で何かが起こる」
そう口にするのは当の本人だ。広島ドラゴンフライズでの在籍2年目にクラブ初のチャンピオンシップ出場を果たしただけでなく、東芝ブレイブサンダース時代(現川崎ブレイブサンダース)には2年目で優勝を経験した。
群馬在籍2シーズン目の今シーズンはキャプテンに就任。ミリングHCと再びタッグを組み、個性豊かなメンバーをけん引してきた。
代名詞の3Pシュートは、昨シーズンの成功率36.5パーセントから43.5パーセントに飛躍。今大会でも相手にとって最も勢いに乗せたくないプレーヤーだ。
チャンピオンシップ出場を決め「こっからですね」と気を引き締め直した“北関東のハッピー野郎”は、顔をほころばせながらこうも話した。
「伝説はまだまだ続く」
文=小沼克年