地方の熱がBリーグ価値最大化の鍵…島田チェアマンが見た島根&佐賀「官民連係」の成功事例
5月8日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第235回が配信。島根と佐賀への出張報告を中心に、地方クラブの成長と地域における存在感について語った。
3年ぶりとなる島根訪問では、多くのステークホルダーとの面会を通じて、島根スサノオマジックの地域における浸透ぶりを実感。「街中に青が多いんですよ。色々なところに青があって、お店に行ってももちろんポスターがあったりとか。青がとにかく多い」と、チームカラーが町に溶け込んでいる様子を語った島田チェアマン。会場の熱狂に加え「演出とかエンタメについては、3年前に比べたらもう1段、2段バージョンアップしてる」と、クラブの成長を実感した様子だ。

松江市総合体育館で開催された島根vs琉球を視察[写真]=B.LEAGUE
また、松江市の上定昭仁市長への表敬訪問では、市長からクラブとの連係事業を直々にプレゼンされたという。防災面や地域の子どもたちとの連係、また松江城を島根スサノオマジックのチームカラーである青にライトアップをするなどの実績を聞き、「資料をいただいて、(他の)クラブにも連係して自治体との取り組みにおいて参考にさせていただきますという話をしてきたところでしたが、本当に、地元としてガッツリ応援していますということが見えました」と、日本のバスケ業界をけん引する立場から、地方クラブの存在感の高まりに手応えを感じたようだ。
続いて訪れた佐賀では、佐賀バルーナーズのクラブスタッフとの質疑応答の時間が設けられた。「(利益や集客など)数字だけ見ると都心部のチームに全然太刀打ちができない」という不安を抱えるスタッフたちに対し、島田チェアマンは、経済規模で大都市圏クラブに追いつくのが難しい地方クラブの現状を理解しつつも、「自信を持ってほしい」と激励しつつ、B.革新やサラリーキャップ制度の導入こそが地方クラブにも公平な競争環境を生み出す改革であるという真意を伝えた。

佐賀でも地元ファンと交流した[写真]=B.LEAGUE
佐賀市の坂井英隆市長との会談では、新B1のB.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)に向けたドラフト参画の条件となる練習場整備についても議論。「単純に練習場を作るだけではなくて、そこが集いの場になるというか賑わいにつながるようなことも考えていて」と、単なるトレーニング場に止まらない活用も検討されていることを明かし、市長が地域に開かれた施設づくりに前向きな姿勢を示していることに感謝の意を表した。
島田チェアマンはBリーグの価値最大化に関して、首都圏の大規模クラブの存在意義を認めつつも、真に「バスケで日本を元気にする」ためには全国各地の地方クラブの存在こそが決定的な要素になると強調した。さらに「地方の人たちが、ポジティブに自分たちもできるって自信を持ってもらえること、自分たちもやればできる、頑張ればなんとかなるっていうことを感じる機会が、Bリーグ、バスケを通して、各地域で起こることはめちゃめちゃ大事なんですよ」と、バスケを通じた地方創生への想いを改めて語った。
今回のエピソードでは、島根でのブースター兼ボランティアとの交流や、佐賀でのコート上で円陣を組んで行われたオールスタッフミーティングでの様子などが紹介されたほか、長年のリスナーである名鉄イン刈谷の支配人の退職と感謝の手紙などについて語られた。