【B2PO F・3位決定戦 見どころ】A千葉念願の初優勝なるか…富山はB1復帰に華を添えたい
2026年にスタートするB.革新はリーグ構造の変更を伴う大きな変革だ。そのため、ポストシーズンの結果によるB1昇格は今シーズンが最後。『りそなグループ B2 PLAYOFFS 2024-25』もついに最終章を迎える。
B1復帰を目指した3クラブのうち2クラブはその目標に届かず、3位決定戦に回ることとなった。ライジングゼファー福岡は富山グラウジーズとのセミファイナルGAME1を7点差で落とすと、GAME2は大量104失点。アンドリュー・ランダルの49得点の活躍も及ばず、連敗でB1への道が閉ざされた。ホームで古巣との争いに敗れた浜口炎ヘッドコーチにとっては、特に悔しさの残る結果だったに違いない。
もう一つは信州ブレイブウォリアーズ。アルティーリ千葉に24点差をつけられたGAME1からファイトバックし、GAME2は接戦。第4クォーター残り4分30秒以降を1失点に抑えたものの、オフェンスに使う余力は残されておらず、力尽きた。このセミファイナルもエリエット・ドンリーとテレンス・ウッドベリー、渡邉飛勇が出場できないという苦しい台所事情の中、信州らしい粘りは見られたが、残念ながら来シーズンもB2で戦うこととなる。
3位決定戦は両者にとってモチベーションの面で難しい戦いとなるが、今シーズンの集大成を見せ、勝利で締めくくることに意味がある。特に福岡は、ホームで戦えることを力に変えなければならない。セミファイナルは得点面で振るわなかった中村太地の奮起に期待したいところだ。プレーオフの全試合をアウェーで戦うことになる信州は、セミファイナルまでの65試合全てに出場している三ツ井利也とアキ・チェンバースが、最後まで全力疾走でチームを鼓舞してくれるだろう。

今季の福岡vs信州は2勝2敗のタイ[写真]=B.LEAGUE
B2制覇をかけて争われるファイナルは、3度目の挑戦で初めてセミファイナルを突破し、創設4年でB1にたどり着いたA千葉と、無念の降格から1年でB1復帰を果たした富山の顔合わせとなった。
信州とのセミファイナルで、A千葉はオフェンスだけで34本、計65本ものリバウンドを奪いGAME1に先勝。GAME2は信州にリードを許す時間帯もありつつ、第4クォーターで先手を取るとそのまま逃げきることができた。プレーオフの4試合で平均10得点を超えている黒川虎徹が、昨シーズンまでのA千葉との違いを生んだと言えるだろう。
富山はアウェーで福岡を撃破。GAME1の宇都直輝の20得点、GAME2のトーマス・ケネディの33得点と田中晴瑛の17得点10アシストも光ったが、フリースローがGAME1で35本中26本成功、GAME2で38本中29本成功と、レギュラーシーズンと同様の試合運びができたことが最大の勝因だ。そして、昨シーズンの滋賀レイクスに続いて1年でのB1復帰を成就させたダビー・ゴメスHCの手腕も称賛に値する。

今季のA千葉vs富山はA千葉の5勝1敗[写真]=B.LEAGUE
A千葉がレギュラーシーズンで喫した3敗のうちの1つが富山戦だが、勝利した富山にとってはもちろんのこと、A千葉にもその試合で最大19点差を2点差まで詰めることができたというポジティブな材料がある。最後に勝敗を分けるのはプライド。3シーズン連続リーグ全体1位で、最高勝率記録も塗り替えたA千葉に対し、B1で8シーズン過ごし、チャンピオンシップ進出の経験もある富山。意地のぶつかり合いで、最後の1秒まで目の離せないゲームとなることを望む。
文=古川哲彦
■りそなグループ B2 PLAYOFFS 2024-25 ファイナル 試合日程
・アルティーリ千葉vs富山グラウジーズ(@千葉ポートアリーナ)
GAME1:5月17日(土)15時~ GAME2:5月18日(日)15時~ GAME3:5月19日(月)18時~
■りそなグループ B2 PLAYOFFS 2024-25 3位決定戦 試合日程
・ライジングゼファー福岡vs信州ブレイブウォリアーズ(@福岡市民体育館)
GAME1:5月17日(土)15時5分~ GAME2:5月18日(日)15時5分~ GAME3:5月19日(月)19時5分~