「明日につながる試合ができた」…宇都宮に敗れるも、琉球・小野寺祥太は第2戦へ手応え
5月24日、横浜アリーナで「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25」GAME1が開催。宇都宮ブレックスが琉球ゴールデンキングスを最終スコア81ー68で破り、3度目のリーグ優勝へ王手をかけた。
4年連続となるFINALSの舞台に立った琉球は、 脇真大の得点で先制点をマーク。立ち上がりで7ー2と好スタートを切ったかに思われたが、第1クォーター残り4分5秒に逆転を許して以降は最後まで追いつくことができなかった。
強みであるリバウンドでは、相手の37本に対して48本のリバウンドを奪うことができた。しかし、宇都宮のストロングポイントを抑えられなかったことで後手に回り、琉球は試合を通じて16本の3ポイントシュートを浴びせられた。D.J・ニュービルには3本の3ポイントを含む25得点に加え6アシストを献上。試合後に桶谷大ヘッドコーチが「今日は小川くんが試合を決めたと思います」と語ったように、ルーキーの小川敦也にも15得点の活躍を許した。
「今日は相手にやりたいことをやられてしまった時間帯がかなりありました。明日は3ポイントの部分、セカンドチャンスの部分をしっかり修正して、自分たちにもっといい流れを持ってこられるようにしたいと思います」
敗戦後、ミックスゾーンに姿を見せたのは小野寺祥太。暗い表情を見せることなく落ち着いて取材に応じる小野寺は、すでに気持ちを切り替えていた。
「オフェンスリバウンドの部分はジャック・クーリー選手とアレックス・カーク選手が起点になって取ってくれるので、そこは明日も続けていきたいです。外のシュートの関しては、もっとガード陣が思いきって打っていかないといけないなと思います」
琉球は第4クォーターに松脇圭志が3本の3ポイントを沈めて意地を見せた。エースのヴィック・ローは厳しいマークに遭いながらもチーム最多の18得点を記録。だが、松脇以外の日本人選手は2ケタ得点を挙げることができなかった。

比江島の得点を5点に抑えることはできたが、反省の色は濃い[写真]=矢島花音
先発出場した小野寺は、この試合では主に比江島慎のマークマンを担った。オフェンスでは4本の3ポイントを放ったものの、スコアにつなげることができず無得点。この日のパフォーマンスについては、「ディフェンスはこのまま続けていきたいと思っていますけど、今日の比江島選手はオフェンスリバウンドに何度も絡んできたので明日はもっと修正が必要です。オフェンスでは4本打って1本も決めることができなかったので、チーム全体でしっかりボールムーブをしてから打ちきりたいです」と振り返った。
今シーズンの小野寺は、ローとともにダブルキャプテンの1人として先頭に立つ。チームはレギュラーシーズン終盤に大黒柱の岸本隆一が全治8週間以上のケガに見舞われた。それでも小野寺は、「選手一人ひとりが責任感を持ってプレイしていますし、それがチームとしてのいい流れになっています」とチームの強さを語る。
昨シーズンのFINALSでは広島ドラゴンフライズに1勝2敗で敗戦。惜しくも2度目のリーグ優勝には届かず、「個人としても何もできなかったです。不甲斐なさもありますし、自分がもっとチームに貢献できたら……」と小野寺は涙を流した。1年越しに辿り着いた横浜アリーナは、小野寺自身にとってもリベンジの舞台だ。
残り2試合で2連勝。琉球が果たすべきことは至ってシンプルであり、優勝への条件はそれ以上でもそれ以下でもない。
「我慢の時間帯が多くて追いつけませんでしたけど、大崩れはしなかったとも感じています。本当に明日につながる試合ができたのかなと思います」
2019-20シーズンにチームに加入して今季で6年目。琉球で酸いも甘いも味わってきたキャプテンは、敗戦の中にも確かな手応えを得た。負ければ終わりの明日のGAME2、小野寺祥太を中心に琉球の逆襲が始まる。
取材・文=小沼克年