チケット購入
2025.05.27

「まだ全然いけるぞ」琉球ロッカーに響いた軍師の声…桶谷HCはファンに今季最後の“お願い”

  • バスケットボールキング

 Bリーグの年間王者を決める「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25」は、24日のGAME1を宇都宮ブレックス(東地区1位)が制したが、25日に行われたGAME2では琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が逆転勝利し1勝1敗のタイに。27日の第3戦へともつれこんだ。

 GAME2は王手をかけていた宇都宮が一時14点差まで点差を広げたものの、第2クォーター終了間際に琉球の荒川颯が3ポイントを決め1桁点差で前半終了。すると、第3クォーター立ち上がりから流れをつかんだ琉球が一気にクロスゲームに持ち込み、最終第4クォーターに形勢逆転。最後は突き放すような形の最終スコア87-75で勝利した。

 前後半でまったく異なる試合展開になったGAME2。大激闘の流れを変えたハーフタイムで何があったのか、ロッカールームでの様子を問われた脇真大とジャック・クーリーは、2人揃って佐々宜央アソシエイトヘッドコーチの名前を上げて振り返った。

「ハーフタイムは佐々さんが結構いろいろなことを言ってくださった。8点差だったので『まだ全然いけるぞ』と声かけをしてもらって、(後半は)全員が出だしからエナジーの部分でトーンセットしていけたので、そこは良かったと思います」(脇)

「脇が言ってくれたように、ハーフタイムに佐々コーチが非常にパッションを出してくれて、自分たちがそれによってエナジーをもたらせましたし、コーチ陣も自分たちと同じくらいハードワークしている。これが自分たちにとって今シーズン85試合目になると思うんですけど、今までやってきたことを出して後半に挑めたことが、この結果につながったと思います」(クーリー)

GAME2で佐々AHCと抱き合う桶谷HC[写真]=矢島花音

 現在41歳の佐々アソシエイトヘッドコーチは、昨シーズンまで宇都宮を指揮しており、今シーズン5年ぶりに琉球へ復帰。試合中は選手に負けじとガッツポーズを見せたり、先頭をきって選手を出迎えたり、その“熱さ”が目立つ一方で、桶谷大ヘッドコーチも「軍師」と呼ぶなど信頼を寄せている“頭脳”でもある。

 GAME2後の会見で、今回のバウンスバックも含む修正力の源を問われた桶谷HCは「佐々が来てくれたおかげだと思いますね」とキッパリ。さらに「いろいろな策を提供してくれる。XO(戦術)だけじゃなくてファンダメンタル(基礎)も。バランスをしっかりとりながら今日は何をやろうと伝えてきてくれているのが、この修正力につながっているかなと思います。できていない部分だけじゃなくていい部分もチームメートに話してくれるので、選手たちがモチベーションを上げてできているのも今シーズンのいいところかなと思います」と続けた。

 そんな桶谷HCが記者会見の最後に答えたのがファンへの思いと、今シーズン最後の“お願い”だった。「ちょっと偉そうに話してもいいですか」と前置きしつつ、次のように続けた。

GAME2では白く染まるスタンドから“琉球の風”が吹いた[写真]=矢島花音

「それこそ佐々が言っていたんですけど、やっぱり4年連続ファイナルに来ているというところで、昨日『本当にファイナル?』って感じでやっちゃってたんじゃないかなと正直僕らは感じていて。僕らもエナジーが無かったのかなと思うし、チームもちょっとエナジー無かったのかなと思うし、もちろんファンのみなさんもブレックスさんに負けているなと思っていたので。逆に今日くらい3戦目にちゃんと出してくれたら…。ちょっと偉そうですよね。すいません。(笑)でもキングスってそういうことやんって。僕らアンダードッグなんで。だからこそみんなで声出して、また熱い試合を3戦目にしたいなと思います」

 2試合続けて1万3000人超が横浜アリーナにつめかけている頂上決戦も残り1試合。今夜もキングスを後押しする“琉球の風”は吹くのか。注目の第3戦は27日19時5分ティップオフ予定だ。

【動画】ファイナル第2戦…宇都宮vs琉球のハイライト映像