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2025.07.09

Bリーグ×日本財団、地域課題解決に向けたモデル事業を始動

  • 月刊バスケットボール

全国10クラブを採択、1.1億円規模で「まちづくり」を推進

Bリーグは7月8日、東京都内のバスケットボールオフィスにて記者会見を行い、公益財団法人日本財団との連携を強化し、「スポーツを通じた地域課題の解決」を目的とするモデル事業を始動すると発表した。第1弾のテーマは「まちづくり」。全国のB1・B2クラブからの応募の中から10クラブが採択され、総額約1.1億円の助成が行われる。

両者は2017年より連携を開始し、これまでも震災復興支援、コロナ禍の募金活動、スポーツ体験支援など、多様な社会課題の解決に取り組んできた。今回の取り組みは、そうした協働をさらに発展させるものであり、クラブが地域の課題をスポーツを通じて解決する事業に対し、日本財団が資金面から支援する仕組みとなっている。

採択クラブと事業概要(全10件)
●レバンガ北海道
「レバンガこども BASE ~プロチーム練習場を活かした地域共育拠点づくり」
廃校を改装した練習場に併設された家庭科室を活用し、地域の子どもと保護者を対象とした「子ども食堂」を運営。

●秋田ノーザンハピネッツ
「スポーツチーム型こども居場所モデルの構築」
こども食堂「みんなのテーブル」の運営実績を基に、レシピアプリを開発。常設型および移動型の居場所づくりを推進。

●茨城ロボッツ
「ロボッツがつなぐ『みんなで育てるまち』プロジェクト」
水戸市中心街のM-SPOを活用したパブリックビューイングや商店街連携イベントを通じて、地域住民との自走可能な交流拠点を構築。

●川崎ブレイブサンダース
「THE LIGHT HOUSE KAWASAKI BRAVE THUNDERS Global Connect」
施設内に外国人スタッフを配置し、多文化共生と英語体験の場を創出。外国人家庭の子ども支援も視野に入れる。

●名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
「バスケコミュニティがハブとなる持続的な地域コミュニティ形成」
部活動地域展開を軸に、地域課題に取り組む人材と資金循環の仕組みを育てる「共生型まちづくりプラットフォーム」を整備。

●大阪エヴェッサ
「つなぐプロジェクト~地域×スポーツ×働く~リアルお仕事体験 in 商店街」
商店街を舞台にした職業体験を通じて、子どもたちに「働く意義」を伝えるとともに、地域活性化と働き手不足の課題解消を図る。

●福島ファイヤーボンズ
「~放課後のインフラをつくる~郡山まちづくりビジョン連携型スポーツコミュニティー」
体育施設を拠点に、運動プログラム“スポコミュ!”を常設化。子どもたちの居場所を地域ぐるみで支え、将来的な公共連携の基盤も構築。

●信州ブレイブウォリアーズ
「レガシー(ホワイトリング)を活用した『地域交流拠点事業』」
長野冬季五輪のレガシー施設「ホワイトリング」を活用し、アートワークショップなどを実施。地域交流拠点化の課題と方向性を探る。

●ベルテックス静岡
「VELTEX ART GALLERY スポーツ×アートが推進する共生社会」
知的障がい者とともにアート作品を制作し、ホームゲームや公共施設で展示。共生社会の実現を目指す。

●熊本ヴォルターズ
「熊本ヴォルフェスタともに 熱源で街を一つにする」
バスケ、音楽、グルメを融合したイベントを通じて、熊本城周辺の文化・観光エリアと連携。地域の周遊促進を図る。

本取り組みは、総額約2.8億円規模のモデル事業の一環であり、今回の第1弾が「まちづくり」にフォーカスしているのに対し、今後は「防災意識向上」をテーマとしたプロジェクトの実施も予定されている。全国の約30クラブ超が、地域自治体や学校と連携し、バスケットボールを通じて地域防災力の底上げを図る取り組みを推進していくという。