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2025.08.12

JBAが安藤財団コーチングアカデミーに参画、大阪エヴェッサが中学生対象の指導会を実施

  • 月刊バスケットボール

バスケを通じた競技機会の創出が目的


日本バスケットボール協会(JBA)は、公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団(安藤財団)と大阪市教育委員会が進める「安藤財団 コーチングアカデミー~未来のブカツを育てる指導者養成プロジェクト~」に参画。これは部活動の地域移行に伴う環境変化の中で、バスケットボールを通じた競技機会の創出を目的とする取り組みである。

このプロジェクトは、大阪市の部活動指導員や部活動顧問教員に向けた指導者養成支援メニューを提供するテスト事業の一環で行われている。7月25日には、大阪市立中之島小中一貫校(大阪市北区)で中学生を対象とした指導会を実施。講師はBリーグ・大阪エヴェッサの#31木下誠、#20合田怜の両選手と、U15チームの仲剛士アシスタントコーチが務めた。


プロジェクトに参加した#20合田怜(写真左)、#31木下誠(同右)

参加者は、プロ選手の視点や身体作りに関する話を聞きながら、実技指導を受けた。堀江中の小野田君と松下君は「レイアップを打つにしてもプロの視点はいつもと違ったし、練習の後に選手の2人からプロが試合の時にどんなことを考えているか聞いたり、身体作りについて聞いたりできて良い経験になりました」と話し、今後の練習に生かす意欲を示した。

木下は「僕が小学生の時に今野翔太さん(現・大阪エヴェッサGM)が僕たちの小学校に来てクリニックをやってくれました。そこでシンプルに『プロってすごい』と思いました。今は僕がこうやってプロの立場になり、いろいろな学校に行くようになっています。そこで触れ合う子供たちに少しでも『すごい』と思ってもらい、バスケを好きになってほしいという気持ちでやっています」と、自身の経験と活動への思いを語った。


自身の経験も踏まえて教えた木下誠

また合田は「今は高校を卒業してすぐBリーグに来ても通用する選手がいます。特に技術面では育成年代でもプロと遜色ないレベルの練習をしていて、次から次へといろんな技術を習得しています。そんな育成年代の子供たちのあこがれの対象になったり、夢を与えることは僕らプロ選手にとってすごく大事な役割なので、こういう活動は個人としてもチームとしても積極的にやっていきたいです」と述べた。


指導する合田。子どもたちも真剣な眼差しでアドバイスを聞いていた

仲アシスタントコーチは「大前提として、バスケットボールを『楽しく』やってもらうことを一番に考えています。ユースチームではプロを目指すため厳しく指導することもありますが、単発のクリニックでは、バスケを好きになってもらい、続けてもらうこと、そして大阪エヴェッサというチームを認知してもらうことが重要です。ミスを注意するのではなく、チャレンジしたことを褒める。少し難しいメニューもやりましたが、僕らコーチが『やれるはずがない』と決めつけるのは良くないと考えています。シュートが決まっても外れても、褒めたり、細かいアドバイスをしたりすることで子供たちの成長スピードは速くなります。バスケを楽しんでもらいながら、できないことに対して成功への道筋を考えてもらうことも大事だと考えています」と語った。


普段からU15を指導しているとあって、仲剛士アシスタントコーチの言葉は的確だった

JBAと安藤財団、大阪市教育委員会によるこの取り組みは、指導者の資質向上と同時に、未来の選手たちがバスケットボールを続けるきっかけづくりにもつながっている。


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