SR渋谷ユースの森茂達雄アソシエイトコーチが逝去…学生バスケ指導歴40年超、チーム創設に貢献
9月11日、サンロッカーズ渋谷は、病気療養中だった森茂達雄ユースアソシエイトコーチが9月9日に逝去したと発表した。享年67。
日本体育大学出身の森茂氏は、1980年から巣鴨学園中等部のヘッドコーチに就くと、1987年から2021年にかけては保善高校を指導。この期間中には、東京都少年国体チームのヘッドコーチや、國學院大學のアシスタントコーチも務めるなど、長らく学生バスケの指導にあたってきた。SR渋谷では2021年のU18創設時よりヘッドコーチに就任し、今年4月からアソシエイトコーチという立場に。日本バスケットボール協会(JBA)トップエンデバーのサポートコーチも歴任するなど、クラブのみならず日本バスケットボール界の発展にも大きく貢献した。
SR渋谷の松岡亮太ゼネラルマネージャーは、「森茂コーチとは、サンロッカーズ渋谷がユースを立ち上げる際からのお付き合いであり、ユースの認知度がまだ低かった時期から、東京都の中で常に大きな理解とご支援をいただいてまいりました。立ち上げから数年が経ち、次はU18の準備を進める段階で『ユース世代の最高峰としてU18を立ち上げ、サンロッカーズ渋谷をU12からトップまで真の意味で繋がる日本一の育成組織にしたい。そのために新たに立ち上げるU18の初代ヘッドコーチとして力を貸していただけませんか』とお願いし、快くクラブに加入してくださいました」と当時のエピソードを語った。
また、「『ONLY ONE ― バスケを人生で唯一無二の存在に ―』をスローガンに掲げたヘッドコーチとしての4年間では、創設から4年連続でチームをU18 ELITE LEAGUEに導いた(今年で5年連続5回目の出場)他、当時BリーグU18チームとしては初となる『日清食品ブロックリーグ』や『おきなわカップ』への出場を果たすなど、BリーグU18の創成期において早くから高校バスケットボール界とも対峙するなど確かな存在感と実績を築かれました。また大会での成果にとどまらず、育成面でも大きな功績を残されました。創設時にクラブU18の第1号選手としてU15から昇格した大森康瑛選手を3年間指導しプロの舞台へ送り出したほか、山﨑成隆選手(現・駒澤大学3年生)、井伊拓海選手(現・筑波大学1年生)がトップチームからコールアップされるなど、在籍4年間で多くの選手の成長を支えてこられました」と、森茂氏の残した功績を紹介。
さらに「オフコートでは、見た目は少々強面で体育会系の雰囲気を持ちながらも、とてもお茶目で温かい一面を持ち、世代の離れたスタッフにも常に敬意をもって接してくださいました。その懐の深さや器の大きさは、現在GMを務める私自身にとっても変わらぬお手本です」と森茂氏の一面を明かした。チームを統括する松岡GMは「わずか2か月前にはスタッフ合宿に元気に参加され、数週間前までユースの試合や練習に足を運んでくださっていたことを思うと、今なお大きな喪失感と深い悲しみに包まれております。しかし同時に、この約4年半の間に森茂コーチがユースチーム、そしてクラブ全体にもたらしてくださったものを、私たちがしっかりと受け継ぎ、未来へとつなげていくことこそが最大の恩返しだと強く感じております。森茂さん、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」と締めくくった。