三遠ネオフェニックスがファイティングイーグルス名古屋の『心臓』を突き、『AICHI CENTRAL CUP 2025』優勝を達成
FE名古屋はアウトサイド陣にも当たりが来ず
愛知県を本拠地とする4クラブ(ファイティングイーグルス名古屋、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、シーホース三河、三遠ネオフェニックス)が一堂に会し、シーズン前の腕試しを行う『AICHI CENTRAL CUP 2025』は、9月15日、3位決定戦と決勝戦が行われた。三遠とFE名古屋の対戦となった決勝戦は76-53で三遠が勝利し、大会連覇を飾った。
勝利した三遠のねらいは試合開始直後から明確だった。すなわち、FE名古屋の心臓とも言えるショーン・オマラにストレスを与え、自由にプレーさせないこと。208cm116kgのオマラはインサイドでの得点、リバウンドに優れたセンター。今シーズンよりチームを指揮するルーベン・ボイキンスーパーバイザーコーチが目指す、強度の高いディフェンスからのスピーディなバスケットにスクリーンやリムランでも貢献できる選手だ。
三遠は彼のマッチアップにヤンテ・メイテンをぶつけ、ボールハンドラーがバックコートからエントリーしようというタイミングから激しいプレッシャーを与え続けた。オマラはメイテンに激しいフィジカルコンタクトを受けながら、自分のなすべきことをどのように遂行すれば良いかを考える。まわりの選手たちは三遠の各選手からのプレッシャーを受けながら、オマラにどうボールを託せばいいかを考える。三遠はFE名古屋の選手たちの思考と身体、両面のスタミナを削り取り、第2クォーター中盤で20点のリードを積み上げることに成功する。
FE名古屋はオマラのインサイドの得点でなく、アウトサイド陣の3ポイントシュートで対抗するという手も当然ながら打った。しかし、前日のシーホース三河戦で3ポイントシュートを10本中6本成功させた保岡龍斗を筆頭に、笹山貴哉、杉本天昇といった3ポイントシュートが得意な選手たちに当たりは来ず。さらに、三遠がダリアス・デイズが負傷離脱、メイテンと河田チリジが4ファールとなった第3クォーター中盤でパフォーマンスのギアが上がりきらず、逆に集中力を高めた三遠にエナジー高くプレーさせてしまったのが悔やまれる。
このクォーターで流れを変えることができなかった点については、FE名古屋の若さと経験のなさが出たと言っていいだろう。平松克樹はシンプルなレイアップでブロックを食らい、須藤タイレル拓はフルスピードでないブレイクを後ろからはたかれ、ジャモルコ・ピケットは甘いドリブルをバックコートバイオレーションとされた。リーグトップレベルの強度と徹底力を肌感覚で知り、本格的なシーズン開幕に向けて良い教訓を得たはずだ。
三遠は点数が伸びなかったが、最後まで強度を落とさず20点差を保った点はプレシーズンゲームとしては及第点だろう。大浦颯太はペイントアタック、3ポイントシュート、アシストと的を絞らせないプレーでオフェンスを作り、今シーズンが本格的なルーキーシーズンとなる浅井英矢もジェレミー・ジョーンズへのディフェンスや並里成のシュートブロックでポテンシャルの片鱗を見せた。何よりオマラに激しく身体をぶつけ続けながらオフェンスでも先頭を走り抜いた、メイテンの貢献度は非常に大きかった。