チケット購入
2025.10.16

アルバルク東京にシーズン初勝利をもたらしたザック・バランスキーの信念「常にチームのために正しい選択をすることに僕の価値がある」

  • バスケット・カウント

バランスキー・ザック

「やっとTOYOTA ARENA TOKYO1勝を届けられた」

1015日、アルバルク東京はホームで秋田ノーザンハピネッツと対戦。試合を通してパスをテンポ良く回して守備のズレを作り出し、30得点を挙げたセバスチャン・サイズのインサイドでのアドバンテージを生かして着実に加点。さらに要所で3ポイントシュートを決めるバランスのとれたオフェンスによって86-75で勝利し、今シーズン初勝利を挙げた。

キャプテンのザック・バランスキーは、「やっとTOYOTA ARENA TOKYO1勝を届けられたことが素直にうれしいです。これからもっと勝ち星を増やしていきたいとより思った一戦でした」と勝利の喜びを語る。

A東京は開幕戦からテーブス海、ライアン・ロシター、ブランドン・デイヴィスと中心選手3名が欠場。さらに開幕戦で負傷した中村浩陸が離脱したことも響き、東アジアスーパーリーグ(EASL)をあわせて開幕から5連敗と厳しいスタートとなっていた。

連敗中のメンタルについて、バランスキーは「このチームは誰が出ても活躍できる。ケガ人がいてもどんな相手にも勝てると思う中で、宇都宮さん、琉球さん、EASLと自分たちのミス、リバウンドを取りきれなかった部分が出て負けました。勝てる試合を落としたと感じることもあり、もどかしさがありました」と明かす。

そしてバランスキーは「ケガはつきもので苦しい状況ですが、それは言い訳にならないです」と強調し、故障者の穴埋めでプレータイムが増えた自身に矛先を向けていた。

「特に4番ポジションが2人(ロシター、デイヴィス)抜けて、僕が数年ぶりに4番をやっていた中で勝てていなかったので、自分の責任かなと思っています。今日はこの穴をちょっとは埋めようと、得点どうこうではなくリバウンド、ルーズボール、アシストでチームに勢いを与えることができました。ケガ人がいて、僕が崩れてはいけない中で少しは貢献できたと思います」

バランスキー・ザック

「自分のIQを信じて、仕事をやりきってきたからこそ信頼されている」

本人は少しの貢献と謙遜するが、この試合のバランスキーは2919秒出場で5得点5リバウンドに加え、キャリアハイの8アシストを記録。また、秋田の外国籍ビッグマン相手のディフェンスでも奮闘し、攻守で大きなインパクトを与えた。

この試合、A東京はチーム全体でも29アシストと見事なボール回しを見せ、バランスキーはポイントガードのような役割を果たすフォワード『ポイントフォワード』として攻撃の起点となっていた。生え抜きのベテランは、「このチームで12シーズン生き残れているのは、常にチームのことを考えて正しい判断をしてきたからだと思います。僕が攻めないといけない場面では攻め切りますが、常にチームのために正しい選択をすることに僕の価値があると思っています」と、自身の強みを発揮できたと語る。

そしてバランスキーは「大事な場面で試合に出るのはめちゃくちゃ好きです。かといって最後の勝負どころで打つべき時は打ちますが、どうしても自分が決めたいというわけではないです」と続け、縁の下の力持ちとしてチームを支えることへの矜持を見せる。

「相手の得点チャンスを抑えるためにファウルをするなど、IQの部分で生き残ってきたつもりですし、それはこれからも大事にしていきたいです。自分のIQを信じて、仕事をやりきってきたからこそ信頼されているんだと思います」

A東京がベストメンバーで戦うにはまだ時間がかかる。ただ、バランスキーが「ケガ人がいてもしっかりとやりきり、このメンバーでもやれることを証明できたのはプラスになります。主力がいない時期は、チームとして成長できる期間です」と語るように、与えられた状況でしっかりとベストを尽くすことがチームの底上げへと繋がっていく。苦しい台所事情を乗り切るキーマンがバランスキーであることを証明した一戦となった。