シーホース三河の西田優大、謙虚なエースがつかんだ確かな自信「優勝トロフィーを掲げるイメージはできています」

初戦は琉球「これまでの成績はリセットしないといけない」
シーホース三河はレギュラーシーズンを43勝17敗で終え、西地区2位の座を獲得。2017-18シーズン以来となるチャンピオンシップでのホーム開催権をつかんだ。
開幕から第4節を終えて2勝5敗とスタートダッシュに失敗した三河だが、試合を重ねるごとに調子を上げていき、リーグ屈指の攻守のバランスのとれたチームとなった。三河のエースである西田優大は、レギュラーシーズンを次のように総括する。
「正直なところ、シーズン最初のほうはチャンピオンシップを狙うレベルに達していなかったと思います。そこからいきなりホームランを打って一気にチーム力が上がったわけではなく、本当に一つずつ積み上げてきたことで最後に結果がついてきてくれました」
三河はライアン・リッチマンヘッドコーチ体制で3年連続のチャンピオンシップ出場となるが、過去2シーズンはいずれもワイルドカード出場からクォーターファイナルで敗戦。だが今回は上位シードを獲得と、これまでと違う歩みでポストシーズンを迎えることについて西田はこう振り返る。
「過去2シーズンは、チャンピオンシップになんとか出るために最後まで頑張っていたというところでした。それが今シーズンは、まずは出場することにフォーカスする時もありましたが、チャンピオンシップに向けてどう戦っていくかをすごく考えながら過ごしました。そういった意味でこれまでと違うと思います」
チームだけでなく、西田個人も年を重ねるごとに進化を遂げている。ここ一番の勝負どころでメインハンドラーとしてボールを託されるのが当たり前となったことに「自信とまでは言わないですけど、『本当に自分がやっていいんだな』という気持ちはあります」と語る。
クォーターファイナルの対戦相手は琉球ゴールデンキングスで、レギュラーシーズンでは3勝1敗と勝ち越し、天皇杯の準々決勝でも撃破と好成績を残している。だが、相手は4年連続でファイナル出場中と、どのチームよりもポストシーズンの勝ち方をわかっている。「これまでの成績はリセットしないといけないです」と西田も気を引き締める。そして、過去の課題を克服するための試金石として、琉球はうってつけの相手と続ける。
「琉球さんは『勝つ文化』をしっかり持っていて、チャンピオンシップへのメンタルの持っていき方が上手です。そして過去2シーズンを振り返って僕たちがチャンピオンシップで、なぜ負けたのかと言われると、リバウンドが原因にあります。そこを改善した姿を見せるのに琉球さんはもってこいの相手だと思います」

「今シーズンはすごくチャンスがあると思っています」
今シーズンの西田は日本代表でも活躍。『FIBAワールドカップ2027アジア予選』で、4試合のうち3試合で2桁得点をマークするなど、これからの代表を支える次代のエースとして存在感を高めている。30代のベテランたちがリーグの看板選手として活躍している中、来シーズンから新たなフェーズに入るリーグの顔として、西田のさらなる台頭に期待する声は高まっている。
ただ、本人は「そう言われても『ああ、そうなんだ』という感じです。そういうのは僕が意識するのではなく、周りが評価してくれるもの。ただ、その評価にふさわしい活躍をして頑張りたいと思います」と気にすることはない。
一方で、自分が若い世代を引っ張る存在になることは「多少なりとは意識します」と語る。「労働組合日本バスケットボール選手会の副会長になったのは、その気持ちからです。同じ副会長で、いつもはそんな真面目な話をしない富樫勇樹さんからも、この時ばかりは結構真面目な話をされました。これから若い選手も絡んでいかなければいけない中で、僕を選んでもらえた。同世代を引っ張っていくことへの思いはあります」
あらためてチャンピオンシップへの意気込みを聞くと「天皇杯を準優勝で終わって、タイトルが目の前にありながら手にすることができないことを味わい、より欲しいと強く思うようになりました。チャンスが目の前に来ても、『どうぞ』ともらえるものではなく、自分たちがつかみ取らないといけないものです」と語る。
今回のコメントが示すように普段から控え目な発言が多く謙虚な人柄の西田だが、ファイナルの開催地である横浜アリーナで優勝トロフィーを掲げる姿を想像できるか聞くと、「イメージできています」と力強く言い切った。そして、ホームの観客席を埋め尽くす三河ファンの下で、大一番のスタートを切れることが自信をより高めることに繋がっている。「過去2シーズンと比べて、今シーズンはすごくチャンスがあると思っています。優勝のためにはクォーターファイナルで最初からしっかり勢いをつけることが大事になります。この大事な初戦をホームで迎えられることはとても大きいと思います」
三河が過去2シーズンと違うことを証明するためには、攻撃の起点かつ相手のハンドラーを封じる西田の攻守にわたるハイパフォーマンスが欠かせない。