名古屋ダイヤモンドドルフィンズを強豪に進化させたショーン・デニス「コート上で、リーグ全体からより尊敬されるチームになった」
「自分たちのチームに関しても本当に誇りに思います」
名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、チャンピオンシップセミファイナルで琉球ゴールデンキングスに連敗し、あと一歩でチーム初のファイナル出場を逃した。
リーグ随一のインサイド陣を誇る琉球に対し、ゴール下の要スコット・エサトン不在の穴を埋めきれなかった。チームの大黒柱、齋藤拓実との阿吽の呼吸によるコンビプレーに加え、内外から効果的にシュートを決めるエサトンがいないことで、琉球の強力ビッグマンをゴール下から剥がせなかったことが響いた。
それでも、故障者に苦しみレギュラーシーズンを6連敗で終えながら、クォーターファイナルでは宇都宮ブレックスにアウェーで2連勝を達成。特にゲーム1は最大19点差をひっくり返す、チャンピオンシップ史上に残る逆転劇でリーグを沸かせた。
名古屋Dのショーン・デニスヘッドコーチは、シーズン終了が決まった後の会見で「まず琉球に、5年連続ファイナル進出をおめでとうと言いたいです。毎年、このような成績を残しているのは素晴らしく、このリーグにいる人々にとってお手本になる存在です」と勝者への賛辞を送る。
そして、「自分たちのチームに関しても本当に誇りに思います」と選手のハードワークを称えた。「シーズン終盤に何人かキープレーヤーがいなかったり、いろいろな困難を乗り越えてきました。チャンピオンシップで昨年の王者である宇都宮ブレックスに勝ちきれました。ここまで来られたのは本当に素晴らしいです。選手たちは持てる力のすべてを出し切ってくれました」
今シーズンの名古屋Dは守備面を大きく改善させ、リーグ屈指のディフェンスチームとなった。だが、名古屋Dらしい巧みな連携による爆発力のあるオフェンスを構築できず、指揮官はその責任は自身にあると続けた。「今シーズンは、攻撃のスタイルを最後まで確立できなかったです。それは昨日、今日の試合でも明らかで重要な場面で得点を挙げることができませんでした。攻撃面で全員をうまく機能させられる形を私が見つけることができなったのが問題だったと思います」
ファイナル出場を逃したのは大きな悔いが残る。だが、デニスヘッドコーチが就任してからの5シーズンで名古屋Dは4度チャンピオンシップに出場。直近3シーズンの内、2度のセミファイナル出場は強豪と評するに値する実績だ。

「ファンの皆さんが、『ドルフィンズ・プライド』を持って支えてくれている」
この5年間に渡るチームの成長ぶりについて聞くと、指揮官はこう答えた。「この5年間でチームが成し遂げたことを誇りに思います。私が来る前は安定感に欠ける部分もあり、レギュラーシーズンの最高成績は33勝でしたが、この5年間で最低でも34勝以上を挙げ、合計の勝率は67%です。そしてファンベースも確実に拡大しています。最初は平均で3,000人くらいの観客数でしたが、新しいアリーナができてリーグ1の伸び率です。多くのファンの皆さんが『ドルフィンズ・プライド』を持ってチームを支えてくれていることも誇りです」
また、デニスヘッドコーチは「コート上で、リーグ全体からより尊敬されるチームになったと思います」と続ける。「これまでは選手のタレント面から『もっとできるんじゃないか』と見られていたかもしれないですが、今はリーグ屈指のチームに変貌しました。ここ3年で2度のセミファイナル出場と、今は一貫性を持っています。あとは次のステップに進むため、何が必要か見極めないといけないです」
デニス体制で何かが変わったのか。指揮官をずっと支えたアンディ・ボーランド通訳にも聞いた。ボーランド通訳は名古屋Dが三菱電機の実業団チームで、富永啓生の父・啓之さんが現役時代だった頃など約20年に渡りチームに在籍している最古参のスタッフだ。
名通訳は言う。「今、ショーンさんも言われましたが、尊重されるチームになったのは明らかだと思います。ショーンさんが来てからウチの文化をいろいろと作り上げてくれました。元々、早いテンポのバスケットはスタイルとしてありましたが、次のステップへと進化させてくれました。そしてよく話すアイデンティティが生まれ、選手の役割を明確にしてくれました。ショーンさんの下で、組織としての力がかなり強くなったと思います」
この5年間で名古屋Dは強豪の地位を確立した。シーズン中に2028-29シーズンまでの3年契約を発表した齋藤という大黒柱の下、Bプレミアの舞台でファイナルに到達するため、どんなチーム作りを行うか注目だ。
