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2017.01.30

真剣勝負に一大エンターテイメント、新たな楽しみを提供したALL STAR WEEKEND

  • COLUMN

1月14日、15日と2日間に渡り、B.LEAGUEではALL STAR WEEKENDと名付けた新たな試みを実施。様々な趣向を凝らしたイベントが行われ、シーズン中盤の祭典として大きな盛り上がりを見せた。

文◎鈴木栄一

バスケの人気向上をアピールできた日韓戦

まず、14日には 「EAST ASIA CLUB CHAMPIONSHIP 2017」としてB.LEAGUEから川崎ブレイブサンダース(以下、川崎)、韓国KBLから安養KGC人参公社(以下、KGC)とリーグを代表する強豪チームが激突する日韓対決が行われた。

川崎はオールジャパンの決勝戦を終えたばかり、KGCもKBLのレギュラーシーズンゲームをこなした直後と、ともに厳しいスケジュールの中での戦いでコンディションに不安もあった。また、川崎は辻直人が欠場、KGCも数人の主力選手が故障のためほとんどプレーせずベストメンバーで戦えない難しい状況であったが、両チームともそういったマイナス面を感じさせない白熱したプレーを見せ、国際試合ならではの緊張感のあるゲームとなった。そして両チームともに譲らない一進一退の展開となったが、最後は川崎がわずかに上回り83対80で競り勝った。

試合がここまで熱戦となった大きな要因は、5,457人という観客の大きなサポートがあったからこそ。川崎の主将である司令塔の篠山竜青が、「本当にたくさんの方に来てもらい皆さんの声援で、気合の入ったプレーができました。これだけ注目されれば自然とモチベーションは上がっていきます」と語るなど、多くの選手たちが声援を大きさに感謝していた。そして、韓国のバスケットボール関係者に、日本のバスケ人気が向上していることをアピールできただろう。

当初は、チケットが早々に完売するなど大きな話題を集めていた翌日開催のALL STAR GAMEの注目度に埋没してしまうかも、という懸念も少なからずあった。しかし、実際はとても盛り上がったものとなり、これから中国、フィリピンなど他の国々の参加も募っていくことを目指す国際ゲームの記念すべき1回目として上々のスタートとなったEAST ASIA CLUB CHAMPIONSHIPとなった。

新たな試み続々、観客魅了のALL STAR GAME

15日は、いよいよALL STAR GAMEが行われた。試合の前には、前日の1stラウンドに続く、3ポイントコンテストの2ndラウンドが実施された。2ラウンドの合計得点で競う中、1stラウンドで2位につけていた金丸晃輔(三河)が高得点をあげ、前日トップの田口成浩(秋田)にプレッシャーをかける。しかし、田口は尻上がりに調子を上げていくと、これが決まれば田口、外れたら金丸の優勝という運命のラストショットをさすがの勝負強さで見事に成功。劇的な結末で3ポイントコンテスト王者が決まると、続いて行われたダンクコンテストの予選ラウンドでも豪快なダンクが次々と繰り出され、会場は早くも熱気に包まれた。

そして遂にスタートしたALL STAR GAMEは、まず光と音の融合による派手な演出での選手たちが紹介されるなど、祭典の雰囲気がより強まる。このいつもの試合とは違う非日常感で、より観客を惹きつけてのティップオフとなった。

試合では選手たちも、レギュラーシーズンとは違って積極的にダンクを狙いにいくなど、普段の確率重視とは違ったALL STARならではの魅せるプレーを繰り出していき、満員の観客をどんどん盛り上げていく。その雰囲気が最高潮に達したのが、今回MVPを受賞した富樫勇樹(千葉)のダンクだ。速攻でゴール下に待ち構えていたジャスティン・バーレル(名古屋D)が、富樫の腰をつかんで持ち上げる“たかいたかい”の状態によるダンクは、間違いなくこの試合一番のハイライトで、様々なメディアでも大きく取り上げられた。

9,567人の観客が示すように、歴史的な一戦となったシーズン開幕戦に匹敵する盛り上がりを見せたALL STARだが、その熱気は会場以外のバスケファンも巻き込んだものとなった。事前の選手投票以外だけでなく、当日でもアイラ・ブラウン(渋谷)がチャンピオンとなったダンクコンテストの決勝戦では、優勝者をSNS投票で決定。また、MVPの選考においても、SNS投票が加味されているなど、TV、ネット配信で試合を視聴しているファンも参加することができるALL STARとなったのは、これまでとの大きな変化ではないだろうか。

そして今回のALL STARでは、B.LEAGUEがとても大事にしている社会貢献活動であり、1月10日に始動を発表したB.LEAGUE Hopeの取り組みを行われたことを紹介したい。「本当に大事なバリアフリーとかを考えるきっかけにしたい」という理念の下、難病と闘う子どもと兄弟も含めた家族をALL STARに招待している。

B.LEAGUE Hopeの情報はこちらから

海外との交流、非日常的なエンターテイメントの提供、社会貢献活動などB.LEAGUEが目指していく方向性を表現することができたB.LEAGUEにとっても実り多いALL STAR WEEKENDとなったことは間違いない。