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2017.05.25

ショッキングな敗戦から復活の広島、群馬に勝ってB1昇格の望みをつなげる

  • COLUMN

5月20日(日)、広島ドラゴンフライズは、B2 PLAYOFFS THIRDPLACE GAME 2016—17で群馬クレインサンダーズに78−65で勝利。横浜ビー・コルセアーズを相手に、5月28日(日)に行われる勝った方が2017-18シーズン B1への最後の切符をつかむB1・B2 入替戦 2016−17(以下、入替戦)への出場を決めた。

文◎鈴木栄一

この試合、広島は#2朝山の3ポイントシュートなどによって開始直後から12−2と突き放すと、第1クォーターで23−10と二桁のリードを奪う。第2クォーターに入ると群馬も、この日35得点と大暴れだったエース#1ケネディの奮闘などで追い上げるが、広島も#11北川の得点などで応戦。逆に46−28とリードを広げて前半を終える。

後半に入っても広島は危なげない試合運びでリードをキープ。#12ディロンが18得点、北川が14得点を挙げるなど確実に加点した広島が逃げ切り勝ちを収め、B1昇格まであと1勝とした。

広島は前の週、島根スサノオマジックとのB2 PLAYOFFS SEMIFINALS 2016-17で、第1戦に敗れるが、第2戦に勝利したことで第3戦に持ち込む。しかし、第3戦では2点差で追う残り約8秒からの攻撃でシュートを決められず惜しくも敗れた。まさに死力を尽くした末での敗戦であり、少なくないショックを受けたはずだ。

広島の佐古ヘッドコーチも「先週、島根とギリギリの試合といいますか、精神的にかなりすり減らすゲームがありました。スタッフも我々の集大成として臨んだ試合に敗れ、そこから切り替えるのは難しかったです」と振り返る。

しかし、次のように指揮官が語ったように、選手達はしっかりと立て直し、第1クォーターでの見事なスタートダッシュへとつながった。「とにかく選手のモチベーションを上げることに全てをそそぎこんだ一週間でした。我々スタッフより、選手たちの方がメンタル的に傷ついた部分は大きかったと思いますが、よくしっかりとスタートをきってくれました。本当に選手に感謝したいです」

そして朝山は、佐古ヘッドコーチのおかげで、うまく立ち直ることができたと振り返る。「先週の負けは厳しく、がっくりときました。しかし、火曜日に佐古さんからミーティングで熱い魂というものをみんなに注入してもらいました。そこから、しっかり切り替えて今週のよい準備ができたと思います」

敗れた群馬の平岡ヘッドコーチは、B1昇格を逃したことへの悔しさがある一方で、次のようにシーズンを総括する。「1年目で土台を作ってくれというところからスタートしました。非常に泥臭くディフェンスから頑張っていこうという部分では1年目としてはよい形で終われたかと思っています。このプレーオフの経験をいかしていくのが僕らの責任です。もっともっと責任をもってプロの選手、チームとして地元に貢献していかなければいけないです」

広島にとって文字通りシーズン最後の大一番となる入れ替え戦の相手は、皮肉にも佐古ヘッドコーチ、朝山の2人とって地元である横浜となった。

「複雑な思いは今の段階ではあります。できれば横浜にきてほしくなかった」(佐古)、「横浜出身なので横浜のチームとはできればやりたくなかった」(朝山)

このように語る両者だが、もちろん試合に入ればそういった感傷的な気持ちを持つことは一切ない。「自分がこの3年間、広島で費やした時間を横浜に向け、最後に結果を出すために全力で戦います。勝負事で情けとかは必要ない。」と佐古ヘッドコーチは語り、朝山も「どこが相手でも変わらずです。やっときたチャンスなので、広島のファンのためにこの一戦に集中したい」と闘志を燃やす。

5月28日(日)の入替戦、前日のB.LEGUE FINAL 2016-17以上に熱い気持ちのこもった戦いが繰り広げられるだろう。