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規約違反による制裁決定について

B.LEAGUEチェアマン島田慎二は、下記の件について裁定委員会に諮問し、その答申を受けて、制裁を決定いたしました。

【事案内容】
2020-21シーズンの熊本ヴォルターズにおけるインジュアリーリスト制度の不正運用とパワーハラスメント行為

【認定された事実及び規約違反の概要】
関係者から提出されたSNSでのやり取りや関係者供述などの関係証拠を総合すると、下記1から5の事実及び規約違反が認定された(※規約は2020-21シーズン当時のものが適用される)
1. 西井辰朗氏(取締役社長、当時GM兼任)が、選手Aに対し、同選手が怪我をしていないにも関わらず、2020年11月上旬ころおよび同月13日、同選手をインジュアリーリストに登録することに同意することを事実上強制した事実
2. 西井氏が、2020年11月13日、選手Aが怪我をしていないにも関わらず、同選手を申請対象とするインジュアリーリスト登録申請を行った事実
3. 上記1の西井氏の行為がパワーハラスメントに該当すること
   違反となる規約:Bリーグ規約第3条4項が定める「社会的規範の遵守義務」に違反
4. 上記2の西井氏によるインジュアリーリスト登録申請が、申請のルールに違反すること
   違反となる規約:Bリーグ規約第3条4項が定める「社会的規範の遵守義務」、Bリーグ規約第3条1項が定める「Bリーグ規約および諸規程の遵守義務」、 「選手契約および登録に関する規程」第32条〔インジュアリーリスト〕第1項に違反
5. 西井氏による上記1および2の行為について、熊本ヴォルターズに監督責任が認められることからBリーグ規約第127条(両罰規定)を適用

【制裁内容】
● 西井辰朗氏:けん責、および制裁金150万円
● 熊本ヴォルターズ(熊本バスケットボール株式会社):けん責、および制裁金250万円

【理由】
B.LEAGUEは、リーグ・クラブ・選手それぞれが互いにリスペクトし、高みを目指しながらバスケ界の発展に貢献している。
西井辰朗氏の行為は、怪我をしていない選手に対して、契約解除をちらつかせて、インジュアリーリスト登録申請に応じさせ、現に登録申請を行ったもので、選手に対するリスペクトを大きく欠くとともに、選手の権利および尊厳を著しく侵害するものである。
また、プロバスケ選手を目指す子供たち・その保護者、その他ステークホルダーの希望や期待を裏切るような信頼失墜行為である。
そればかりか、インジュアリーリスト登録制度の悪用により、試合結果や順位に不当な影響を与える可能性もあったことからすれば、スポーツの公平さ、公正さを傷つける悪質な行為であるといえる。
これらを考慮すると、西井氏の行為は、Bリーグが成立するための根幹を揺るがす行為かつ、Bリーグの価値を大きく毀損させる由々しき行為であり、本事案を主導した西井氏において、厳しい制裁は免れない。

クラブの管理監督責任に関して、以下の事情が認められる。
・ 本事案は、取締役社長という経営者かつクラブの実質的責任者が起こした行為であり、クラブ自身の違反行為ともいえること、
・ クラブの十分なガバナンス体制が構築されていなかったため、西井氏がクラブ社長とGMを兼任し、実行委員会にも本来任命されている実行委員ではなく、代理として西井氏が出席するなど、西井氏へ権力が集中する状況を作り出したこと、
・ 本事案発生当時、複数の選手やスタッフが西井氏の言動に違和感を覚えているにも関わらず、それを上申できるような環境や体制をクラブが構築していなかったこと、
これら事情を考慮すると、クラブの管理監督責任も大きく、厳しい制裁は免れない。

【事実経緯の概要】
<前提>被害者である「選手A」は怪我をしていない
2020年11月4日
 ・ 西井氏から選手Aのエージェントに対し、選手Aをインジュアリーリストに入れることとした旨が告げられ、選手Aと協議してほしい旨の依頼が入る
 ・ 選手Aのエージェントが選手Aに対し、電話にて、インジュアリーリストに入るよう提案する
 ・ 選手Aから西井氏に上記提案の主旨などを確認したものの詳細は分からず
 ・ 西井氏は、病院へ行き医師の診断を受けることを選手Aに指示
同年11月5日
 ・ 選手Aがチームドクターの医師を受診する。同医師は、「腰椎椎間板症 腰椎椎間関節症」と診断しつつも、神経学的異常もなかったことから「1週間様子を見る」のが相当と判断
 ・ 選手Aは、インジュアリーリストに登録されず、同日以降の試合にも出場
同年11月12日
 ・ チームドクターの医師は、クラブから、11月8日(アウェー奈良戦)にて選手Aの怪我が悪化し、インジュアリーリストに登録する必要がある旨の連絡を受け、5日の診断に基づき、「腰椎椎間板症 腰椎椎間関節症」という診断名で、1ヶ月の加療が必要である診断書を発行
同年11月13日
 ・ 西井氏と選手Aが対面で協議し、西井氏が、契約解除かインジュアリーリスト登録に同意するかの二択であり同氏としては後者を選択したい旨を発言(日付不詳だが、同趣旨の発言を西井氏は選手Aに11月初旬にも行っている)。選手Aはインジュアリーリスト入りに応じる
 ・ クラブがインジュアリーリスト登録申請書および診断書をリーグに送付し、選手Aのインジュアリーリスト登録完了
同年12月25日
 ・ 選手Aのインジュアリーリスト抹消
2021年秋頃 
 ・ リーグ通報窓口に通報が入り、リーグコンプライアンス事務局による調査を開始
2022年3月28日 
 ・ リーグコンプライアンス事務局による調査結果をもとに、上記の通り事実認定を行なったことで、本制裁決定に至った。

【B.LEAGUEチェアマン 島田慎二 コメント】
リーグ・クラブ・選手それぞれが互いにリスペクトし、バスケ界の更なる発展を目指しているなかで、このようなことが起きてしまったことは極めて遺憾です。本事案は、当時、取締役社長兼GMの西井氏が主導し、それをクラブの役員が十分に監視できなかったことが原因ですので、クラブにおいて、積極的な組織改善がなされることを強く期待しています。B.LEAGUEといたしましても、今後もコンプライアンスに関わる事案に対して厳しく向き合う姿勢を続けることで、誰もが安心して働ける、健全な業界にしていきたいと考えています。