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2019.02.15

I LOVE B. 2018-19 #7 SPYAIR・IKE&KENTA×富山グラウジーズ・宇都直輝

  • COLUMN

バスケファンの皆さんなら、間違いなくどこかで耳にしている楽曲だろう。B.LEAGUE 2018-19 SEASONの公式テーマソング「B-THE ONE」を演奏しているSPYAIRのボーカルのIKEさん、ドラムのKENTAさんは中学時代にバスケットをプレーしていたバスケ好き。あの音にはそんな思いも込められている。
今回は富山グラウジーズのポイントガードで、Bリーグ屈指の人気選手でもある宇都直輝選手とSPYAIRの二人が、バスケと音楽について熱く語り合った。

――IKEさん、KENTAさんもバスケ歴をお持ちと聞きました。

KENTA:同じチームだったんです。限界を超えてやるというところまではできなかったですね。ここまでで精いっぱいかなという感じで辞めちゃったんですけど。
IKE:中学になるとぐんと背が伸びていく選手もいて「勝てねぇな、もう」と。中学で断念しました。

――宇都選手がバスケを始めたのはどんなきっかけですか?

宇都:きっかけは親ですね。母親がバスケをやっていたんですけれど。僕は別にバスケをやりたいわけじゃなかった。当時は2002年のワールドカップでサッカーが流行っていて……。
IKE:サッカーをやっていたんですか?
宇都:やりたかったんです。小学校の部活もサッカーかバスケのどっちで。そうしたら親が入部届に勝手に「バスケ」と書いて、僕がそれを知らずにそのまま提出したのがきっかけです。
IKE&KENTA:(笑)
IKE:今はバスケの選手としてやっているわけじゃないですか?そのときの選択を振り返ってどうですか?
宇都:どうなんですかねぇ……。良かったのかなとは思いますけど、もしかしたら今ごろACミランにいたかもしれません(笑)そっちの方がよかった可能性もありますね。
IKE:欲張りだなぁ(笑)

 

KENTA:宇都選手はどれくらいで身長が伸びたんですか?
宇都:一番伸びたのは中学校のときですね。153センチから、卒業するときは184センチまで伸びていました。
KENTA:マジすか?3年間で?。
IKE:それは……。骨がきしむレベルですね。
宇都:膝がずっと痛かったです。あとサイズが合わなくて、制服が困るんですよ。
KENTA:すごくわかります。僕も30センチまではいかなかったけど、中学校で20センチ伸びたんです。朝ひざが痛くて起きられなくないですか?
宇都:痛いですね。
IKE:成長痛トーク(笑)
KENTA:でも30センチはすごいですね。
宇都:膝はずっと痛かったです。でももっと痛い人もいて、歩くだけで辛い人もいるみたいです。

――今は190センチ以上ありますよね?

宇都:191くらい。
KENTA:高校でも止まらずに?
宇都:高校で187まで背が伸びて、大学では190くらいまで伸びました。
IKE:今は座っているからいいですけど、立ったらもう俺らがいかに「ちょこん」としているか……(笑)
KENTA:座高は宇都さんと一緒だから、足の長さだけで違うのかな?(笑)

――お二人のグループ、SPYAIRの「B-THE ONE」は2018-19シーズンのテーマソングです。込められた「思い」を語って頂けますか?

IKE:SPYAIRがバスケットボールを好きだという話を関係者がキャッチしてくれて、ご縁があってここまで来ることができたんです。中学生のときに部活をやっていたし、色んな形でバスケと触れてきているので、Bリーグとコラボできるのは夢のようでした。
その気持ちを音にするなら、お客さんの「声」が必要だろうなと思って。Bリーグのお客さんに声を出して歌ってもらるような楽曲を制作しました。オーディエンスが一緒に「ウォー」という声を出せるセクションが、曲の中にちりばめられています。

宇都:試合のとき、会場に入るときに聞くので、一種のトリガーじゃないですけど、僕らがバスケットに集中して「試合だ!」という感覚になるような曲です。ルーティンに入っているくらいの感じです。会場でもそうですし、僕は試合を終わった後にハイライトを必ず見直すんですけど、そこにも入っている。曲が自然とバスケットに入り込んでいますね。
KENTA:選手にそう言ってもらえるのは、めちゃめちゃ嬉しいです!
IKE:今「トリガー」というワードが出ていましたけれど、まさにそういうものになれたら嬉しいなと。選手を鼓舞して、いい形でコートに立ってもらえる曲にしたいなと思っていたので。

宇都:実はバスケット選手って、みんな音楽が好きだと思います。富山の選手は多分、ほとんど全員が試合前に自分の好きな曲を聞いている。ちなみに「B-THE ONE」を一番好きなのはジョシュ(ジョシュア・スミス)です。バスとかでひたすら歌っていますよ。
IKE:サビが「ウォーウォーウォーウォーウォウォ♪ウォーウォーウォーウォー♪」だから、そこを歌ってくれているのかな?
宇都:そうそう!そんな感じです。
IKE:まさにそこを一緒に歌ってほしいなと思っていたから!届いているのは嬉しいです。
KENTA:嬉しいね。

 

――スミス選手は体重138キロ。すごい体格をしている選手です。

宇都:多分、もっとあるかなと思いますけどね(笑)この曲が好きだと言っていました。「何の曲?教えて?」みたいな感じで。会場に流れているときも歌っていますよ。

IKE:僕らも音楽で、日本にないものに憧れを持ってここまでやってきて、そういうところで色々ぶつかったりします。日本の選手達もNBAとかをばっちり見て育ってきていたりするんですか?
宇都:見ている人の方が多いと思います。全く見ていない人も中にはいますけど、ほとんどの人が見ていて、代表で集まるとNBAの話で盛り上がったりします。外国籍選手ともNBAの話が多いです。参考にできる部分もあります。派手なダンクとかだけでなく技術も高いし、自分が取り入れたりもできます。

――SPYAIRのお二人が、バスケ経験が今の活動につながっていると感じる部分ってありますか?

KENTA:家の近くにリングがあるので、今でも朝ふわっと運動しに行ったりします。体調管理にまだ生きています(笑)
IKE:中学の頃の遠い思い出になりますけど、ステージに出ていく、コートに出ていく……。「出ていく」というときは、精神的に自分を鼓舞する何かが必要で、そこが似ていると思っています。ライブをしに行って、戦いに行って、勝ち負けを決めてくるわけじゃないですか?だから「勝ち取りたい」って部分は同じで、生きていると思っています。
KENTA:白黒はつかないですけどね。
宇都:何となく分かります。
IKE:バスケはコート上の結果がデータでぶわっと出て、凄いことだなと思って。
KENTA:怖いよね。
宇都:そうですね。そこに僕らの生活が懸かっているので。
KENTA:スポーツは残酷だけどすごいなって、こっちからすると思いますね。勝ち負けもはっきりしていて。

 

宇都:試合が終わった後は、勝っても悔しいときがあります。負けても「まあ仕方ない」という日もあれば、マジで悔しい日もある。またその悔しさが違う悔しさのときもあります。勝ちが全てではあるんですけれど、プレーヤーとしては自分のプレーに全く納得がいっていないときとかに、後味が悪い試合だなと感じることもあって、もちろん勝って嬉しい日もありますけど。
5人でやるスポーツなので、自分が150%を出したとしても勝てるとは限らない。だから今日は仕方ないかなというときもあります。自分の調子が悪かったら自分に悔しいし、周りの4人を司令塔としてもっと良くできたという側の悔しさもある。本当に色んな感情があります。今年は特によく悩みます。

――チームは過去2シーズンより好調ですけれど?
宇都:去年は僕のスタッツが半端ないことになっていて、今年はスタッツ上で言えばまだまだです。スタッツが全てではないし、難しい部分ですけど……。でも成長のチャンスと考えれば、楽しめると思っています。

――地元でオールスターが開催され、そこに出場するのはどういうお気持ちですか?(※対談はオールスター前日の1月18日に行われた)
宇都:僕はもう3年目なので。どこの地域で選ばれても、ファンが選んでくれたことなのでそれは嬉しいです。富山開催で今回はチームメイトが二人いるので、そういったところがより楽しみですね。

――オールスターに向けて特別な準備はされましたか?
宇都:ちょうど今日、髪の色をこれにしてきたので。
KENTA:オールスター用ですか?
宇都:普段ここまで派手にすることはあまり無いんですけど、オールスターだし、富山開催だったので、チームカラーを体現してきました。「赤迷彩」みたいな感じです。
IKE:めっちゃいい色ですよ。
KENTA:ファンもそういうビジュアルの変化とか、喜んでくれるんじゃないですか?
宇都:髪色を富山に来た当初からずーっと赤にしていて、でも今年の頭は一度茶色にしていたんです、そうしたら「赤にしないんですか?」って質問が多くて、みんながそういうなら戻そうかな……と思って、すぐ戻しました。

――2018-19シーズンの後半戦へ向けた意気込みはいかがですか?
宇都:オフェンスで僕ら富山はリーグのスタッツでトップにいます。得点とか効率とか、確率とか、そういった面でB1のトップレベルに入っています。監督が求めているのはディフェンスなんですけど…。でも、僕たちとしては超攻撃型で行くしかないと思っています。
今年は選手が8人も変わって、ディフェンスは同じメンバーで続けないと難しい部分がある。でもオフェンスはみんなが根本的に好きですし、合わせやすい。そういった面で超攻撃型チームなのかなと思います。NBAで言うとロケッツみたいな。
IKE:どきどきしますね。
宇都:そういうチームになっていけたら面白い。相手がどんなチームだろうが強かろうが、沢山攻めてそれで勝てたらいいのかなと思います。

 

宇都直輝(うと・なおき)
1991年6月11日生まれ。愛知県出身。中部大第一高から専修大に進み、大学では1年次から関東大学リーグで台頭。大柄ながら鋭くしなやかなムーブで相手を翻弄し、得点を量産していた。2014年にトヨタ自動車へ入社して、2シーズンプレー。16年のB.LEAGUE発足と同時に富山グラウジーズへ移籍し、ポイントガードとして攻撃の軸を任されている。2016-17シーズン、2017-18シーズンと2季連続してB1のアシスト王を受賞。191センチ・80キロ。

SPYAIR
IKE(Vocal)/ UZ(Guitar & Programming)/ MOMIKEN(Bass)/ KENTA(Drums)の4人からなる愛知県出身4人組ロックバンド。2005年結成、2010年メジャーデビュー。これまでに22枚のシングル、5枚のオリジナルアルバムを発表。デビュー以降、積極的なリリースと圧倒的なライブパフォーマンスで人気を博す。東京ドームを目標に掲げ、毎年富士急ハイランドで開催の野外単独ライブには15,000人を動員するなど、夢の実現に向けて邁進中。その活躍は日本のみならず、アジア・北南米・オセアニア・ヨーロッパでも浸透している。2018年にはB.LEAGUE 2018-19 SEASONの公式テーマソング「B-THE ONE」を書き下ろした。

オフィシャルサイト
http://www.spyair.net/


取材・文=大島和人
写真=冨田望