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【CS出場チーム紹介⑤】千葉ジェッツ「苦境を乗り越え上昇気配で短期決戦へ」

2025.05.05

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負傷者を抱えながらも白星を重ねてきた千葉J【(C)B.LEAGUE】

 

 レギュラーシーズン上位8チームによる「りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2024-25」がいよいよ幕を開ける。本稿ではチャンピオンシップの出場チームを紹介。5チーム目は東地区2位でチャンピオンシップ出場権を獲得した千葉ジェッツをピックアップする。

 Bリーグ開幕から8シーズン連続でチャンピオンシップ(CS)出場を決めた千葉ジェッツ。今シーズンは序盤から先発フロントライン3人の戦線離脱が続き、終盤にはポイントガード(PG)の富樫勇樹が左足を痛めて欠場と、1年を通して万全ではない戦力状況を強いられている。それでも、チームとしての結束力を強めてB1東地区2位が確定。CSに向け機運を上げてきている。

 好調の要因はチームディフェンス。そのキーマンとなっているのが原修太だ。開幕戦の先発5人の中で唯一全試合出場(第35節終了時点)を果たしている原は、持ち前のフィジカルなディフェンスで外国籍選手や相手のキーマンにプレッシャーをかけ、チームにリズムを与える。同時に、富樫の離脱などで手薄になったPGも状況に応じて担うなど、今シーズンから指揮をとるトレヴァー・グリーソンヘッドコーチ(HC)のバスケットを実践する司令塔的な役割を果たしている。

 また、前半戦は長期欠場していたジョン・ムーニー、新加入の“大型オールラウンダー”ディー・ジェイ・ホグも本来の力を取り戻し、渡邊雄太もケガと戦いながらコートに出れば別格の存在感を見せつける。琉球から移籍してきた田代直希も、ベンチからディフェンスに安定感を与えている。

 オフェンスでは、最終節を残した時点で1試合平均17.1得点をマークしているクリストファー・スミスが好調だ。4月19日のレバンガ北海道戦ではキャリアハイとなる41得点もマークし、長距離砲の爆発力も健在。貴重な得点源としてチームを支えてきた。

 そして、富樫離脱の緊急事態を救ったのが、1月に東山高校(京都府)から加入した18歳の瀬川琉久だ。PGとして試合を重ねるごとに成長。卓越したボールハンドリング、止められても何度も挑んでいく闘争心はルーキーの域を超えている。ビッグマンとのピックアンドロールも板についてきた。

 グリーソンHCは、開幕当初から「5月に一番いい状態のチームになるよう戦っていきたい」と、CSを見据えたコメントを残してきた。新たに導入したオフェンスシステムの浸透に時間を要し、時に下位チームに足元をすくわれることもあったが、ここにきてリーグ屈指の戦力に相応しい「型」を見出しつつあることに手応えを感じている。

 CS初戦では、アルバルク東京とアウェーで激突。今シーズンの直接対決では天皇杯を含めて3連敗中というデータもあるが、今の千葉Jにはそうした不安要素を吹き飛ばす勢いが出てきた。

KEY PLAYER/SF #1 渡邊雄太

史上2人目の日本人NBAプレーヤーでもある渡邊【(C)B.LEAGUE】

 

 全国のバスケットボールファンから注目を集めて今シーズンの開幕を迎えた渡邊雄太は、ケガとの戦いを強いられ、チームが58試合を消化した時点で35試合の出場にとどまっている。それでもコートに立った時の存在感は、やはり別格だ。

 ワンマン速攻や豪快なダンクのみならず、ルーズボールやリバウンドに飛び込む姿勢、フィジカルなディフェンス、コート上での感情表現。それらすべては「チームにエナジーを与えるため」に全力を尽くしている証し。4月27日の秋田戦で負傷した太ももの状態が気になるところだが、初のCSでどんなプレーを見せてくれるのか、注目だ。

文=牧野豊、構成=バスケットボールキング

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