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宇都宮が3年ぶり王座奪還、比江島慎の逆転3Pシュートで勝機掴む【りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25 GAME3】

2025.05.28

B1チャンピオンシップ

比江島の3Pシュートで逆転し逃げ切り

 
【(C)B.LEAGUE】
 

5月27日、「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25」GAME3が横浜アリーナで開催された。3年ぶり3度目の王座を狙う宇都宮ブレックスと、2年ぶり2度目の頂点を目指す琉球ゴールデンキングスによる戦い。GAME1は宇都宮が16本成功という圧巻の3Pシュート攻勢で快勝。対する琉球は桶谷大HCが語っていたとおり、GAME2ではXファクターが登場。4Qに宇都宮11-24琉球と突き放して逆王手をかけた。1勝1敗で迎えた最終ラウンド。8代目王者の座を懸けた頂上決戦が、ついに幕を開けた。

【(C)B.LEAGUE】
 

琉球は#4ヴィック・ロー、#18脇真大、#15松脇圭志、#34小野寺祥太、#45ジャック・クーリー、宇都宮は#6比江島慎、#9遠藤祐亮、#25D.J・ニュービル、#33ギャビン・エドワーズ、#34グラント・ジェレットという5人で試合はスタート。立ち上がりから激しいディフェンスの応酬となる。その中で琉球は#34小野寺が3Pシュートを2本沈めると、#4ローもファウルをもらってフリースロー3本を成功。開始4分で5点リードする。宇都宮は、#25ニュービルがレイアップ、フリースローで得点したが、オープンが作れずスコアが伸びない。

【(C)B.LEAGUE】
 

流れを断つべくタイムアウトを取った宇都宮は、#25ニュービルがディフェンスを引き付けてパス。#42アイザック・フォトゥのシュートで4分ぶりの得点。さらに#25ニュービルがまたもドライブからバスケットカウント。3点差としたが、琉球は#12ケヴェ・アルマがオフェンスリバウンドから得点。さらに#3伊藤達哉の2Pシュート、#15松脇の3Pシュートで追加点。宇都宮は#42フォトゥの3Pシュートを入れ返したものの、11-18とGAME2に続いて琉球がリードして1Qを終えた。

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2Qに入っても攻めあぐねる宇都宮。#6比江島が巧みなステップからレイアップに向かったが、琉球#12アルマのブロックを受けて入らず。そのボールを手にした#12アルマが速攻を決める。嫌な流れに見えたが、宇都宮は#34ジェレットの3Pシュートに続いて、#25ニュービルがスティールから速攻を決めて4点差とした。宇都宮のディフェンス強度が上がる中、琉球は#45クーリーのダンク、#4ローのダンク、フェイドアウェイシュートで追加点を挙げると、残り5分で9点のリードを作った。

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しかし、宇都宮は簡単に2桁差を許さない。#42フォトゥのレイアップ、#25ニュービルのディープスリーでなんとか1桁差を保つ。それでも琉球は残り2分半、#12アルマがアーリーオフェンスから3Pシュートを成功。23-35とした。宇都宮はその後、#18鵤誠司の速攻、#25ニュービルのレイアップで追加点を奪ったが、琉球は#15松脇の3Pシュート、#18脇のプットバックで得点。28-40と琉球の12点リードで前半を終えた。琉球は前半宇都宮 16-25 琉球とリバウンドで優勢に。3Pシュートでも5/11(45%)と宇都宮(3/15、20%)を上回った。

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12点差を追う宇都宮は3Q、#33エドワーズの3Pシュートでクォーター初得点。さらに#6比江島がフリースローでこの試合初得点を決める。琉球は#15松脇の3Pシュートで連続失点を止めたが、宇都宮はビッグマン2人というラインナップの琉球に対して、インサイドをうまく攻めて残り5分半で38-43まで挽回した。

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こでタイムアウトを取った琉球だが、宇都宮は#34ジェレットがポストプレーから連続得点。開始6分半で10-3というランを作って1点差とする。しかし、琉球は#18脇、#53アレックス・カーク、#12アルマが得点。44-51とリードして3Qを終えた。宇都宮はこのクォーター、16-11としている。

勝負の4Q、初得点は琉球。#15松脇がトップからプルアップ3Pシュートを射抜くと、#12アルマも3Pシュートを続ける。一方、宇都宮は#6比江島がレイアップ、3Pシュートで応戦。ここでディフェンスを引き締めると、#12高島紳司の速攻で6点差とした。

残り5分48秒、琉球#45クーリーがファウルアウトに。宇都宮#25ニュービルがフリースローを1本沈めると、#6比江島のパスから#7小川敦也が3Pシュートを成功。3点差にしたが、琉球は#53カークのインサイドでの得点。残り4分半で57-62とした。

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その後、互いに点を取り合い、61-65で残り3分を切ると宇都宮は#34ジェレットの3Pシュートで1点差に迫る。対する琉球は#53カークのフリースローで1点追加。2点差としたが、残り1分15秒、宇都宮は#25ニュービルがプルアップ3Pシュートを射抜き、67-66と逆転に成功した。ここでタイムアウトを取った琉球は、残り55.6秒、#12アルマがフリースローを2本成功。1点のリードを作った。それでも宇都宮は残り33.7秒、#25ニュービルのパスを受けて#6比江島がコーナー3Pシュート。これがリングに吸い込まれて70-68と再び逆転する。

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ここで最後のタイムアウトを取った琉球は、フロントコートからスタート。#4ローの3Pシュートを選択し、自らリバウンドを奪ったが、この直後に線を踏んでターンオーバー。ここから琉球はファウルゲームを展開する。ファイナル2試合では3/10とフリースローが不調だった#6比江島だが、ここでは見事2本成功して72-68に。琉球は残り2.9秒、#53カークのダンクで3点差に。タイムアウトを取った宇都宮はフロントコートから再開。#18鵤は#6比江島にパスを出した際、#34小野寺が手を出してボールが外に出て、残り2.0秒、琉球ボールに。右ウイングでボールを受けた#12アルマが振り向き様、3Pシュートを放った際、#10竹内公輔がファウルを犯してしまった。琉球#12アルマは2本目のフリースローを失敗。3本目、わざと落とすと、琉球#4ローがリバウンドをキャッチ。そのままシュートを放ったが、宇都宮#34ジェレットがブロック。宇都宮が73-71で勝利し、3年ぶり3度目のチャンピオンに輝いた。

オンコートインタビュー

 
【(C)B.LEAGUE】
 

■ジーコ・コロネルHC代行

 

――今の気持ちをお聞かせください。
「ありがとうございます。最初に言いたいのは、琉球は本当に素晴らしいチームで、4年連続でファイナルに進出しているチャンピオンチームということです。信じられないほどの組織力で、コーチ陣も選手たちも本当に素晴らしい。我々はとても恵まれています。」

「感謝を伝えたい人はたくさんいますが、少しだけお付き合いください。どうしても言及したい、本当に大切な2人がいます。ハローとヘンドリックス・ブラスウェル(ケビン・ブラスウェルHCのこども)。あなたのお父さんはこのチームを本当に信じていました。このチームがスペシャルなチームになれると信じていました。この先の人生では良いことも悪いこともたくさんあると思いますが、自分を信じることを忘れないでください。あなたたちには本当に素晴らしいお母さんがついています。個人的に、ブラスウェルHCの遺族であるハローとヘンドリックスの2人に、この勝利を捧げたいと思います。」

――ブラズウェルHCの遺志を継いで掴み取った優勝はどんな意味があるでしょうか?
「見ていただけたら分かると思います。皆さんの顔が涙で潤んでいると思います。シーズン途中でリーダーが去ることになりましたが、一緒に悲しんで涙を流して、戦い続けました。これほどスペシャルなチームは他にないと思います。」

――ファンの皆さんにもメッセージお願いします
「琉球ファンの皆さん。本当に大きな声援でした。自分たちは心が折れそうになることもありましたけれども、本当に皆さんのサポートは素晴らしかったと思います。そしてブレックスネーションの皆さん。皆さんの大波となって、僕たちを岸まで辿り着かせてくれました。本当にありがとうございます。」

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■D.J・ニュービル選手<ファイナル賞&チャンピオンシップ最優秀選手賞(MVP)>

 

――昨シーズンはMVPを獲得しましたが、チャンピオンには届きませんでした。この結果をどのように受け止めていますか?
「本当にうれしく思っていますし、チーム、ファンの皆さんを本当に誇りに思います。本当に素晴らしいサポートでした。」

――両チーム最多19得点という活躍でした。
「ブラズウェルHCが亡くなってからこのチームで一つの目標を作りました。それは彼のために優勝を捧げるということでした。それをしっかり出来たことがとてもうれしいです」

――最多3回目の優勝という偉業です
「ファンの皆さんが本当に素晴らしかったです。チームのシックススマン的存在でした。ありがとうございました。」

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■比江島慎選手

 

――4Qの逆転3Pシュートを振り返ってください。
「性格的に追い込まれないとやらない性格なんで、本当にすみません。でも気持ちで決め切ったシュートだと思います。」

――チャンピオンシップに入ってから苦しんでいたように思いますが、今日のゲームではどんな意識でしたか?
「考えすぎないことというか、シュート以外は悪くないと捉えていたので、入ってくればオフェンスのリズムも掴めるかなと思っていました。チームがしっかり作ってくれたし、あとは決めるだけっていうシュートを決めきったと思うので皆さんのおかげです。」

――その達成感、今の心境はいかがですか?
「宇都宮ブレックスというチームは本当に素晴らしいチームです。B.LEAGUEが年々盛り上がってきている中で歴史に刻む優勝ができたことはすごく大きいですし、とてもうれしいです。」

――ブラスウェルHCを日本一にするという目標を実現しました。
「本当にタフな状況の中でシーズンが進んでいったんですけど、みんながケビンのためという強く特別な思いでプレーしていました。最後はケビンが背中を押してくれたと思いますし、あの(最後のフリースローの)プレッシャーもケビンが与えてくれたんじゃないかと思えて…。ケビンのために優勝できたことが本当に嬉しいです。」

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