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「B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL 2025」第2戦、トランジションに強みを見せた「B.LEAGUE UNITED」が会場を熱狂させる

2025.06.30

見どころ・レポート

 

■トロイ・マーフィージュニア選手が勢いをもたらす

2025年6月29日、B.LEAGUE選抜チーム「B.LEAGUE UNITED」がオーストラリアリーグNBL選抜を招いて試合を行う「B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL 2025」の第2戦が行われました。「B.LEAGUE UNITED」は第1戦以上に粘り強く戦いましたが、69-78で敗れました。

出だしは積極性で相手が上回り、「B.LEAGUE UNITED」はボールムーブが停滞して良いチャンスを作れずに、試合開始から3分半で2-9とされたものの、タイムアウトを挟んで反撃を開始します。

そのきっかけを作ったのはトロイ・マーフィージュニア選手でした。思い切りの良いキャッチ&シュートで初得点を記録すると、ディフェンスでも相手のハンドリングがもたついたところに飛び込んでスティールに成功。攻守の好プレーでリズムに乗ったマーフィージュニア選手は、左コーナーからの3ポイントシュートも決めて10-9と逆転に成功します。

 

ゴール下に開いたスペースに飛び込む動きに池田祐一選手がパスを合わせてのダンクも披露。第1戦では無得点に終わったマーフィージュニア選手ですが、この日はチームメートからの「アグレッシブに行け」とのアドバイスを忠実に実行しました。「自分のシュートでお客さんが沸いてくれて、今日はノッていると感じられました。3本目の3ポイントシュートは会場の皆さんの思いがあって決められたものだと思っています」

  

■ディフェンスで奮闘したジョニビウス・スミス選手

マーフィージュニア選手が快調に得点を伸ばす中、ディフェンスとリバウンドで「B.LEAGUE UNITED」の勢いを支えていたのがジョニビウス・スミス選手です。リバウンドだけでなくルーズボールも長い腕を伸ばしてつかみ取り、また相手の速攻を未然に防ぐ前からのプレッシャーなど、高さと機動力を生かして奮闘します。「NBL SELECT」の強固なディフェンスに苦戦して得点は伸びませんでしたが、彼のディフェンスとリバウンドはすでに「B.LEAGUE UNITED」に欠かせないものになっていました。

 

前半を終えて38-44と6点のビハインド。リバウンドでは22-22と互角でしたが、セカンドチャンスからの得点は4-9で、オフェンスリバウンドを取っても攻撃を組み立てなおす「B.LEAGUE UNITED」に対し、高さに強みのある「NBL SELECT」はオフェンスリバウンドをそのまま押し込む得点で差を付けました。

後半開始から再び流れは「NBL SELECT」に。「B.LEAGUE UNITED」はディフェンスで足が動かなくなり、ローテーションが遅れてノーマークでの3ポイントシュートを打たれ、それを止めに行こうとすると中が空いてレイアップに持ち込まれたりと、積極性を増す「NBL SELECT」の勢いを止められません。オフェンスでは個人技主体ながら勝負強くシュートを決めることで食らい付くも、苦しい時間帯となりました。

 

 

■トランジションで魅せる、池田祐一選手と淺野ケニー選手

第3クォーター残り4分で49-59と点差は2桁に。それでも「B.LEAGUE UNITED」はスミス選手とウィル・ベイカー選手の同時起用で苦しい時間帯を耐え、そこから池田選手と淺野ケニー選手を起用するスモールラインナップで一気にスピードを上げ、流れを引き寄せます。第1戦では思うようなプレーができなかった池田選手ですが、映像を見てアジャストしたと言います。

「昨日は周りの選手たちに少し遠慮して、上手くボールを回してあげようだとか積極性を欠いた部分がありました。映像を見ながら『自分らしくない』と感じたので、そこを改善しました」。そう語る池田選手は、第2戦では出足の鋭さを生かして3スティールを記録。そこから得意のトランジションを作り出して7アシストを記録しました。その池田選手のドライブからのキックアウトで淺野選手が左コーナーからの3ポイントシュートを沈め、スミス選手も3ポイントシュートで続いて59-59と追い付きます。

 

第4クォーター開始直後には、この日一番会場が沸いたビッグプレーが生まれます。池田選手のスティールから走ったマーフィージュニア選手がトップスピードでダンクを狙いますが、これを失敗。淺野選手がリバウンドを拾ってのセカンドチャンスでマーフィージュニア選手が3ポイントシュートを打ち、これもリングに弾かれましたが、飛び込んできたスミス選手が豪快なプットバックダンクを叩き込みました。

 

■「戦えるチーム、勝てるチームを作っていきたい」

勢いは完全に「B.LEAGUE UNITED」でしたが、経験豊富な「NBL SELECT」は完全アウェーの雰囲気に飲み込まれることなく、堅実なディフェンスでビッグプレー以外で「B.LEAGUE UNITED」の得点を許さず、攻めに転じればドライブで切ってキックアウト、またドライブで切ってパスと冷静なプレー選択の繰り返しでレイアップのチャンスを作り、確実に2点を取ってきます。

終盤の「B.LEAGUE UNITED」は中村拓人選手と池田選手の2ガードを採用。中村選手のリムアタックから外で待つ池田選手へ、さらに淺野選手へのエクストラパスでコーナースリーを沈めて、残り2分11秒で69-74と詰め寄ります。「NBL SELECT」は終盤も冷静さを保ち、反撃を振り切って最終スコア69-78で勝利を収めました。

 

水野宏太ヘッドコーチは試合後の会見でこう語りました。「結果だけ見れば勝ち切れなかったので悔しい思いですが、クラブと役割が違ったり、表現するものが違ったりする中で、2日間ともそれぞれが持ち味を発揮できたことは、この試みの醍醐味だと思っています」

「各々が成長したいと思って参加しているので、一人ひとりがチャレンジできる機会を自分がヘッドコーチとして作りたいと思っていました。それはできたと思っています。選手のそういう気持ちを汲んだ上で、戦えるチーム、勝てるチームを作っていきたいです」

 

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