【EASL】東アジア王者をあらためて見据える琉球ゴールデンキングス、リベンジを誓う岸本隆一「次のチャンスはない」

桶谷大「日本人選手の活躍がEASL勝利の鍵になる」
EASL(東アジアスーパーリーグ)が10月に開幕する。東アジア各国のプロバスケリーグを代表するチームが参加するEASLは、年々その参加国とチーム数を増やして規模を拡大し、Bリーグや天皇杯とともに『3冠』の一つに数えられる大会に成長した。昨シーズンにりそなグループ Bリーグ 2024-25SEASON 準優勝、第100回天皇杯優勝、EASL 2024-25シーズンでもFINAL4に進出した琉球ゴールデンキングスは、今シーズンもBリーグを代表するチームとしてEASLに出場する。琉球の桶谷大ヘッドコーチとエースの#14 岸本隆一が、EASLへの意気込みを語った。
2022-23シーズンにBリーグ初優勝、昨シーズンには天皇杯で初優勝するなど、着実にタイトルを獲得してきた琉球にとって、EASLはいまだ手にしていないタイトルとなる。琉球は前身大会も合わせると6大会連続7回目のEASL出場となるが、昨シーズンのEASLではグループリーグを首位通過したものの、マカオで行われたファイナル4では準決勝で桃園パウイアン・パイロッツ(チャイニーズ・タイペイ)に敗れた。さらに3位決定戦では元NBAプレーヤーのジェレミー・リンを擁するニュータイペイ・キングス(チャイニーズ・タイペイ)に敗れて、4位で大会を終えている。
こうした状況の中、琉球の桶谷大ヘッドコーチは「EASLは過去に良いところまでいっても優勝に手が届いていない大会。出場できるチャンスがあるうちに優勝したい」とEASLタイトル獲得に貪欲な姿勢を見せる。
EASLのレギュレーションはBリーグとは異なり、外国籍選手の出場登録は2名に限定される。EASLを勝ち抜くためには、日頃のBリーグとは異なる戦略が求められる。
桶谷ヘッドコーチは、今夏のオーストラリア遠征でEASLを勝ち上がるためのポイントを感じていた。「オーストラリアのチームと対戦する中で、自分たちに足りない部分を肌で感じることができました。身長や体格などのフィジカルの差ではなく、シュートの正確性やペイントエリアに進入してからの状況判断において、オーストラリア人選手たちのレベルが高かったのが印象的だったということ。フィジカル面の差ではなく、バスケットボールの本質的な部分に目を向けるべきだと気付かされました」
「外国籍選手のレベルでは、我々が上回っていたと言ってもいい。ローカルプレーヤー(国内選手)のプレーの質をどれだけ上げられるかが勝敗を分けます。NBLチームとの対戦でも1試合目と2試合目では、僕らの日本人選手は相手の強度にも慣れてプレーの質が上がっていました」
加えて新加入の#8 佐土原遼は、192cm97kgという屈強なフィジカルを誇り、日本人ビッグマンとしての期待も高く「NBL選手相手にもフィジカル負けしていなかった」と桶谷ヘッドコーチは評価している。さらに「安定した活躍をしてくれる岸本隆一だけではなく、脇真大や松脇圭志、崎濱秀斗などがゲームチェンジャーとして相手のローカルプレーヤーに対抗し、主導権を奪うようなプレーを見せてほしい」と日本人選手がいかに活躍するかがEASL勝利への鍵であると明言した。

3月に敗れた桃園が初戦の相手「リベンジという感覚」
桶谷ヘッドコーチが信頼を寄せる岸本隆一も「EASLタイトル獲得も意識しながら日頃の練習に取り組みたい」と優勝へ静かに闘志を燃やしている。岸本はEASLの前身大会である『The Super 8』(スーパー8)や『The Terrific 12』(テリフィック12)から数えると7回目の出場であり、EASLが国際的に大きく成長してきたことを最も実感する選手だ。
その岸本は言う。「EASLは年々規模が大きくなり、価値も高まってきて、今後はさらに大きな大会になると感じています。キングスだって来年のEASLに出場できる保証はどこにもない。だからこそ『次のチャンスはない』と心に留めてEASLに挑まなければならない」
国際大会であるEASLは、東アジア各国のトップ選手と直接マッチアップするという得難い経験も魅力だ。岸本も昨シーズンにジェレミー・リンという世界的なスター選手と対戦し、SNSでジェレミーから直接メッセージが届くほどに印象的なプレーを見せた。岸本は「出場が確約されていない大会だからこそ、海外の実力ある選手と戦う貴重な機会を大事にしなければならない」と語った。
琉球のEASL初戦は10月8日(水)、チャイニーズ・タイペイでのアウェーゲーム。相手は昨シーズンのEASLファイナル4で琉球を破った桃園パウイアン・パイロッツだ。桃園は昨季EASLで準優勝し、自国リーグでも初優勝して勢いがある。
岸本は「桃園は昨シーズンから大きなメンバー変更もなく、僕らにとってもこの対戦はリベンジという感覚もある」と語る。昨シーズンの対戦では終盤まで競った展開となったが勝ち切れず。岸本も持ち前のクラッチタイムの勝負強さを発揮できず、悔やまれる一戦となった。
「昨シーズンの悔しい気持ちをぶつけつつ、今シーズンに新しく自分たちが積み上げてきたものをしっかり表現して、応援してくれる方々にそれを感じてもらえるような試合にしたい」と、岸本はEASL初戦への意気込みを語った。
琉球の第2戦は10月22日(水)、ホーム開幕戦となるこのゲームははフィリピンのメラルコ・ボルツとの対戦。もう1チームはマカオ王者のマカオ・ブラック・ベアーズで、2月11日までホーム&アウェーの6試合を戦い、決勝ラウンド進出を目指す。
『沖縄を世界へ』というビジョンを掲げる琉球にとって、EASL優勝は悲願となりつつある。琉球ゴールデンキングスが世界に名を轟かせるための挑戦が、いよいよ始まる。
琉球ゴールデンキングス ホーム開幕戦
日時: 10月22日(水)19:00 TO
会場: 沖縄サントリーアリーナ
対戦: メラルコ・ボルツ(フィリピン)
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