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【EASL】宇都宮ブレックスの急成長株、高島紳司が見据える東アジアの戦い「誰とマッチアップするにしても何も怖くない」

2025.10.07

国際連携

【(C)B.LEAGUE】
 

宇都宮ブレックスの高島紳司にとって、りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズンは大きな飛躍の年となった。大阪エヴェッサを経て、特別指定選手として宇都宮に加入したのが2022年の年末。その3年目となった昨シーズンは、若手から貴重な戦力へとステップアップ。プレータイムそのものの増減以上に、勝敗の懸かった場面で起用される場面が増え、粘り強いディフェンスをベースにしたプレーで期待に応えた。Bリーグ優勝に貢献できたという自信は、彼のパフォーマンスをさらに高めるはず。新シーズンを迎えるにあたり、他の誰よりも彼自身が自分に期待を寄せている。

メンタルの変化「何も考えずに今できることをやろう」

 

──昨シーズンは飛躍の年となりましたが、高島選手自身はどう受け止めていますか。

結果的にチームとして優勝できたのがまず良かったです。その前のシーズンはチームとしても個人的にも悔しい思いをしていたし、ケビン(ブラスウェル前ヘッドコーチ、今年2月に心臓疾患のため死去)のこともあって、バスケをするのも難しい状況にあったのですが、プレータイムが増えたことも、自分にできるプレーも増えて、役割を任された時に結果を出せるようにと準備をしてきたので、そこを乗り越えられたことは自信になりました。

 

──以前よりも自信が増しているのは見ている人にも伝わっていると思います。変化のきっかけはどこにあったのでしょうか。

一番はメンタルです。今までずっとバスケをやってきて、今起きていることよりも先のことを考えてしまうタイプでした。自分のミスで相手に流れがいったらどうしよう、自分のせいで負けたらどうしよう、というのをすごく考えていたんです。でも、特に昨シーズンはそういう時こそ自分のプレーが良くないし、周囲からもアドバイスをもらって、「何も考えずに今できることをやろう」と考えられたのが良かったです。

──でも、考え込んでしまうタイプの人に「考えずにやろう!」とアドバイスしても、その通りに実践するのは簡単ではないですよね。そこはどう解決しましたか。

先輩たちのプレーを見た、というのはありますね。このチームには、いろんなことができる選手もいますが、自分の役割に特化してプレーする選手が多くて、そんな選手が5人集まってチームとしてのバスケを表現します。先輩たちのその姿を見て真似た、というのが大きいです。

【(C)B.LEAGUE】
 

「ミスをしても先輩たちが取り返してくれる」

 

──なるほど、そこから良いイメージをつかむことができたのですね。

そうですね。もう一つは過去の自分を思い出した時に、大阪エヴェッサでも得点をたくさん取ったり自分で納得できるプレーができた時は、何も考えずに目の前のプレーに没頭していたんです。そのことを思い出して、「あの時の感覚を思い出してみよう」と意識してみたら、本当に集中して良いプレーができて、それは良いきっかけになりました。

──高島選手と小川敦也選手は、昨シーズンが進むにつれてチーム内での信頼を大きく高めました。ベテラン中心で勝っているチームは若手がプレータイムを得るのも難しく、重要な場面で起用されるのはさらに難しいものですが、宇都宮は勝ちながら若手の台頭もある理想的な状況になっています。それができる理由は何だと思いますか?

先輩たちの心の広さ、ですかね。何度も優勝したことのある経験豊富な選手がたくさんいる中で、若手にハッパをかけながらも「後ろには俺たちがいるよ」みたいな感じがすごくあります。ミスをしても先輩たちが取り返してくれる、そういう声掛けがあるから恐れることなくプレーできていると思います。

──シーズンを戦う中で、高島選手の起用法もどんどん変わっていきました。チャンスが増えていく状況をどのように感じていましたか。

以前は第4クォーターの残り5分でベンチに戻ることが多かったと思うのですが、その状況でベンチで休んでいる時に呼ばれたりして、最初はやっぱり「えっ、ここで自分?」という気持ちはありました。でも何度か経験するうちにベンチでも気持ちの準備ができるようになりました。そこでチームから求められているプレーができているのか自問自答したりする時期もあったのですが、いつの間にかそれもなくなりました。むしろ、試合終盤にプレーできる楽しさを感じられるようになりました。

──チャンピオンシップでもそうやってチャンスを与えられました。

そうですね。チャンピオンシップの頃には「なんで自分?」みたいな気持ちは全くなくなっていて、「よし来た!」とか「自分が流れを変えてやる」という気持ちでコートに入ることができていました。

【(C)B.LEAGUE】
 

「未知の相手に自分の力を試して、なおかつ勝ちたい」

 

──今シーズンはBリーグ王者としてEASLにも出場します。どのような選手起用になるかは分かりませんが、高島選手のプレータイムや与えられる役割はより大きなものになるはずです。EASLに対してはどんなモチベーションで臨みますか。

僕はこれまで、海外の大舞台ではあまり経験がありません。今まで対戦したことのないプレースタイルのすごい選手がいるだろうし、その国の代表に選ばれているような選手と対戦できるのは、自分としても楽しみです。

FIBAバスケットボールチャンピオンズリーグアジア2025(BCLアジア)もFIBAインターコンチネンタルカップも、すごく良い経験になりました。ちょうど自分のメンタルが変わって、今までだったら強い相手、よく分からない相手と対戦する時に「大丈夫かな」と思っていたであろうところが、「まずは自分がアタックする、仕掛けてからどうなるか見てみよう」という積極的な気持ちでやれました。そういうところは本当に変わったと思いますね。

──EASLで個人的に得たいものは何ですか。

Bリーグにはいないようなプレースタイルのチームや選手と対戦する中で自分が今持っているものが通用するのかどうか試してみたいと思います。BCLアジアで優勝したように、未知の相手に自分の力を試して、なおかつ勝ちたいです。

──「試したい」という言葉が自信満々に聞こえます。普段から比江島慎選手やD.J・ニュービル選手とマッチアップしている経験があるからでしょうか。

そうですね。実際、どのチームと対戦するとしても彼ら以上の選手はいないんじゃないかと思います。そんな相手とやり合うのが日常になっているので、誰とマッチアップするにしても何も怖くないというか。それはチームのおかげだと思いますし、僕にとってはすごく良い経験になっています。だからこそ、国際大会ですごい選手とマッチアップして、その相手を止められるかどうかが楽しみです。そして、出場するからには優勝して、トロフィーを掲げたいです。

宇都宮ブレックス ホーム開幕戦

日時: 10月22日(水)19:00 TO
会場: ブレックスアリーナ宇都宮
対戦: ソウルSKナイツ(韓国)
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