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2025.05.28

宇都宮の“ニュースター”小川敦也は先輩に感謝「日本一のエース」憧れの比江島慎には感嘆

  • バスケットボールキング

 5月27日、Bリーグの年間王者を決める「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25」GAME3が横浜アリーナで行われ、宇都宮ブレックス(東地区1位)が73-71で琉球ゴールデンキングス(西地区1位)に勝利。2月に急逝したケビン・ブラスウェルヘッドコーチへ捧げる3年ぶり3度目の優勝を果たした。

 第1戦で15得点を挙げ脚光を浴びた小川は、第2戦で6得点、第3戦で3得点と右肩下がりだったが、優勝を決める最終第4クォーターで、相手の“ビッグマン”ジャック・クーリーがファウルアウトとなった直後に、3点差に詰め寄る3ポイントシュートを成功。後の逆転劇につながる大きな1本を決め、試合終了後には涙を浮かべながらチームメートと歓喜した。

 昨年1月に筑波大学バスケットボール部を退部してプロ転向。ルーキーシーズンから大舞台を駆け抜けた22歳は、「1ポゼッション1ポゼッションすごく重みが大きかったですけど、去年はそのコートに立てなかったという思いがあったので、本当にコート上では楽しかったです」と、自身初のファイナルを振り返った。

第3戦は19分42秒出場しプラスマイナス+4を記録した[写真]=B.LEAGUE

 ミックスゾーンでは「先輩方が自分のためにたくさんアドバイスをくれたり、ミスしても自分たちがカバーするからと、そういう先輩方に出会えて幸せだなと思います」と、経験豊富なチームメートに感謝。「先輩方に恩返しをしたいという気持ちで、自分の力もちょっとコート上で出しながら優勝できて幸せでした」と喜びを噛み締めた。

 特にルーキーにとって大きな支えとなったのが、2月に急逝したケビン・ブラスウェルヘッドコーチから送られた「お前は絶対ビッグになれるから。まずは自信を持つことから。そしたら何倍も大きくなれる」という言葉。自信を深めて臨んだファイナルでは、ロスター外ながらベンチで仲間を鼓舞していた田臥勇太にもサポートしてもらった。

「(コート上で)やることは整理ついていたんですけど、あらためて勇太さんにお前の持ち味はこれだぞと言ってもらえたり、自分に自信つけさせるような言葉をかけてもらった。勇太さんなしではこういうプレーができなかったと思います」

最後はベンチから祈っていた小川[写真]=矢島花音

 頼もしい先輩選手たちと指揮官に囲まれ、のびのびと成長してきたニュースター。考え方次第では甘えられる環境でもあるが、「頼ろうと思えば自分は何もしなくていいんですけど、そこで自分がクリエートしたり、ドライブして周りを動かすことだったり、まずは自分が起点となれたところが一番ステップアップしたと思います」と、貪欲に成長してきた。

 “憧れの存在”である比江島慎は、第4クォーターだけで14得点を挙げチームを勝利に導く大活躍。「本当に一緒にプレーできて幸せですし、日本一のエースだなと思います」と背番号6の頼もしさも再確認した。「あんな逆境でマコさん自身も本来の力を出せていなかったなかで、こうやって後半だけで17点決めはって、本当に素晴らしいというか、自分の尊敬している選手はやっぱり比江島選手かなって。あらためてかっこよかったです」と目を輝かせた。

【動画】宇都宮が怒涛の逆転優勝!ファイナル第3戦のハイライト