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2025.06.02

“命を守る文化”を記録に――Bリーグが公開した、ある一日のドキュメンタリー

  • 月刊バスケットボール

突然の心停止、選手の命を救った「準備の連鎖」

2025年1月5日、滋賀レイクスと三遠ネオフェニックスの一戦で起こった出来事は、Bリーグ史に深く刻まれることになった。ハビエル・カーター選手が試合中に心肺停止に陥るという前代未聞の緊急事態。そのとき、クラブのメディカルチームと運営スタッフが迷うことなく動き、命をつないだ――。

この一連の出来事を記録したドキュメンタリー動画『Everyday is a new day. たくさんの準備がつないだ一つの命』が、5月30日に公開された。制作はBリーグ(公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)と滋賀レイクスターズ、協力に日本ストライカー株式会社が名を連ねる。

動画では、クラブが長年積み重ねてきた「準備」がいかに重要であったかが丁寧に描かれている。個人レベルでの知識と行動のアップデート、組織としてのEAP(エマージェンシー・アクション・プラン)の策定、AEDを含む救命設備の整備と使用訓練。そうした“即応力”が、実際の危機において機能したことの意義は計り知れない。

Bリーグでは以前から、命を守る「S」、選手稼働の最大化「C」、パフォーマンス向上「S」を掲げる「SCS推進チーム」が主導し、EAPの導入やSFR(スポーツファーストレスポンダー)の養成講習などを実施してきた。特にこの滋賀での事例以降、選手や来場者の安全を守るための意識と行動は、全クラブでさらに高まりを見せている。

今回のドキュメンタリーは、その取り組みの延長線上にあると言える。クラブスタッフの勇気と冷静な判断が命をつなぎ、選手の新たな人生の一歩を支えたこと。そして、たまたまそこに居合わせた誰かではなく、「準備してきた自分たち」だからこそ救えた命があったということ。

今後も、Bリーグは“救命の文化”を根付かせるための活動を続けていく。この動画は、その取り組みの象徴であり、多くの人にとっての学びと気付きの機会になるだろう。

▼動画はこちらから視聴可能
[ダイジェスト版] Everyday is a new day. たくさんの準備がつないだ一つの命
https://youtu.be/xjEFFaMWGcc