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2025.06.16

宇都宮ブレックス、アジアの頂点に!!比江島は30得点、決勝点ニュービルがMVP

  • 月刊バスケットボール

DJ・ニュービルの逆転弾で優勝


アジアのクラブ王者を決める「BCL Asia 2025」決勝が6月14日(現地時間)にドバイのコカコーラ・アリーナで開催され、宇都宮ブレックスがアル・リヤディ・ベイルート・クラブ(レバノン)を94‐93で下し、初のアジア制覇を果たした。

今大会を通じて無敗で勝ち上がってきたアル・リヤディは、昨年王者にしてFIBA WASL(西アジアリーグ2024-25)を8戦全勝で制した中東の雄でディフェンディング・チャンピオン。一方の宇都宮は、初戦こそ敗れたが、以降は連勝でファイナルに駒を進めた。

決勝序盤、宇都宮はターンオーバーが出る苦しい立ち上がりに。アル・リヤディの#2ソーン・メイカーや#94マーカス・ジョージス=ハントに得点を許し、一時は6‐15とリードを奪われた。しかし、タイムアウトを取って悪い流れを絶つと、1Q終盤に#6比江島慎が3Pシュートを成功。26-29と詰め寄ると、2Qには#42アイザック・フォトゥ、#6比江島が立て続けに3Pを沈めて、逆転に成功。前半だけで#6比江島は18得点。宇都宮は50‐46でハーフタイムを迎えた。



後半も比江島が奮闘。後半開始早々にポストムーブからターンアラウンドジャンパーを沈めると、宇都宮は外角からの攻撃を軸に優位に試合を進める。しかし、終盤にはアル・リヤディが粘りを見せ、#10アリ・マンスールや#24ハイク・ギョクチャンの得点で70-71と1点差まで迫られてしまった。

4Qも一進一退の攻防が続いたが、91‐93と2点ビハインドで迎えた残り33秒に#25D.J・ニュービルがステップバック3Pシュートを沈めて逆転に成功。これが決勝点となり、宇都宮が歴史的勝利を飾った。

宇都宮は日本勢として2019年大会覇者のアルバルク東京以来となるBCL Asia制覇。さらに、9月にシンガポールで開催される「FIBAインターコンチネンタルカップ」出場権を獲得した。

#6比江島は3Pシュート6本成功を含む30得点、9リバウンド、5アシストの活躍。ニュービルは21得点、5アシスト、今大会のために契約した#70フィン・ディレイニーが19得点、7リバウンド、#42フォトゥが12得点を挙げた。

大会MVPには、大会平均24.0得点、3.8リバウンド、7.4アシストを残したニュービルが選出。また、彼を含むオールスター5には、ディレイニー(宇都宮)、ギョクチャン、メイカー(アル・リヤディ)、ミラー(ブロンコス)が名を連ねた。

試合後、ジーコ・コロネルHC代行は「どんな状況でも、チームとして団結して戦えるのがこのチームの強さ。これが2つ目のタイトル。とても喜ばしい」とコメント。比江島は「出だしは相手にリズムを掴まれたが、ディフェンスから立て直し、細かい部分をやり切れた」と振り返った。

なお、準優勝のアル・リヤディは、#94ジョージス=ハントが24得点、#10マンスールが22得点、#24ギョクチャンが19得点13リバウンドと最後まで粘りを見せた。



<最終順位>
優勝/宇都宮ブレックス(日本)
準優勝/アル・リヤディ・ベイルート・クラブ(レバノン)
3位/ブロンコス(モンゴル)


大会MVP
DJ・ニュービル(宇都宮ブレックス)

オールスター5
DJ・ニュービル(宇都宮ブレックス)
フィン・ディレイニー(宇都宮ブレックス)
ハイク・ギョクチャン(アル・リヤディ・ベイルート・クラブ)
ソーン・メイカー(アル・リヤディ・ベイルート・クラブ)
イアン・ミラー(ブロンコス)

<記者会見>
宇都宮ブレックス
■ジーコ・コロネルHC代行
「アル・リヤディのファランHCは本当に素晴らしい指揮官。かつてニュージーランド代表として彼のチームと対戦したが、当時から見事な采配だった。選手を欠きながらも見事な戦いを見せたことに敬意を表したい。我々はどんな状況でも戦い、団結し、大きなプレーをやりきる。これがこのチームの本質であり、だからこそ2度目のタイトルを手にすることができた」

■比江島慎
「立ち上がりは相手にリズムを持っていかれたが、ディフェンスから自分たちの流れを取り戻すことができた。どちらが勝ってもおかしくない内容だったが、細かい部分をやりきった結果が最後に出たと思う。自分がすべてをやったというより、チーム全体が良いオフェンスを展開できていたから。無理なショットではなく、打つべきシュートを打てたことが大きい」

アル・リヤディ
■アーマド・エル・ファランHC
「我々は勝つに値したし、ブレックスも勝つに値した。34秒を残して勝利が手から滑り落ちたのは不運だったが、それもバスケットボール。どちらにとってもタフな試合だったが、素晴らしい決勝だったと思う。我々の選手は決勝で見事なプレー、態度を示してくれた。この11日間で逆境を乗り越え、我々は多くのものを手に入れた。誇りに思うし、後悔はしていない。(宇都宮について)今日は17本、前日は19本の3Pシュートを決めている。我々もトーナメント全体では44.5%と高い数字を出したが、今日に関しては宇都宮がタフショットを沈め続けた。そこを称えるべきだ」

■マーカス・ジョージス=ハント(#94)
「誰もが全力を尽くした。勝敗は紙一重だった。彼らがタフショットを決めた、それだけだ。だが、自分たちも素晴らしいチームだと思っている。この機会をくれたクラブに感謝している。結果は悔しいが、バスケットボール選手として受け止めるしかない。ここから学び、また挑戦する」