【B1注目新人5選】昨季MIP、アジア杯代表、Gリーグドラフト指名選手…Bリーグを席巻する“恐るべきルーキー”たち
りそなグループ Bリーグ2025-26シーズンが10月2日に開幕する。記念すべき10シーズン目のBリーグで輝くルーキーは誰なのか。新人賞争いにも絡んでくるであろう注目のルーキーを5人ピックアップして紹介する。
※本記事では規定上の「新人選手」ではなく、「新人賞対象選手」に該当する選手たちを取り扱う。
文=小沼克年
◆■瀬川琉久(千葉ジェッツ)

スター揃いのチームメートの負けず劣らずの存在感[写真]=B.LEAGUE
恐れ知らずのニュースター。昨シーズン終盤には先発ポイントガードの大役を堂々と務めあげ、高卒ルーキーながらレギュラーシーズンMIPに輝いた。昨季の新人賞投票では脇真大(琉球ゴールデンキングス)に次ぐ2位となり、その実力はリーグ全体からも認められている。
卓越したハンドリング、端正なフォームから放たれるプルアップシュート、相手を空中でかわすダブルクラッチ──華やかさと決定力を備えるのが瀬川の真骨頂。昨年アメリカで開催されたBWBグローバルキャンプ、U18日本代表活動などの経験をもとにフィジカルと守備力強化に着手したことも、即戦力として活躍できた要因に挙げられる。今季はプレータイムを勝ち取るところから再出発。千葉Jの中軸を担い、日本代表デビューへの道を切りひらく。
◆■ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(サンロッカーズ渋谷)

守備面ではすでに国内トップクラスの評価を得たハーパージュニア[写真]=B.LEAGUE
サンロッカーズ渋谷が誇る鉄壁のディフェンスハンター。本格的にバスケを始めたのは中学生になってからだが、コザ中学校、福岡第一高校、東海大学と名門をわたり歩き、2020-21シーズンには当時の最年少記録となる17歳11カ月28日でBリーグデビューを飾った。
類まれな身体能力の持ち主で、相手に襲いかかるようなディフェンスはすでにリーグトップクラス。日本代表を率いるトム・ホーバスヘッドコーチにも守備力を買われ、昨シーズンは代表デビューに加え「FIBAアジアカップ2025」にも出場した。躍進のカギは、攻撃面でポイントガードの役割を果たせるかどうか。周りを生かす組み立て、さらにはノーマークの3ポイントシュートを決めきる力が問われる。
◆■山内ジャヘル琉人(川崎ブレイブサンダース)

フィジカルを生かしたプレーに加え、3ポイントも武器とする山内[写真]=B.LEAGUE
川崎ブレイブサンダースで「DYNAMIC BEAST」の異名を持つのが山内ジャヘル琉人だ。仙台大明成高校3年次には主にシューターの役目を担い、現チームメートの米須玲音と全国大会決勝で対戦。この試合では第4クォーターに逆転の3ポイントシュートを決めて日本一に輝いている。
特別指定選手として加入した昨季は、計34試合に出場した。強みは190センチ96キロの体格を駆使した力強いドライブとハードな守備。豪快なダンクシュートを叩き込むこともできる期待のシューティングガードだ。ルーキーシーズンとなる今季は、チームの課題であるリバウンドでも存在感を示したい。持ち前の跳躍力とフィジカルを武器に、空中戦を制して勝利を呼び込めるか。
◆■根本大(三遠ネオフェニックス)

昨季レギュラーシーズン終盤からCSにかけて三遠の主力を担った根本[写真]=B.LEAGUE
昨シーズンの活躍ぶりは、三遠ネオフェニックスブースターにとって嬉しいサプライズだったに違いない。根本大は180センチ75キロのシャープな体格ながら、優れた身体能力持つポイントガードだ。いざコートに立てば豊富な運動量でチームを活性化。昨季はチャンピオンシップの舞台にも立ち、堅実なディフェンスや3ポイントシュートでチーム史上初のベスト4進出に貢献した。
新シーズンはボールを受ける側ではなく、自らチームを動かす司令塔としての役割が問われる。キャプテンの佐々木隆成は「ゲームコントロールの部分は練習中から一生懸命取り組んでいます」と根本について明かし、「見ている人たちを楽しませられる選手なので、そういった華のあるプレーにも注目してほしい」と期待を寄せている。
◆■長谷川比源(滋賀レイクス)

高い身長、長い手足を備えつつもドライブや3ポイントでもチームに貢献する長谷川[写真]=B.LEAGUE
19歳でプロの舞台へ飛び込み、才能を爆発させた超新星。長谷川比源は昨シーズンの12月に神奈川大学を中退し、滋賀レイクスと複数年契約を締結。202センチ85キロのニューフェイスは終盤戦からスタメンに定着すると、4月には10得点11リバウンドを挙げて10代でダブルダブルを達成した。
「彼のすごさはメンタルだと思います。いい意味で自分に自信を持っていて、物怖じしないプレーができる。今シーズンは開幕からリバウンドやトランジションの部分で勢いをもたらしてくれると思っています」
長谷川の魅力を語るのは、キャプテンの野本大智。最終的には滋賀残留が決まったものの、オフシーズンには「2025 NBA Gリーグ インターナショナルドラフト」でドラフト指名を受けた。NBA入りを夢見る長谷川には、海外からも熱い視線が注がれている。