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2026.03.03

チャンピオンシップ進出に向けて後がない島根スサノオマジック、カギを握る飯尾文哉「積極性がなくなってしまうと良い流れにならない」

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「思い切りよくシュートを打てているのが確率にも影響している」

「めっちゃCSに出たいです。優勝したいです。5月のあの休みは、もういらないです!」

島根スサノオマジックの飯尾文哉は、まだ出場経験のないチャンピオンシップ(CS)への思いをそう語った。島根はレギュラーシーズン39試合を終えて21勝18敗の西地区7位。チャンピオンシップ圏内まで5ゲーム差と、ここからの終盤戦が正念場となる。

今シーズンから島根に加入した飯尾は、平均21分57秒出場で6.7得点、1.8リバウンド、1.6アシストを記録しており、大阪エヴェッサに所属していた昨シーズン(平均12分27秒、2.0得点、1.3リバウンド、0.8アシスト)から大きく数字を伸ばしている。

特に昨シーズンは平均24.7%と苦しんだ3ポイントシュート成功率は、試投数が1.3本から3.3本に増加したにもかかわらず34.8%と上がり、チームに貢献している。

「大阪時代はボールが回ってくる数も少なかったので、来た時の一本を確実に決めるのは簡単ではなかったです。オフシーズンから重点的に練習したこともありますが、今はのびのびやらせてもらっているので、思い切りよくシュートを打てているのが確率にも影響しています」

島根では長距離砲だけでなく、ハンドリングしてプレーメークする場面も増えた。島根にはメインハンドラーを担う岡田侑大がいるが、岡田と同時にコートに立っていても飯尾がハンドリングするポゼッションも少なくない。

「侑大さんの存在は大きいです」と語る飯尾は「すべてのプレーを真似できるわけではないですが、ステップの細かい部分を見て学んだり教えてもらったりしているので、それが発揮できているのかなと思います」と彼から得る学びを説明した。

さらに飯尾は、岡田とは全体練習で同じチームになることが多いが、個人練習では岡田の1on1の相手を務めることもあり、ここで直々にレクチャーを受けていると明かした。

「正直に言うと意外でした。そこまで教えてくれるんだと。島根に来るまでは教えてくれるイメージがなくて、クレバーに1人で黙々とやる人なのかと思っていました(笑)」

「プロでディフェンスマインドになれたのはニュービルのおかげ」

試合に長く出ることで、プレーにも自信が出てきた。インタビュー中に飯尾は何度も『積極性』という言葉を口にした。

「ファーストオプションは侑大さんとビッグマンたちですが、自分の積極性がなくなってしまうと良い流れにならないと感じています。昨シーズンまではボールを回すことを考えていましたが、今シーズンはボールを持ったら強気にアタックしたり、リングを見てシュートを狙ったり、積極的にプレーしています」

その積極性を見せたプレーがあった。キャリアハイの17得点を記録した1月25日の仙台89ERS戦。同点で迎えた第4クォーターのオフィシャルタイムアウト後、飯尾はインバウンズからコート上の介川アンソニー翔にパスを出し、リターンを受けて迷わずに3ポイントシュートを放ち、これを沈めた。

「侑大さんがディナイされていて、インサイドも守られていたので、空くのはアンソニーと自分。あの試合は乗っていたので、絶対に決めてやろうと自分の判断で打ちました」。タイムアウト直後とあって、仙台も岡田からの展開を警戒しただろうが、裏をかく飯尾の積極性が得点に繋がった。

終始、言葉が明るい飯尾に「充実していますね?」と聞くと、笑顔で答える。「自分がやりたいことはできていますが、オフェンスだけにフォーカスしているとディフェンスが疎かになってしまうので、アグレッシブなディフェンスから試合に入れるようにやっていきます」

その言葉の通り、飯尾はチームからディフェンス力も求められている。相手のメインハンドラーや得点源とマッチアップすることを任されているが、スイッチの流れで外国籍を守ることも少なくない。現在リーグ1位の得点を挙げている仙台のジャレット・カルバーとのマッチアップを次のように振り返る。「正直、フィジカル面では戦えていました。もっとフィジカル強化したら、ビッグマンも守れるんじゃないかなと思っています」

どんな選手も守れるようになりたい、という気持ちを持っているが、その思いの源は大阪時代のチームメートの存在だという。

「でもD.J・ニュービルを止められるようになるというのが自分の中で一番の目標です。大阪に入った時にニュービルを見て『こんなすげえ選手がいるのか……。こんな選手を止めないとBリーグでは試合に出られないのか……』と思いました。プロでディフェンスマインドになれたのはニュービルのおかげですね。『止められるようになれば試合に出られる』と思って練習していました」

「全員でバスケができたら上位勢も食っていける」

残り試合を考えるとチャンピオンシップ進出までは簡単な道のりではないが、不可能ではない。この後、チームが勝利するために必要なことを飯尾は次のように話す。

「ボールが回ってる時は良いバスケができていますし、全員がボールに触っている分、タッチも良くなって3ポイントの確率も上がっていると思います。ただ、相手にプレッシャーをかけられた時に、侑大さんやニック(ケイ)に頼るバスケになってしまってるので、そこが改善点です。今、全員で良いフローを作る練習はしているので、全員が主体的に積極性を持ってやっていくことが大事です。個人としてはアグレッシブにプレーして、ケガから復帰した姿を見せられるようにしたいです」

飯尾は2月1日の京都ハンナリーズ戦で左足関節を捻挫。すでに練習を始めているが、試合から離れたことで勝利への思いは増幅している。

「この後は落とせない試合しかないので、目の前の相手にフォーカスして戦うのがマストです。上位クラブとの対戦もありますが、全員でバスケができたら上位勢も食っていけるようなチームなので、心配や気負いはないです」

最後に、チャンピオンシップ出場のため、ファンの存在は重要だと飯尾は話す。青く染め、メガホンの音が鳴り止まない会場を作ってくれるファンへの感謝の気持ちを忘れない。

「ファンの皆さんの熱にはビックリしています。クラップの音がとてつもないですし、自分たちの後押しになります。ここからチームとして絶対にCSに出る覚悟でやっていきますし、一戦一戦を大事に戦っていきます。自分が離脱した試合がありましたが、ここからしっかりチームを勝たせられるようなプレーをしていきますので、応援よろしくお願いします」