バスケットLIVE
2026.05.10

33得点で千葉ジェッツを救ったナシール・リトル「大きな役割を担ってポストシーズンを戦うのはプロになって初めてでワクワク」

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ナシール・リトル

「崖っぷちでみんなが持っている力を出し切ることができた」

5月10日、千葉ジェッツは群馬クレインサンダーズとのチャンピオンシップクォーターファイナル第2戦に85-79で勝利。ゲーム1で敗れた雪辱を果たし、明日の『ゲーム3』へと持ち込んだ。

この試合、千葉Jは渡邊雄太が脳震とうから復帰しスタメン出場。一方の群馬は、ゲーム1の後半にプレーしていなかったエージェー・エドゥが欠場した。レギュラーシーズン終盤から欠場が続くヨハネス・ティーマンと合わせてビッグマンが2人不在の群馬に対し、千葉Jはサイズのアドバンテージを生かしペイント内の攻防で優位に立つ。

積極的なインサイドアタックからのパスアウトと、理想的な流れから放つ3ポイントシュートは前半で13本中8本成功の高確率で決まり、文句なしのオフェンスで前半をリードして終える。だが、第3クォーターに入ると、群馬にこのクォーターだけで7本の長距離砲を沈められる真逆の展開で追いつかれてしまう。

そして第4クォーターは共にディフェンスがオフェンスを上回り、得点が入らないこう着状態に陥った。それでも、ここで千葉Jが抜け出せたのは、33得点を挙げたナシール・リトルのパフォーマンスが大きい。この試合のリトルは、第4クォーター残り3分半に同点、残り1分にはリードを5点に広げる2本のビッグショットを含む、3ポイントシュートを9本中6本成功させた。

「とても良いチームを相手に、激しい戦いになることは分かっていました。負けたらシーズンが終わる崖っぷちの中、みんなが持っている力を出し切らないといけないことは分かっていて、それをしっかりとやりきれたのは良かったです」

このように試合を振り返るリトルは、ゲーム1でも20得点を挙げており、チャンピオンシップに入って2試合続けてチーム最多得点を挙げている。レギュラーシーズンと1勝の重みがまったく違うことで、ポストシーズンは大きなプレッシャーがかかるものだが、リトルは「NBAでもプレーオフに出場しましたが、とても小さな役割でした(NBAでのプレーオフ成績は7試合、平均3.3分出場)。大きな役割を担ってポストシーズンを戦うのは、プロになって初めての経験なのでワクワクしていました」と大きなやりがいを持ってプレーしている。

ナシール・リトル

「誰が得点を多く挙げてもおかしくないのはこのチームの強み」

シーズン途中に加入したギャリソン・ブルックスは、ノースカロライナ大時代のチームメートだ。プロの世界で再び一緒に戦えることはモチベーションがより高まる要因となっている。「大学では一緒に多くの成功を収めることができました。そして、日本でも再び同僚となれることはとてもうれしいです」

そして勝負どころでの見事な活躍については「あまり考えすぎず、自然な動きに任せていました」と続ける。「これまで何時間もシュート力を磨き、試合で結果を出すために費やしてきました。失うものは何もないですし、自分のことを信じています。チームに勝つチャンスを与えられることは分かっていたので、何も恐れていませんでした」

また、ここに来て得点面がより目立っているが、彼が重視しているのはいかに勝利に貢献するかのみ。「このチームは、試合でシュートの調子が良い選手にしっかりとボールを回すことができます。昨日、今日はたまたま自分のシュートタッチが良かったですが、シーズンを通してディー・ジェイ(ホグ)の日だったり、(富樫)勇樹や(渡邊)雄太の日もありました。誰が多く得点を挙げてもおかしくないタレント力は、このチームの強みです」と、どんな役割でもチームの助けになることにプライドを持っている。

負けたらシーズン終了の中、千葉Jはここ一番でチームが1つにまとまって高い遂行力を発揮した。トレヴァー・グリーソンヘッドコーチも「特に最後の接戦の場面で、しっかりとハドルを組んでオフェンス、ディフェンスともに何をしないといけないか明確にしていました」と選手たちを称えた。「最後、みんなのバスケットボールIQは素晴らしかったです。しっかりナシールにボールを持たせるように、勇樹がみんなをまとめてくれました。お互いを信頼して、状況に応じて正しい選手にボールを任せられる部分で大きな自信を得ることができました」

シーズン途中はチームとして戦う姿勢が浸透せず苦しんだ時期もあった。それでも渡邊が復帰し、リトルのような上り調子の選手も出現と、逆境を一つ乗り越えた千葉Jは充実した状況で明日の『ゲーム3』を迎える。