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2026.09.24

大型補強に成功した茨城ロボッツ、ヴィック・ローの決意(後編)「常に希望を託せる、信頼される選手になりたい」

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ヴィック・ロー

茨城ロボッツの注目の新戦力であるヴィック・ローはファンとの深い繋がりを意識している選手だ。その姿勢は新天地でも変わらず、茨城をリーグ上位に導くだけでなく、地元のバスケットボール熱を高めたいと語る。そして、新ルールのオン・ザ・コート・フリーによる変化や外国籍選手が日本で活躍するために必要なカギについても持論を展開した。

「いろいろな形のピースになれることが自分の価値」

――Bリーグには年々、NBAや欧州での実績がある選手が加わっています。外国籍のレベルが上がっていく中でも3年連続MVPのD.J・ニュービル選手や去年までチームメートのジャック・クーリー選手、そしてあなたのように長年活躍できる選手たちもいます。Bリーグで活躍するためのカギはなんでしょうか?

Bリーグに適応するのは難しいことだと思います。初めて来た選手にとって週末の2日連続ゲームは過酷ですし、世界中を見渡しても、連戦を行うプロリーグは他にほとんどないです。また、Bリーグは外国籍選手にボールを集めて彼らに点を取らせるスタイルではなく、チームプレーを重視するバスケットボールです。日本人選手の才能や彼らが活躍することを重要視しており、それは素晴らしいことです。だからこそ、外国籍選手が『自分が主役で、すべてをやる』という意識でBリーグに来ると成功するのは困難です。

名前を挙げてくれた選手は、本人が望めば今でもユーロカップ、ユーロリーグでプレーできる実力があります。彼らは欧州でプレーできる能力を持っているにも関わらず日本を選びました。私もユーローリーグから日本に行く選択をした一人です。当時、千葉ジェッツがより良い条件を提示してくれたことも理由ですが、ユーロリーグの下のチームから這い上がっていくよりも、日本に行くほうが良い挑戦だと思いました。家族とも話し合い、代理人も「日本はこれから、より素晴らしいリーグになっていくから行くべきだ」と背中を押してくれました。この判断は完全に正しかったと思っています。

Bリーグには多くの優れた才能が集まっているので、戦うのが非常にタフなリーグです。このリーグに新しく来る選手が理解しないといけないのは、日本人選手のレベルも高いということです。年々実力は向上しており、新しいスター選手が生まれています。NBAで活躍する八村塁に河村勇輝、渡邊雄太に富永啓生など、日本のバスケットボール界はどんどん強力になっています。Bプレミアが始まることで新たな発見と課題が見えてきて、さらにハイレベルな選手が日本にやってくると思います。日本という国は本当に特別なんです。

――オン・ザ・コート・フリーになったことで、ご自身はナチュラルポジションでプレーできる機会が増えると考えていますか?

どうでしょうね。私の本来のポジションはどこだと思いますか?自分でもそれはわかりません(笑)。千葉Jの時はスモールフォーワードを中心に、ポイントガードもこなしていました。琉球での最初のシーズンは、純粋なビッグマンとしてパワーフォワードでプレーしていました。それが過去2シーズンはポイントガード、ウイング、ビッグマンとほぼすべてのポジションをやりました。だから茨城でも「私はこのポジションをやりたい」と主張する気はないです。例えばチームメートが「スモールフォワードをやりたい」と言えば、パワーフォワードに回ります。「パワーフォワードをやりたい」となった時はポイントガードをこなせるように、様々なタイプの選手たちと一緒にプレーすることができます。チームが一つのパズルとして上手く収まるために、いろいろな形のピースになれることが自分の価値だと思っています。

――オン・ザ・コート・フリーによって戦い方は大きく変わってきますか?

それはないと思います。茨城が特別なチームである一つの要因は、非常に優秀な日本人選手が揃っていることです。新加入選手も残留した選手もレベルが高く、これが他のチームと大きな違いを生む可能性があります。

オン・ザ・コート・フリーだからといって外国籍選手全員を60試合すべてで30分以上出場させる戦い方はあまりに負担が大きいです。何故ならシーズンはとても長く、過酷なスケジュールなので、勝ち残るためには常にヘルシーなチームでいる必要があります。外国籍選手を酷使しない試合が多くなればチームにとってプラスです。だからこそ優秀な日本人選手が集まった私たちは、プレータイムをシェアできる大きな強みを持っています。各選手にはどんどんプレーしてほしいので、私がベンチに下がる時は「頼んだぞ。次は君の番だ」と喜んで交代しますよ。

そして、このチームは対戦相手に応じて戦い方を変えられるロスターです。ヘナレヘッドコーチは非常にアグレッシブな戦術志向なので、自分たちが圧倒的なプレーをすることで、相手が自分たちに合わせざるを得ない展開を望むと思います。つまり主導権を握るということです。常に自分たちが先制パンチを放つことで、相手を窮地に追い込みたいです。「今日の相手は茨城だ。しっかり集中して戦わないとやられる」と警戒される存在になりたいですし、私たちが組めるラインナップは多種多様で、相手を驚かせると思います。

――最後に茨城ファンへのメッセージをお願いします。

ロボッツファンの皆さんとは、本当に特別な関係を築きたいです。水戸という街、長年にわたって愛されてきたコミュニティに私が深く根を下ろしたいと思っていることを知ってほしいです。ヴィック・ローという選手を見た時、単なる一人のプロ選手としてだけでなく、自分たちのホームタウンの象徴として親近感や繋がりを感じてもらえるようになってほしいです。ファンの皆さんに「彼こそが俺たちの代表だ」と感じてもらえるようになることが理想です。これこそ私が心から求めているモノです。ファンが私を信じ、私もファンも信じる。苦しい場面で「大丈夫、私たちにはヴィックがいる」と常に希望を託せる、信頼される選手になりたい。その責任を背負って戦うことこそが、すべてのバスケットボール選手にとって究極の夢だと思います。