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B.MAGAZINE

「スタッツで見るBリーグ」B1リーグの新星たち、若手ブレイクアウト選手特集

2025.11.26

その他

 

Bリーグにおける若手選手の台頭

 

ここ数年、若手選手(※1)のレベルアップが著しい。
りそなグループ B.LEAGUE チャンピオンシップ2024-25TOP4のチームを見ても、その存在感は明らかだ。最優秀新人賞を獲得し、チャンピオンシップでも大活躍を見せた脇 真大  23歳(琉球ゴールデンキングス)。高卒ルーキーでありながら富樫 勇樹の負傷をカバーした瀬川 琉久  19歳(千葉ジェッツ)。プロ3シーズン目と聞くと違和感すら覚える金近 廉  22歳(千葉ジェッツ)や高島 紳司  25歳(宇都宮ブレックス)。チャンピオンシップに入ってから出場時間を大幅に伸ばした根本 大(三遠ネオフェニックス)、小川 敦也(宇都宮ブレックス)——有望な若手選手の存在は、リーグ戦やポストシーズンを勝ち進むための必須条件になっている。

今回は、りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズンと比較して成長著しい選手(※2)を「注目の若手選手」として紹介したい。
※1: Bリーグで若手として分類されている25歳以下の日本人選手
※2: 執筆時点(4節7試合終了時点)でのスタッツを計測

「成長」をはかるスタッツ

 

出場時間、得点の他にPIEというスタッツを用いて成長をはかるスタッツとして利用したい。

PIEとは

 

選手が出場した試合において、試合への貢献度を数値化したもの。
その選手がもたらしたポジティブな結果が、チームにおいてどれくらいの割合かを計測。本来は試合ごとに計測するものですが、今回は出場した試合の総合計から算出している。

計算式:

(PTS + FGM + FTM - FGA - FTA + DREB + (OREB/2) + AST + STL + (BLK/2) - PF - TO) / (出場試合のPTS計 + 出場試合のFGM計 + 出場試合のFTM計 - 出場試合の全FGA計 - 出場試合の全FTA計 + 出場試合の全DREB計 + (出場試合の全OREB計/2) + 出場試合の全AST計 + 出場試合の全STL計 + (出場試合の全BLK計/2) - 出場試合の全PF計 - 出場試合の全TO計)

注目の若手選手pt1
飯尾 文哉  25歳(島根スサノオマジック)

 
 
  2024-25 2025-26
出場時間 12:27 22:45
得点 2 7.1
PIE 0.30% 5.60%
※りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン、りそなグループ B.LEAGUE 2025-26シーズン


ルーキーシーズンから過ごした大阪エヴェッサから、今季島根スサノオマジックへ移籍した25歳。60試合フル出場しているものの、スターター出場はわずか7試合だった昨季から一転、7試合出場中6試合でスターターを務めるなど存在感を高めている。

特に直近の横浜戦では30分近い出場時間を獲得し、勝利に貢献。左ウィングからの3Pシュートを除いた各スポットからのショット決定率も上昇している。

ゲームでは、カッティングやオフボールスクリーンからのペネトレイトなど駆け引き重視のプレイを得意とする。そこから繰り出されるリム周りのショットは驚異の決定率90%(10本/11本)を誇る。ターンオーバーがほぼ増えていない点も好印象である。

注目の若手選手pt2
小川 麻斗  24歳(京都ハンナリーズ)

 
 
項目 2024-25 2025-26
出場時間 8:56 18:56
得点 2.2 9.3
PIE 0.8% 9.5%


千葉ジェッツ所属時代から注目の若手選手として有望視されていたが、京都へ期限付き移籍した今季は飛躍のシーズンを迎えている。出場時間は10分増加、得点は4倍超、PIEに至っては10倍以上の伸びを見せる。アシストやスティールもそれぞれ2.9本、1.7本と大幅に増加している。

直近の越谷戦では26得点(2FG 50%、3FG 50%、FT 83%)、2スティール、ファウル0と、ポテンシャルを存分に発揮して勝利に貢献。

トップのピック&ロールから放たれる決定率41%のプルアップ3Pシュートは、対戦するチームにとって大きな脅威となるだろう。

注目の若手選手pt3
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア  22歳(サンロッカーズ渋谷)

 
 
項目 2024-25 2025-26
出場時間 9:25 17:10
得点 1.2 8.1
PIE 0.70% 11.12%


B1所属の若手選手88名中No.1のPIE伸び率を記録している、成長著しい22歳。昨季はそのディフェンス能力を買われ、守備を固める場面でエースキラーとしての出場が多かったが、今季は得点能力が著しく上昇している。

最も確率が高いスポットでも33%(2本/6本)だった3Pシュートは、試投数が多い両ウィングから50%近い決定率(10本/19本)へ急上昇。ポイントガードらしいボールハンドリングからのプルアップや、シューターさながらのオフボールスクリーンから繰り出す3など、バリエーションも豊富だ。

2ポイントシュートについても、比較的難しいエリアとされるアッパーペイント(ペイントエリアのフリースローライン側)で決定率85.7%と、リーグトップクラスの精度を誇る。

さらに特筆すべきは平均4.3本(リーグ17位)のアシスト。ジョシュ・ホーキンソンとのピック&ポップからペイントへ切り込み、ゴール下で待ち構えるビッグマンへのノールックパスやアリウープパスも注目だ。

最後に、ルーキーシーズンを迎える選手たちの中から注目選手を紹介しよう。

注目のルーキー選手
佐藤 涼成  22歳(広島ドラゴンフライズ)





7試合平均21分出場、9得点3リバウンド3アシスト。2FG 61.1%、3FG 48.0%と、まだ7試合ではあるが良い意味でルーキーらしからぬスタッツを残している。

175cmと小柄ながら、当たり負けしない強い体幹と、深い位置からでも3Pシュートを決め切る強心臓を持つ。細かいステップのヘジテーションドライブから繰り出されるフローターショットの決定率が高い点も、ハンドラーとして期待が持てる要素である。

文:しんたろう

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