駒田 彬人(天理大学)/インカレで評価上昇の関西屈指の司令塔、自慢のディフェンスでチャンスをつかめるか B.LEAGUE DRAFT 2026

日本バスケットボール界が大きな転換期を迎えるなかで開催される「B.LEAGUE DRAFT 2026」 。この舞台に立つ候補選手たちは、いま何を想い、どのような覚悟でプロへの扉を叩こうとしているのでしょうか 。本連載は、実績やデータだけでは見えてこない彼らの”等身大の声”に迫ります。度重なる苦難を乗り越えた不屈の精神や、チームのために徹した献身的な姿勢 。一人のアスリートとして、人間として歩んできたこれまでの軌跡と、新たなステージへの決意 。ドラフトという運命の日を目前に控えた、彼らの「現在地」を届けます。
駒田 彬人
こまだ・あきと/天理大学4年/174cm・71kg/PG/2003年8月17日(22歳)/津工業高校卒/三重県出身
※年齢はドラフト当日の2026年1月29日時点

「高校の同級生は大半が卒業と同時に就職していたので、僕もそもそも大学進学すら考えていないくらいでした」
今年度、天理大学でキャプテンを務めた駒田彬人選手はこう話し始めました。三重県の津工業高校出身で、3年時のインターハイ(2021年)ではベスト16入り。そもそもインターハイ出場自体が、津工業高校にとっては28年ぶりのことだったのですから、そのチームでキャプテン兼エースとして活躍した駒田選手が冒頭の言葉を口にしたことは意外でした。
それでも、天理大学から声がかかると1年時からAチームに振り分けられ、2年生になる頃にはスターターの座をつかみます。最初は「試合に絡めたらいいな」くらいの気持ちで活動していたところから、徐々に「思っていたより通用する。上のレベルでもやっていけるんじゃないか?」と思うようになり、高校で第一線を退こうと考えていた駒田選手はプロを目指すようになったのです。
駒田選手の強みはハードなディフェンスと、インカレ2025で何度もチームを救った勝負強さ。現在の天理大学は岡田渉監督が本格的に指揮を執り始めて4年。伝統のディフェンスを40分間フルコートで当たる運動量豊富なプレスへと昇華させ、今年度の関西大学バスケットボール1部リーグを14勝無敗で制しました。そのディフェンスの中心の一人が駒田選手だったのです。
ところが、高校時代の彼はどちらかというとオフェンス重視のプレースタイルだったと、駒田選手は振り返ります。
「高校まではとにかく自分がプッシュして行けたらそのまま行く。相手のにシュートを決められてもリスタートを速くして自分で攻める感じでした。平均20点くらいは取っていたと思います」
ディフェンスは天理大学入学後から磨き上げ、加えてオフェンス面でも「僕が入学した頃の天理大学はまだディレイオフェンスがメインだったので、高校のような速いトランジションというよりもハーフコートの頭を使うバスケに切り替えて、ゲームをコントロールするよりPGらしいプレースタイルになりました」と駒田選手。よりクレバーなプレーを選択できるようになったことは、プロを志す上で大きな助けとなるはずです。
特に昨年度ベスト4の名古屋学院大学と対戦した決勝トーナメント3回戦では、ゲームハイとなる23得点でチームを勝利に導きました。続く日本経済大学との準々決勝でも、敗れたものの同じく23得点。今大会の3試合で平均18.7得点、3P成功率50%(10本中5本成功)、2.7アシスト、1.3スティールの堂々たるスタッツを残しています。同大会で大きく評価を上げた選手の一人と言っていいでしょう。
高校時代の彼は、全国的には無名の選手でした。しかし、大学で鍛錬を積んで最後のインカレで花開く──関東1部に所属する大学の選手が多くの注目を集める中、数少ないチャンスで自らの存在をアピールした駒田選手。インカレを戦う中で、強度の高いディフェンスを相手にしても落ち着いてゲームメイクができたことで、オフェンスでも、自信を深めました。

もし「B.LEAGUE DRAFT 2026」で指名を受けたなら、オフェンスをより伸ばしつつ、やはり大学で磨いたディフェンスを武器にプロキャリアを歩んでいきたいと意気込みます。
「オールコートで当たるディフェンスは天理大学の持ち味であり、僕が4年間いてきた部分でもあります。ディフェンスは気持ちでやる部分が大きいので、シュートのような調子の波もありません。プロ選手になることができたら、ディフェンスから流れを作って、オフェンスでは自分の持ち味であるピック&ロールなどで貢献できるようになれたらいいなと思います」
天理大学の先輩には、日の丸を背負って活躍する佐々木隆成選手(三遠ネオフェニックス)や川真田紘也選手(長崎ヴェルカ)といった偉大な選手がいます。彼らのように、天理大学からトップレベルの選手となるべく、駒田選手の挑戦は続きます。
