【レポート】シーズンを締めくくる「B.LEAGUE AWARD SHOW 2023-24」が開催…宇都宮ブレックスD.J・ニュービルが初のMVP受賞
アワードに登場した出席者たち【(C) B.LEAGUE】
5月31日、新宿住友ビル三角広場にて『ON OUR WAY ~興奮、そしてその先へ~』をテーマにした「B.LEAGUE AWARD SHOW 2023-24」が開催。リーダーズや個人賞などの受賞者が発表されました。
初優勝広島のミリングHCが「勝ちじゃけぇ!」を披露
アワードでも喜びを露わにした【(C) B.LEAGUE】
MCの呼び込みで、セミフォーマルな衣装に身をまとった選手たちが続々と会場入り。挨拶を務めた島田慎二チェアマンがシーズン振り返りと感謝の思いを伝えると、「選手だけではなく、コーチやチームスタッフ、フロントスタッフ、レフェリー、マスコット、チアリーダーといったBリーグを支えたすべての仲間たちを讃えるアワードです。最後まで楽しんで、お付き合いいただければと思います。よろしくお願いします」との言葉でスタートしました。
トップバッターは年間優勝と最優秀ヘッドコーチ賞。琉球ゴールデンキングスとの「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24」を制した広島ドラゴンフライズのメンバーが登壇すると、日本バスケットボール協会三屋裕子会長からキャプテンの#2朝山正悟選手に優勝トロフィー、島田チェアマンからカイル・ミリングヘッドコーチに記念品が贈呈されました。今シーズン限りで現役を退く#2朝山選手が「こんな最高の終わり方はないと思います。最高の仲間たち、最高のファン・ブースターの皆さんとあの景色を見られたことがとにかく幸せでした」と語ると、ミリングHCからはお馴染みの「1・2・3・勝ちじゃけぇ!」という言葉も飛び出しました。
見ている人のココロをたぎらせる活動や、結果を残した個人や団体などに贈られる『ココロ、たぎる。賞』は千葉ジェッツ#2富樫勇樹選手。「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」ではキャプテンとして日本代表をけん引し、千葉Jでは「第99回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会」と「EASL 2023-24シーズン」の2冠に貢献しました。「個人として受賞させていただきましたが、チームメート、ブースター、スタッフと助け合ってこそだと思います。僕が代表として受け取りますが、今シーズンの千葉ジェッツはタフなシーズンを戦い抜きました。皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございます」と話しました。
フィリピン出身の三遠ネオフェニックス#0サーディ・ラベナ選手が今シーズンから新設された『アジア特別賞』を受賞。「まずはBリーグファンの皆さんに感謝を申し上げたいと思います」と口にし、「このような素晴らしい賞をいただき、本当に光栄に思っています。次に自分の家族にも感謝の気持ちを伝えたいです。家族のサポートなくしては、自分がこのようなパフォーマンスをすることは不可能だったと思います。また、自分を支えてくれたチームメートの皆さん、三遠ネオフェニックスというチームに来て4年間、今シーズンだけではなく、多くの場面で助けていただきました。最後に神にも感謝の気持ちを申し上げたいと思います。本当にありがとうございました」と述べました。
B1リーダーズの表彰を終えると、次は『B2レギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)』選手の発表。レギュラーシーズン56勝4敗で、Bリーグ最高勝率を更新したアルティーリ千葉において攻守両面で活躍した#21ブランドン・アシュリー選手がB2MVPを獲得しました。
VTRを通じて「これほどの賞をいただけたことは大変光栄です。自分が受け取るにふさわしいと100パーセント感じられていないのが正直なところです」と率直な思いを語りつつ、「素晴らしいチームとスタッフに恵まれたことの結果だと思うので、彼らも一緒に受賞したという気持ちです。私やアルティーリ千葉を応援してくださったすべての方に感謝しております」とコメント。「自分たちの目標には届かなかったですが、レギュラーシーズンでの56勝というのは誇るべきことだと思います。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします」と続けました。
アルバルク東京のルークが悲願の初受賞
マスコットの頂点に立ったルーク【(C) B.LEAGUE】
『B.LEAGUE MASCOT OF THE YEAR』にはトップ3に入った千葉ジェッツのジャンボくん、アルバルク東京のルーク、川崎ブレイブサンダースのロウルが会場に登場。ファン投票、選手投票、メディア投票、他マスコット投票の4つを独占したルークが初受賞を飾りました。
『フェアプレー賞 presented by 日本生命』はB1が信州ブレイブウォリアーズ、B2は越谷アルファーズ。越谷#8長谷川智也選手は「自分たちのチームは(安齋竜三)ヘッドコーチを筆頭に、ガラの悪いメンバーがそろっているので、この賞をいただいて大丈夫かなと思いました」と会場の笑いを誘いつつ、「厳選なる審査のもとで僕たちが選ばれたので、胸を張ってこの素晴らしい賞を持ち帰りたいと思います。ありがとうございました」と挨拶しました。
また、信州#11石川海斗選手は「僕たちのチームはフェアプレーを目指していて、HCから『テクニカルファウル、アンスポーツマンライクファウルをするな』と怒られることがあるので、このような賞をいただけたのかなと思っています」と明かし、「来シーズンはカテゴリーが変わってしまいますが、B2から最短で昇格できるように頑張っていきます。信州ブレイブウォリアーズの応援をよろしくお願いします」と意気込みを語りました。
『「バスケットLIVE」 On Fire大賞』は宇都宮ブレックス#6比江島慎選手、熊本ヴォルターズ#3山本翔太選手がともに初受賞。所属チームとのダブル受賞を果たしました。熊本#3山本選手は「今シーズンもバスケットLIVEをとおしてたくさんの応援ありがとうございました。皆さんの応援があったからこそ、このような素晴らしい賞をいただくことができ、大変うれしく思っています」とコメントし、「来シーズンは今シーズンよりもさらにステップアップし、ファンの皆さんに元気や勇気を与えられる選手になりたいと思います。今日はありがとうございました」と、応援を力に変えて高みを目指します。
#6比江島選手は「ファンの皆さんの支えがあることを実感する賞です。本当にありがとうございます」と感謝の思いを述べ、「もっともっと応援したくなるような、愛されるようなチームを目指していきたいと思います。引き続き、応援のほどよろしくお願いします」とメッセージを送りました。
『B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便』のパートでは、Bリーグのユニフォームを着用した日本郵便オリジナルキャラクターのぽすくまが登場し、月間MVPに選出された選手たちのハイライトをチェック。2月、3月と、初めて2カ月連続受賞を果たした宇都宮#25D.J・ニュービル選手がピックアップされると、会場から大きな拍手が起こりました。
日本バスケットボール界をけん引した2人がコートに別れ
今シーズン限りで引退する2人が功労賞に【(C) B.LEAGUE】
『功労賞』はレバンガ北海道#11桜井良太選手、川崎ブレイブサンダース#22ニック・ファジーカス選手の2人。所属チームだけではなく、日本バスケットボール界全体に大きな影響を与えた2人が会場に姿を見せると、温かい拍手が送られました。プレゼンターとして群馬クレインサンダーズ#7五十嵐圭選手、群馬#9辻直人選手がサプライズ登場。今シーズン限りでコートを去る2人に労いの言葉を掛けました。
#11桜井選手は「636試合連続出場だけが残せたものだと思っています。丈夫な体に産んでくれた両親、そしてバスケットボールに集中できる環境を作ってくれた家族、いい時もそうでない時も支えてくれたブースターやスポンサーの方に感謝したいと思っています」などと話し、優勝チームとして会場に駆けつけていた#2朝山選手へ「本当にお疲れさまでした。優勝おめでとうございます」とメッセージ。12年間にわたって日本でプレーし、日本国籍も取得した#22ファジーカス選手は「本来であれば30分くらいのスピーチで皆さんに感謝を伝えたいところですけど、そこまで話すと(通訳への)負担がすごいので、今日は手短に済まさせていただきます」と言い始め、次のように続けました。
「集まってくれてありがとうございます。辻選手も足を運んでくれてありがとうございます。彼とは日本バスケ界を変えてきたと思いますし、彼のことを相棒だと思っています。彼がいなければ、今の自分はいないと思います。2人で築けたのは本当に特別だったと思います。いろいろな人と話して、『ニック、日本バスケを変えてくれてありがとう』というコメントを多くいただきました。この国にバスケの熱を入れられたことは良かったと思います。日本バスケの歴史の一部になれたことをとても光栄に思います」
B.HOPE活動の紹介では、金沢武士団#11田中翔大選手が登場。能登半島地震が及ぼした影響に触れ、「地域の方々の後押し、リーグ関係者、ファンの皆さまのご支援、ご声援のおかげでリーグに復帰することができました。この場を借りて感謝を申し上げます。感謝の気持ちを忘れず、これからも頑張っていきます。引き続き、応援よろしくお願いします」と、チームを代表して謝意を伝えました。
宇都宮#25D.J・ニュービル選手が初のMVP受賞「Bリーグの皆さんに感謝したい」
B1最高勝率の宇都宮をけん引した【(C) B.LEAGUE】
「Bリーグはすごい盛り上がりだったと思います。記録だけではなく、記憶に強く残った選手を讃えたいと思います」と話したのは、『レギュラーシーズン最優秀インプレッシブ選手(MIP)』コーナーでキャストを務めた元サッカー日本代表の大久保嘉人氏。受賞選手として名前を呼ばれた滋賀レイクス#99川真田紘也選手は「この賞は、自分1人では取れなかったと思っています。これからもオンコートでもオフコートでも皆さんを魅了して、頑張っていきたいと思います。これからもワイワイして、このBリーグを盛り上げたいと思うので、これからもお願いしま~す!」と、ユーモアを交えて語りました。
サンロッカーズ渋谷#9ベンドラメ礼生選手が『ベストタフショット賞 presented by G-SHOCK』を獲得。G-SHOCKの『MRG-B2000B-1A4JR』も贈呈されました。「今シーズン最もタフで、難しいとされるシュートを決めたベンドラメ礼生です」と挨拶すると、「『私の推しのほうがタフなシュートを決めた』とか『私の推しのほうがカッコいいシュートだった』と思う方もいると思うので、皆さんの気持ちも受け止めて、今日はその代表としてこの賞を受け取りたいと思います。推しの次でいいので、僕のことを推していただけるとうれしいです」と、#9ベンドラメ選手ならではの言葉を残しました。
これまでとは異なり、“レギュラーシーズンTOP10”として『レギュラーシーズンベストファイブ』、『レギュラーシーズンセカンドチーム」を選出。宇都宮#6比江島選手、宇都宮#25ニュービル選手、千葉J#2富樫選手、横浜ビー・コルセアーズ#5河村勇輝選手、島根スサノオマジック#2ぺリン・ビュフォード選手がベストファイブに名を連ねました。
最後は『レギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)』の発表。24人のHC、48人のメディア記者、303人の選手の投票によって、宇都宮#25ニュービル選手がMVPに決まりました。宇都宮のケビン・ブラスウェルアソシエイトコーチ、宇都宮#0田臥勇太選手、川崎#0藤井祐眞選手、長崎ヴェルカ#18馬場雄大選手からのメッセージVTRを見届けた宇都宮#25ニュービル選手は、白い歯を見せながら喜びの声を口にしました。
「Bリーグの皆さんに感謝したいと思います。自分がより良い選手になるために、常にプッシュしてくれましたし、シーズンをとおして温かいサポートをしていただきました。コーチ陣、チームメート、スタッフのみんなが今シーズン初日から、チームメートとして温かく迎え入れてくれたことを感謝しています。個人の賞ではなく、チーム全体で勝ち取った賞だと思いますので、チームや関係者の皆さんに感謝したいですし、ブレックスネーションの皆さんにも感謝したいと思います」
笑いあり、涙ありのアワードを終えるとともに、2023-24シーズンの幕を閉じました。
取材・文=バスケットボールキング