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「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25 GAME2試合後会見」琉球が"逆王手" 若手の台頭と修正力を語る/宇都宮は"リバウンドの差"を悔やむ

2025.05.26

B1チャンピオンシップ

【(C) B.LEAGUE】

 

修正と覚悟、勝つのはどちらか、1勝1敗で運命のGAME3へ

 

5月25日、横浜アリーナで「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-25」GAME2が行われ、4Qに11-24というビッグクォーターを作った琉球ゴールデンキングが75-87で宇都宮ブレックスに勝利。逆王手をかけた。本稿では両クラブの試合後会見の模様をお届けする。

 

琉球ゴールデンキングス

 

若きXファクターが躍動。荒川&脇が変えた流れ。

 

【(C) B.LEAGUE】

 

——桶谷HCに質問です。素晴らしい逆転劇を振り返って下さい。

桶谷HC「出だしはかなりフラストレーションの溜まるゲームでした。その中で、選手が冷静に対処しながら何とか一桁差で前半を終われました。そこは僕たちにとってかなり大きかったなと思います。点差は離れた時もあったんですけど、一桁に戻して耐えたりしたところが、特に相手にプレッシャーがかったと思います。点数を返しながら試合できたところ、あとは(荒川)颯がビッグショットを決めてくれて、一気に流れがこちらに来たところもあるんで、前半を耐えてくれた選手を褒めてあげたい。そういうゲームでした。」

——続いて脇(真大)選手、(ジャック・)クーリー選手に質問です。後半の素晴らしいフィジカルバスケに繋がった要因をどう考えていますか?

脇「ハーフタイムに佐々(宜央AC)さんが結構、色々なこと言ってくださいました。まず、まだまだ行けるぞという声がけをしてもらって、全員がしっかり(後半の)出だしから入れたので、エナジーが出せたところは、良かったなと思います。」

クーリー「脇選手が言ってくれたようにハーフタイムで、佐々コーチが非常にパッションを出してくれましたし、エナジーにつながりました。コーチ陣も自分たちと同じくらいハードワークしているので、この試合は自分たちにとって85試合目になると思うんですけど、今までやってきたことを後半で出せたことがこの結果に繋がったと思います。」

――桶谷HCに質問です。セミファイナルでも逆王手をかけて3戦目に向かいました。改めて最終戦にどんな試合をしたいかをお聞かせください。

桶谷HC「1日空きますが、自分たちが今日の後半作った流れを忘れずにやりたいですね。ちょっとしたことだったと思うんですけど、プレッシャーリリースとかを、しっかりみんなが頑張ってやってくれました。ビッグマンもハーフコート(オフェンス)でもピックかけて、リバウンドに入ってとか、本当にみんながハードワークしてくれたから、この結果になったんです。また出だしからみんなで、そうやっていけるようにしたいなと思います。」

【(C) B.LEAGUE】

 

――脇選手に質問です。本日、インサイドアタックが印象的でした。特に72点目、勝ち越したレイアップについてはどんなことを考えていましたか? 結果的にそれ以降、逆転を許さない展開になりました。

脇「まずギャビン(・エドワーズ選手)が対応に来ることは分かっていたので、一回ストップしてみようと思って、その時に自分のラインが見えたので、狙えると思いました。こういうゲームで、やっぱビッグショットを決めるというのも、僕は結構好きなので強気にプレーしましたし、そこから流れが変わって、本当良かったなと思っています。」

――桶谷HCに質問です。昨日のGAME1もそうですが、負けた後に落ち着いている感じが印象的でした。意図的に振る舞っている部分もあるのでしょうか?

桶谷HC「そうですね。そういうことは考えてなかったんですけど、昨日の試合はなかなか自分たちに流れが来ることがなく試合が終わってしまいました。あと一歩というところで決めきれなかったところもあったんで、今日はそういう場面を作れるんじゃないかなというところはありました。今日は今日のバスケになると。昨日、自分たちはずっと劣勢で10点ぐらいずっとリードされていたが、そういう状態でも、3Pシュートも入るし、フリースローも入る。(これまでの)数字は嘘を付かないと思っていたので、接戦に持っていけば勝機があると思っていました。
プレッシャー下ではうちは1番のチームだし、彼らは24番くらい。3Pシュートに関しては彼らの方が持ってるんですけど、簡単に打たせなかったり、接戦だったら成功率も落ちるはずなので、そこら辺をちゃんとしたら、勝機があると思っていました。あとはもう、ね、バスケットボールなんでね。昨日は小川君がXファクターになったけど、今日は荒川がXファクターになってくれた。分からないですよ。僕らがコントロールできることは限られていて、運の部分は分からない。でもやり続けた時に運は出てくると思うんです。覚悟もあるかもしれない。自分たちがやるべきことはやるというマインドでいます。」

――桶谷HCに質問です。D.J・ニュービル選手に対して、日本人がマッチアップしている時間が長かったと思います。その意図と効果を教えてください。

桶谷HC「マッチアップは昨日、ニュービル選手のところは、ヴィック(・ロー選手)にずっとやらせていました。そのピック&ロールのディフェンスを少しいじりたくて、日本人選手を付けました。逆に比江島選手のところは反対に外国籍選手を付けて、ちょっと変化を加えようとしていました。あとはゲームを通して3ビッグはあまり機能していなくて、ビッグを4枚出すほうがチームとしてうまくいっていたのでおのずと日本人選手がニュービル選手に付かなければいけないところはあったと思います。ただ、最後、どこかのタイミングではヴィックが付かなければと思っていたので、本当に終盤にニュービル選手に付けたところはありました。結果論ですけどね。ちょっと変化を与えながら、終盤まで持っていけたらいいなと思っていて、それがうまくいったかなと思います。」

――3Q序盤のオフェンスが素晴らしかったですが、どんな意識を持って臨んでいたのでしょうか?

脇「3Q最初のところは、僕のところでピックのズレだったりができていて、ウチの強みであるジャック(・クーリー選手)やアレックス(・カーター選手)のところが結構空いていたので、そういったところのセットをコールしてヴィックと結構話をし合って、今これをやろう、あれをやろうという感じでした。僕一人ではまだ経験不足なので、ヴィックに結構聞いて、やっているので、頼りにしていますし、GAME3もしっかりやっていきたいなと思います。」

【(C) B.LEAGUE】

 

――桶谷HCとクーリー選手に質問です。セミファイナルと同じく初戦で負けてGAME2を取りました。修正力の高さは、コーチのスカウティングの努力というところが強いと思いますが、いかがでしょうか?

桶谷HC「佐々が来てくれたおかげだと思いますね。策を提供してくれるだけでなく、やっぱりバスケはファンダメンタルだよねというところも気づける。そういった部分でバランスをしっかり取りながら、今日何やろうというのを、伝えてくれるというのは、修正力に繋がっているかなと思います。できてない部分だけじゃなくてね、いい部分をしっかり話してくれるので、選手がモチベーションを上げてプレーできるっていうところも、今シーズンのいいところかなと思います。」

クーリー「僕たちには非常に優秀なコーチングスタッフがいて、試合をしっかり分析して、僕たちに何をすべきかを的確に伝えてくれます。そして、選手たちもその話をよく聞き、しっかり対応できていると思います。今はとにかく一生懸命プレーすることが大事です。たくさんの試合をこなしてきましたし、これからの鍵は『どちらがより勝ちたいか』だと思います。コーチたちも『本気で勝ちたい気持ちがあれば、勝てる』と言ってくれていて、それが今、僕たちがしっかり取り組んでいることです。それができていることを誇りに思っています。」

――チームバスケを重視している琉球の中で、荒川選手や脇選手といった若手が大舞台で個人技を見せました。桶谷HCはどう感じているのか、またどんな声かけをしているかを教えてください。

桶谷HC「ごめんなさい。特に話をしていないです(笑) 僕が個人的に脇、荒川にも話はしていないです。僕は人を出すことで、それが彼らにとって、一つ意思決定だと思ってくれている。コートに入った時に自分で何をしたらいいかを考えてプレーをしてくれていると思うので。あとはプレーコールで自分の番だなということも分かると思います。脇の得意なプレーだったり、荒川の得意なシュートというのは織り交ぜてやっていたりするので、みんながやるべきことを分かってくれていると思います。
正直、チームバスケだけでは勝てないんですよ。ある程度、個性も引き出し合って勝っていって、初めてチームになるし、それがプロバスケだと思っているので。まぁ脇も色々コーチに怒られながら、失敗もいっぱい重ねて、今日は85試合目なんで。荒川もそうです。そこは個人技に見えるかもしれないですけど、実は二人の鉄板だったりする部分があったりするので。今日の荒川の3Pシュートについて"打つなよ"と誰も思っていないです。逆にこれはレギュラーシーズンやって決めてきたねというプレーなので、そういった意味で、みんなが納得できるプレーだと思っています。」

 

宇都宮ブレックス

 

比江島慎「気持ちの強い方が勝つ」、GAME3へ闘志燃やす

 

【(C) B.LEAGUE】

 

――コロネルHC代行にお伺いします。後半厳しいゲームになってしまいました。試合の感想をお願いします。

コロネルHC代行「試合について本当の気持ちは正直言えません。37-23で最大のリードを奪ったあたりまでは良かったんですが、そこから何が起きたかは皆さんが見た通りです。でも、本音は言えません。相手は自分たちの強みを発揮して、特にオフェンスリバウンドで圧倒しました。その点は琉球を称えるべきです。これで1勝1敗、すべては最終戦にかかっています。」

――比江島選手、小川選手にお伺いします。同様に後半をどう受け止めているのか、劣勢に立った要因をどう考えていますか?

比江島「今日に関してはリバウンドに尽きると思っています。琉球の強みをやらせてしまいました。ディフェンスのところでローテーションのミスだったり、気の緩みだったり、一瞬でも隙を見せてしまったところで確実に決められました。そういう細かいところをもう一回修正しないといけないので、昨日みたいな集中力をもう一回、次のゲームに持っていければいいかなと思います。」

小川「(比江島選手が)おっしゃった通り、試合を通してリバウンドを取られてしまったのと、後半、自分が出た時にヴィック・ロー選手に3Pシュートを決められてしまいました。ファウルが溜まっていないことは把握していたのでファウルで1回切ったりするなど細かいところを突き詰めないと、なかなか勝つことはできないと思います。リバウンドのところだったり、そういう細かいところをGAME3では突き詰めたいなと思います。」

――小川選手にお伺いします。昨日の会見では「GAME2を取ったほうが優勝するくらいの気持ちで」とおっしゃっていましたが、GAME3へ向けて、いかがですか。

小川「もう負けてしまったことに変わりないので、1勝1敗で最後はもう優勝をしたいっていう気持ちが強い方が勝つと思います。気持ちの面で勝っていきたいと思います。」

――コロネルHC代行に質問です。GAME3に向けて意気込みをお願いします。

コロネルHC「言うまでもないことですが、GAME3がすべてを決めます。自分たちは最高の努力、最高の集中力、そして最高の遂行力で臨みます。ビッグプレーを決めたほうが、チャンピオンになるでしょう。」

――先ほど選手2人からリバウンドという単語が出ました。昨日も本数では負けていたのですが、どのような違いがあるでしょうか?

コロネルHC代行「正確なスタッツが手元にないのですが、今日の試合では、こちらが42本シュートを外して、そのうち相手が22本のリバウンドを取っていました。つまり50%を超えているわけです。昨日はそんな数字じゃなかったです。今日の後半は特に高い割合でリバウンドを取れていましたが、最終的に相手のオフェンス・リバウンドの確率は38~40%くらいだったと思います。この差はとても大きいです。例えば、こちらが62%のリバウンドを取るのと、48%しか取れないのでは、まったく違うゲームになります。」

【(C) B.LEAGUE】

 

――比江島選手、優勝が決まるGAME3ではどんなメンタルで臨むべきだと思いますか?

比江島「お互いの差は本当にないと思っているので、どれだけ勝ちたい気持ちがあるかというところです。メンタルの部分は本当に大部分だと思うし、今日のインテンシティは多分相手の方が上回っていたと思います。そこを上回ること。戦略などは素晴らしいコーチたちが修正してくれるはずです。本当に気持ちをしっかり前面に出して、やっていければいいかなと思います。」

――比江島選手、昨日のヒーローインタビューで「オフェンスでも貢献したい」と話されていましたが、実際は練習では良かった一方で、試合の勝負どころでは決めきれない場面もありました。琉球のディフェンスの影響もあると思いますが、ご自身ではその要因をどう分析されていますか?メンタル面や身体のコンディションなど、感じていることがあれば教えてください。

比江島「それが分かってたら試合中に修正できるんですけど、ケビン(ブラズウェルHC)も本当に打ち続けろと言ってくれていました。自分を信じて打ち続ければ、必ず入ってくると思います。打ったシュートは全部悪くないシュートだったし、チームとしても打っていいという指示を受けているので、1日空いてリフレッシュできる時間ができるので、ポジティブに捉えてしっかり準備したいなと思います。」

――試合中、ケビンコーチ(ケビン・ブラスウェルHC)の写真を見るシーンもありましたか?

比江島「そうですね。ハーフタイムとか、一回気持ちを切り替えるために。見ることはあります。」

コロネルHC代行「ちょっと補足させてもらうと、KB(ブラズウェルHC)は慎(比江島)のことを『コービー(Kobe)』って呼んでいました。だから、僕たちは彼と一緒に突き進んでいくつもりです。たとえ彼が25本打って1本しか決められなくても、それで全然OKなんです。彼がアタックし続けるなら、僕たちは全員が彼を信じています。KBが彼を『コービー』と呼んでいたのには理由があるし、ものすごい称賛の意味です。慎はGAME3で絶対に大きな存在になりますよ。」

――比江島選手に質問です。GAME3に臨むにあたって、楽しみみたいなものが強いのか、それとも緊張なのか。どういう心境でしょうか。

比江島「昨シーズンのチャンピオンシップ(※)の千葉ジェッツ戦では、どちらかというと、チームとしてプレッシャーを感じてしまっていた部分が結構あったなと思っていて。でも今回のセミファイナルだったりでは、ケビンが日頃から言っていた『楽しんでプレーしてほしい』という言葉を思い出していて、多分、色々なプレッシャーを感じて硬くなってしまっていた部分を感じ取っていたと思います。ファイナルの第3戦というシチュエーションで試合ができるのは、本当に幸せなことだと思っているんで。そこはプレッシャーを全く感じる必要はないし。お互い勝った方が優勝なので、できるだけ楽しんでやっていければいいなと思います。自分たちは明るいチームだと思うんで、そこはしっかりやっていきたいなと思います。」
※日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24

【(C) B.LEAGUE】

 

――コーチおよび両選手に質問です。GAME2の終盤、オフェンスの動きが少し止まったように見えましたが、その要因について伺いたいです。昨日は素晴らしいボールムーブメントで24アシストを記録しましたが、フィジカルに激しく戦う琉球相手に、リバウンドなど含めて終盤のオフェンスの停滞に影響があったのでしょうか?その点についての見解をお願いします。

コロネルHC代行「確かに、終盤に停滞があったことは認めます。試合は70-72、残り5分というところが正に分かれ道でした。どちらに転んでもおかしくない状況で、相手は素晴らしいディフェンスで止めてきたし、ビッグプレーも決めてきました。ジェームズ・ネイスミス博士がバスケットボールを発明したとき、それは『フットボールのような激しさではなく、美しい動きとボールの回し合いを大切にするスポーツ』だったんです。私たちは、そうしたスタイルを目指してプレーしています。だからこそ、自分たちのスタイルを貫き、琉球のスタイルに巻き込まれないようにしたいんです。私たちは"美しいバスケットボール"をしたいです。」

――試合終盤のオフェンスの停滞に、相手のフィジカルの強さはどれくらい影響していましたか?

コロネルHC代行「そうですね、間違いなく影響しています。さっきも言いましたけど、本音は言えません。ただ、僕たちは37-23でリードしていて、試合の流れは完全にこちらにありました。そんな中で、D.J.ニュービルがボールを外に出した場面があって、彼はまるで自分で勝手にアウト・オブ・バウンズしたように見えました。あのフィジカルなプレーは間違いなく試合に影響を与えました。」

比江島「やっぱり終盤はこういうフォーメーションをやろうと言った時に、ちょっとスペーシングがすごく悪かったと思うし、スクリーンもなかなか遂行力がなかったと思います。正直、DJ(ニュービル)に結構頼りきってしまっていて。僕もそうですし、全選手だと思いますけど、ボールに絡んでボールを動かしてというところで、どこに僕らのアドバンテージがあるかを、もう一回見つめ直さないといけないと思います。相手もディフェンスでプレッシャーはかけてきたんですけど、もう一回、自分も含めてボールに絡んで、ボールを動かしてというのをやっていければ、GAME1のようなボールムーブメントでいい形で打てると思うので課題としたいなと思います。」

小川「今、マコさんもおっしゃったんですけど、やはりDJが来ることは琉球も熟知していると思うので、例えば昨日みたいに、自分たちが使ってからDJに自由にプレーさせることだったり、DJが攻めたり、自分たちが攻めたりという動きがあると違うと思います。今日は、いいリバウンドが取れなかったこともありますが、そこからオールコートを使った速い展開のバスケットがなかなかできなかったです。いいリバウンドから、速攻に繋げてというオールコートを使ったバスケットボールをしたいなと思います。」

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