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Playback B.LEAGUE|日本バスケ新時代の幕開け…熱狂の“B.LEAGUE元年”【2016-17】

2025.08.06

選手

日本バスケットボール界に新たな歴史を刻んだ2016-17シーズン【(C)B.LEAGUE】
 

「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 シーズン」、B.LEAGUEは大きな節目となる10シーズン目を迎える。日本のバスケットボール界に新たな歴史を刻んだあの日から、早くも9つのシーズンが過ぎ去った。熱狂のチャンピオンシップ、語り継がれる名勝負、スター選手の誕生、そして地域に根差したクラブが紡いできた数々のドラマ。この連載では、10年目の未来へとつながるBリーグの軌跡を、シーズンごとに紐解いていく。今回は、すべての始まりとなった「B.LEAGUE 2016-17シーズン」の激闘を振り返る。

 B1レギュラーシーズン:華々しい1stシーズン開幕…熾烈を極めたチャンピオンシップ争い

 
記念すべき開幕戦ではA東京と琉球が対戦【(C)B.LEAGUE】
 

 既成概念を打ち破り、バスケットボール文化を日本に根づかせる。そんな思いを込めたスローガン「BREAK THE BORDER」を掲げてスタートしたB.LEAGUEの1stシーズン。アルバルク東京と琉球ゴールデンキングスによる記念すべき開幕戦は、世界初となる公式戦での全面LEDコートが使用されるなど、その華やかな演出でも大きな注目を集めた。そしてもちろん、コート上では初代チャンピオンの称号と8枠のチャンピオンシップ進出権を巡り、レギュラーシーズンを通して熾烈なサバイバルレースが繰り広げられた。

 東地区では栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)、アルバルク東京、千葉ジェッツが三つ巴の激しい上位争いを展開。頭一つ抜け出していた栃木は、最終節直前の第31節にA東京との直接対決を3点差で制し、地区優勝を達成。千葉Jは終盤に怒涛の9連勝を見せてA東京と勝率で並ぶも、直接対決の成績によりA東京が2位でフィニッシュ。千葉Jはワイルドカード上位でB.LEAGUE チャンピオンシップ 2016-17に進むこととなった。

レイカーズでプレーしたサクレのSR渋谷加入は大きな話題となった【(C)B.LEAGUE】
 

 一方、中地区では川崎ブレイブサンダースがニック・ファジーカスの圧倒的な得点力を武器に首位を独走。4月1日に行われた第26節GAME1で横浜ビー・コルセアーズとの“神奈川ダービー”に勝利し、早々に地区優勝を決めた。終盤までもつれ込んだのは三遠ネオフェニックスとサンロッカーズ渋谷による2位争い。NBA通算391試合出場のジョシュ・チルドレスを中心に好成績を収める三遠に対し、こちらも元NBA選手のロバート・サクレ加入でシーズン中盤から勢いを増したSR渋谷。最後は三遠が1勝差でかわし、2位でチャンピオンシップ進出へ。SR渋谷はワイルドカード下位でチャンピオンシップに臨むこととなった。

 西地区は桜木ジェイアールや比江島慎、金丸晃輔らタレント軍団を擁したシーホース三河が他を圧倒。3月26日にはリーグ最速で地区優勝を飾った。残された西地区2位の座は琉球と大阪が争う形となり、決着は最終節の直接対決までもつれ込むことに。ホームの大声援を背にした琉球は、岸本隆一らの活躍で劇的な2連勝を飾り、最終節で逆転チャンピオンシップ進出というドラマチックな結末を迎えた。

 

チャンピオンシップ:栃木が初代王者に! “日本バスケ界の顔”田臥勇太に新たな栄冠

 
初代B.LEAGUE王者の栄冠を手にした栃木ブレックス【(C)B.LEAGUE】
 

 東地区から栃木、A東京、千葉J、中地区から川崎、三遠、SR渋谷、西地区から三河、琉球が進出したチャンピオンシップ。その頂点に立ったのは東地区1位の栃木だった。

 栃木は千葉Jとのクォーターファイナルを2連勝で突破。三河とのセミファイナルは2試合では決着がつかず、10分間のGAME3に突入。最後はライアン・ロシターの連続得点で競り勝ち、ファイナルへと駒を進めた。

川崎は栃木をあと一歩のところまで追い詰めた【(C)B.LEAGUE】
 

 一発勝負のファイナルでは川崎と対戦し、ファジーカスや篠山竜青、辻直人を中心としたオフェンスに苦戦。第3Q終了時点で4点ビハインドとなるも、勝負の第4Qでジェフ・ギブスが圧巻のパフォーマンスを披露。この10分間だけで16得点を奪う大活躍で逆転劇を演出し、85-79で栃木がB.LEAGUE初代王者の栄冠を手にした。長年日本バスケ界を牽引してきたキャプテン・田臥勇太が、満員の観客の前でトロフィーを掲げた瞬間は、リーグの歴史的なワンシーンとなった。

 また、チャンピオンシップMVPには6試合で1試合平均11.3得点を挙げ、ファイナルでは21得点をマークした栃木の古川孝敏が選出された。

昇降格:西宮と島根がB1昇格…B1残留プレーオフでは川村卓也の劇的逆転弾が誕生

 
初代B2王者に輝いた西宮ストークス【(C)B.LEAGUE】

 

 初年度は4チームで開催された「B2 PLAYOFFS 2016-17」。ファイナルは西宮ストークス(現・神戸ストークス)と島根スサノオマジックが対戦し、谷直樹が19得点を挙げるなど躍動した西宮が優勝した。B2王者となった西宮と準優勝の島根はB1へ自動昇格。また、群馬クレインサンダーズとの3位決定戦を制した広島ドラゴンフライズはB1・B2 入れ替え戦に回り、群馬はB2残留となった。

 一方、B1成績下位4チームによるB1残留プレーオフでは、仙台89ERSが富山グラウジーズに2連敗を喫し、B2自動降格が決定。秋田ノーザンハピネッツと横浜BCは1勝1敗で10分間のGAME3までもつれ込むなか、試合終了間際に川村卓也が逆転3Pブザービーターを決めて横浜BCが勝利。苦杯を舐めた秋田の自動降格が決まり、横浜BCはその後のB1・B2入れ替え戦で広島を破り、B1残留を果たした。

 なお、B2・B3入れ替え戦は、東京エクセレンスと鹿児島レブナイズがクラブライセンス判定結果に基づきB3降格が決まったため実施されず。B3からはライジングゼファー福岡と金沢武士団がB2昇格を決めた。

個人賞:得点王ファジーカスが初代MVPに…新人賞はベンドラメが受賞

 
B.LEAGUE AWARD SHOW 2016-17で表彰された選手やスタッフ【(C)B.LEAGUE】
 

 B.LEAGUE初年度のレギュラーシーズンベストファイブに選ばれたのは、川崎のファジーカス、千葉Jの富樫勇樹、A東京の田中大貴、三河の金丸と比江島の5名。その中で最優秀選手賞(MVP)はファジーカスが受賞した。

 ファジーカスはレギュラーシーズン60試合すべてに先発出場を果たし、リーグ1位となる1試合平均27.1得点という驚異的なスタッツをマーク。さらにリバウンドもリーグ2位の12.7リバウンドとシーズン平均ダブルダブルを達成するなど、圧倒的な存在感を放った。

新人賞を受賞したベンドラメ礼生【(C)B.LEAGUE】
 

 一方、最優秀新人賞に選ばれたのはSR渋谷のベンドラメ礼生。小島元基や原修太、中山拓哉など、現在もB.LEAGUEで活躍する選手たちとの争いを制しての受賞となった。ベンドラメは受賞に際して「この賞を糧にBリーグとともに成長していきたい」とコメントし、実際に翌シーズンから現在まで続く連続試合出場記録を打ち立てるなど、有言実行を続けている。

 B1スタッツリーダーを見ると、得点はファジーカス(27.1)、アシストは宇都直輝(4.3)、リバウンドはロシター(13.3)、スティールは広瀬健太(2.0)、ブロックはジョシュ・ハレルソン(1.9)、3ポイント成功率とフリースロー成功率はともに金丸(42.6%/90.8%)が受賞。アシスト王の宇都は2017年3月19日の仙台戦でB.LEAGUE初のトリプルダブル達成者となるなど、アシストだけにとどまらずオールラウンドな活躍で存在感を放った。

文=バスケットボールキング編集部

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