サンロッカーズ渋谷 U16が優勝! 予選グループで敗れたライジングゼファー福岡 U16 にリベンジ[インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025 Aug.]

岸歩武、山野井皓の両エースがSR渋谷 U16を頂点に導く
8月24日、「インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025 Aug.」(会場/東京・アリーナ立川立飛)の大会最終日、交流戦2試合に続いて決勝が行われ、サンロッカーズ渋谷 U16がライジングゼファー福岡 U16に78-54で勝利。ユース史上初*となる優勝を勝ち取った。
(*=U15、U18のB.LEAGUE CHAMPIONSHIP、B.LEAGUE CHALLENGE CUP、B.LEAGUE INTERNATIONAL CUPで初のタイトル)
今大会は「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」の上位4チームである琉球ゴールデンキングス U16、福岡 U16、SR渋谷 U16、横浜ビー・コルセアーズ U16、チャイニーズ・タイペイからNengren Vocational School U16、B.LEAGUEとパートナーシップを締結している韓国バスケットボールリーグ(KBL)からSeoul SK Knights U16が参加して行われる国際大会。B.LEAGUEがミッションとする「世界に通用する選手やチームの輩出」という目的に合致するものである。
最終戦で行われた決勝はグループBで戦った両者の対決となった。福岡 U16はロスター全員が中学3年生ながら、予選リーグ、SR渋谷 U16、SK Knights U16に連勝。グループB1位で決勝トーナメントに進出すると、準決勝で琉球 U16(A2位)に勝利し決勝進出を果たした。一方、SK Knights U16に勝利してグループB2位となったSR渋谷U16は、準決勝でグループA王者のNengren U16を撃破してファイナルに駒を進めた。
予選グループの借りを返したいSR渋谷U16にとって、最大の焦点は司令塔#35中川宗之助とシューターの#5有田直生という福岡U16の両エース攻略。試合後、#47山野井皓が「有田選手には常に付き、中川選手はスピードとドライブを警戒し、間合いを保ちながら吸収するようなディフェンスを心掛けしました」と明かした策が出だしから奏功し、福岡 U16のスタートダッシュを防ぐと、キャプテンの#21岸歩武、#47山野井がトランジションからペイントアタックを仕掛けて得点につなげる。福岡 U16は1Q後半、#5有田が3Pシュート2本を含めて3連続得点を挙げたものの、SR渋谷U16が26-17として1Qを終了。2Qに入ってもディフェンスの強度をキープ。#25古河シェーンを中心にリバウンドで優位に立ってスコアを伸ばし、46-28としてハーフタイムを迎えた。SR渋谷 U16は前半、3Pシュートこそ1/9と振るわなかったが、2Pシュートは21/30で70%と高確率で得点。#47山野井が15得点、#21岸が10得点と引っ張った。


それでも福岡 U16にも意地がある。3Qに入ると高い位置でボールを回し、ゴール下にスペースを作ってペイントアタックを敢行。#35中川のレイアップ、#60鷹野遼磨、#21鬼塚孝介によるインサイドでの得点などオフェンスが活性化。SR渋谷 U16をスローダウンさせることはできなかったものの、19-19と五分の展開を作った。18点差を追いかけて最終クォーターだったが、良い時間は長続きしなかった。4Q、SR渋谷U16はフレッシュなベンチメンバーも投入。ディフェンスを再び引き締めると、#30鶴岡海の3Pシュート、#34寺澤陸のジャンパー、#47山野井のターンアラウンドショットなどでリードを広げ、78-54で逃げ切り。頂点に立った。

U15チームを母体にし、16歳の選手が加わってという戦いだった今大会、秋葉真司HCは「メンバー全員での練習時間が5日間という急造チームでした」と舞台裏を明かす。「その中でうまく戦えたのは、U18への昇格率が高く互いの連携が取れていたということが一つ。さらにグループラウンドで敗戦したことで、『もっと基準を上げなければ勝てない』という思いに至ったことも良い方向に働きました」。両チームトップの23得点を挙げた#47山野井も「グループラウンドの敗戦で各自が役割とやるべきことを徹底するようになり、試合ごとに成長できました」とチームの変化を説明した。
加えて2月「インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025」で準優勝となった経験もプラスに働いたようだ。同決勝ではFar Eastern University-affiliated high school U16 (フィリピン)に対して1Qリードを作りながらも逆転負け。キャプテンの#21岸は「あの大会は世界基準を知ることができた一方、自分たちが引いてしまったという経験でした。あの悔しさを知っている選手も多く、事ある毎にみんなで『チャレンジしないと意味ない』と言い合ってきました」と説明。各自が強みを発揮するメンタルができるきっかけになったとしている。

チーム一丸となって掴んだ優勝だが、原動力となったのが#21岸と#47山野井という2人のエースであることは間違いない。敗れた福岡U16の鶴我隆博HCも、「緩急自在の山野井選手と、グループ戦では26得点を奪われた岸選手。この2人を止めきれなかったのが敗因です」と認めている。当の2人は互いを深くリスペクトしており、#21岸は山野井を「ライバルのような存在。プレースタイルは違うが、彼がいることで自分も成長できる」と表現すると、#47山野井は岸について「オフコートではお兄ちゃんのような存在。プレー中は頼れる最高のキャプテンです」と笑顔で称えている。秋葉HCは、今大会を2人のリーダーシップを育む場と位置付けていた。「彼らは責任を背負いすぎて自滅する傾向がありました。しかし、リーダーは重圧を背負った上で、周囲を巻き込み、チーム全体を高めなくてはなりません。その点でも大きな成長が見られた大会だったと思います」と2人の成長に目を細めた。すでに両者はSR渋谷 U18を主戦場にしており、今回戦った相手も含めてライバル関係は続いていく。どのような未来が待っているのか。2人はもちろん、競い合いと共闘が描く新たな物語に注目していきたい。
なお交流戦として行われた2試合は、Nengren U16、横浜BC U16(A3位)がそれぞれ勝利を果たしている。

「インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025 Aug.」
開催日程
2025年8月22日(金)~24日(日)
会場
アリーナ立川立飛(〒190-0015 東京都立川市泉町500-4)
出場チーム
《グループA》
琉球ゴールデンキングス U16(「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」優勝)
横浜ビー・コルセアーズ U16(「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」4位)
Nengren Vocational School U16(チャイニーズ・タイペイ)
《グループB》
ライジングゼファー福岡 U16(「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」2位)
サンロッカーズ渋谷 U16(「インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025」3位)
Seoul SK Knights U16(韓国)
大会形式
2グループ(1グループ3チーム)に分かれて予選リーグを開催。上位2チームが決勝トーナメントに進出。交流戦も実施。
配信
試合予定・結果
【8月22日(金)】
《グループA》
Nengren U16(1勝) 73-51 横浜BC U16(1敗)
琉球 U16(1勝) 74-48 横浜BC U16(2敗)
Nengren U16(2勝) 84-77 琉球 U16(1勝1敗)
《グループB》
SR渋谷 U16(1勝) 125-40 SK Knights U16(1敗)
福岡 U16(1勝) 74-71 SR渋谷 U16(1勝1敗)
福岡 U16(2勝) 118-39 SK Knights U16(2敗)
【8月23日(土)】
<交流戦①>横浜BC U16(A3位) 108-44 SK Knights U16(B3位)
<準決勝①>SR渋谷 U16(B2位) 64-52 Nengren U16(A1位)
<準決勝②>福岡 U16(B1位) 64-49 琉球 U16(A2位)
【8月24日(日)】
<交流戦②>Nengren U16(A1位) 128-26 SK Knights U16(B3位)
<交流戦③>横浜BC U16(A3位) 70-65 琉球 U16(A2位)
<決勝>SR渋谷 U16(B2位) 78-54 福岡 U16(B1位)
大会結果
チーム表彰
【優勝】サンロッカーズ渋谷 U16
個人表彰 大会MIP
福岡 U16 #5 有田 直生 選手
SR渋谷 U16 #47 山野井 皓選手
Nengren U16 #12 HSIEH,WEI-EN選手
SK Knights U16 #9 HYUNGHO YOUM選手
横浜BC U16 #15 エルマスリ アダム選手
琉球 U16 #2 照喜名 朝葵選手

特設サイトはこちら