チケット購入

B.MAGAZINE

凄みを増した名古屋D、プラスαを加えた琉球、早くも初勝利の佐賀「インフロニアB.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025」注目チーム紹介 Part.

2025.10.21

見どころ・レポート

“高3カルテット”が牽引する名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18が優勝候補筆頭

 

約2ヶ月間にわたって繰り広げられた「インフロニア B.LEAGUE U18 REGIONAL LEAGUE 2025」を勝ち抜いた10チームと「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025 決定戦」で出場権を獲得した2チームが総当たりのリーグ戦形式で競う「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025」が、9月に開幕を迎えた。トーナメント方式とは違って継続的な試合を通じて王者を決定する本大会は、2026年2月まで長期にわたって展開される戦いとなっている。

B.LEAGUE U18は、将来プロバスケットボール選手としてB.LEAGUEの舞台でプレーすることを目標とする選手が集まるステージである。「世界に通用する選手やチームの輩出」というB.LEAGUEのミッションを実現すべく行われるもので、トップチームの方向性も汲んでのコーチング、戦術・戦略を遂行する選手たちによる競り合いが見どころである。

今回は、「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」で悲願の初優勝を果たした名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18、新たに浜口炎HCを迎えてプラスαの戦術を加えた琉球ゴールデンキングス U18、初出場ながらチーム一丸となっての戦いですでに初勝利を手にした佐賀バルーナーズ U18をピックアップする。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18/悲願の初優勝からさらなる進化“高3カルテット”と1年生が融合

 
【(C)B.LEAGUE】
 

「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」で悲願の初優勝を果たした名古屋D U18。その歓喜を知るメンバーが残っており、実力ある1年生も加わったことでさらに強力なラインナップになっている。ヘッドコーチとして長らくチームを率いた大西順氏(育成ディレクターに就任)の後を受けた山下諒HCは「3年生を中心に誰もが得点できるうえ、個性豊かな1年生たちにも助けられている」とチームの強みを語る。

凄みを増したキャプテンの#2 若野瑛太、「オフェンスでのアタックやアシストが自分の強み」と語る#6小川莞大(両者はB1出場経験者である)、#9春田結斗、副キャプテンの#14川邉蒼侑という高3カルテットは、あまりにも強力だ。そして開幕3戦でスタメン起用された#5南ルマニカサイディはリバウンドで存在感を示しているうえ、ドライブが特徴的な#10鈴木有、3Pシュートを得意とする#0飯原路羽士と高校1年生が貢献する姿も印象的だ。

また山下HCがフォーカスしていると語ったディフェンスも素晴らしく、開幕3試合では平均失点が58.7。いずれの試合もスタートダッシュでリードを作ったあと、ディフェンスが緩む局面も見られたものの、優勝候補筆頭と見ていいだろう。

開幕3戦のスタメン

#14川邉 蒼侑(173cm・72kg・PG)
#9春田 結斗(166cm・66kg・PG/SG)
#6小川 莞大(177cm・74.3kg・PG/SG)
#2若野 瑛太(187cm・86kg・SG/SF)
#5南 ルマニカサイディ(183cm・71kg・SF/PF)

RESULTS

9/5 ○91-63 宇都宮 U18
9/6 ○91-55 SR渋谷 U18
9/7 ○70-58 横浜BC U18

キャプテンの#2若野瑛太が「期待している」と語る#14川邉蒼侑【(C)B.LEAGUE】
 

琉球ゴールデンキングスU18/オフェンスの質がさらにアップ!代表組も復帰し、本領発揮はこれから

 
【(C)B.LEAGUE】
 

「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」では3年連続ベスト4。安定した成績を残してきた琉球 U18ではあるが、今季は新たなステップを踏むシーズンとなる。U18創設よりチームを率いてきた与那嶺翼氏(トップチームのアシスタントコーチ・デベロップメントコーチに就任)に代わって、前福岡HCの浜口炎氏がHCに就任。持ち味であるディフェンスからのトランジションオフェンスに加えて、スペーシングの意識を浸透させている。

速いテンポでは#33長嶺充来をはじめ、高い身体能力を持つ選手がペイントアタックし得点を狙い、キックアウトから3Pシュートを放つなど、これまでどおり小気味よいバスケを見せる。一方、ハーフコートオフェンスとなってもスペーシングを広く取り、ズレを作って攻めるなどオフェンスに厚みを増していることは印象的だ。

集中開催となった3日間、188cmの高校2年生、#88奥間翔がインサイドで存在感を発揮したものの、同学年のブレイク ジェレマイヤ デービッド海斗、1学年下の宮里俊佑は男子U16日本代表の活動のために出場できなかった。米国留学から帰国しバランサーとして貢献する#12桶谷都人は「宮里選手はすでに3年生以上のスキルがあるし、コートにいれば安定感が全然違う」と評価している。さらにベンチメンバーには#17加藤仁雄、#32金城煌太などエネルギーを持ち込める選手も多い。スペーシングの浸透について、浜口HCは「理解が深まっており、さらに成長できる」と手応えを語る。豊富なタレントと浸透する新戦術が噛み合った時、どんなバスケを見せるのか。ここからの戦いが楽しみでならない。

開幕3戦の主なスタメン

#33長嶺 充来(175cm・70kg・PG)
#12桶谷 都人(172cm・70kg・PG/SG)
#3嶺井 俊弥(180cm・70kg・SG)
#71名城 寿唯(184cm・75kg・SG/SF)
#88奥間 翔(188cm・80kg・SF/PF)

RESULTS

9/5 ○92-53 三河 U18
9/6 ●58-76 北海道 U18
9/7 ○79-69 仙台 U18

多くのタレントを束ねる立場として、#71名城寿唯には常に高い期待が寄せられている【(C)B.LEAGUE】
 

佐賀バルーナーズ U18/初出場ながら早くも勝利を奪取連動性を武器に何勝できるか!?

 
【(C)B.LEAGUE】
 

「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2025 出場決定戦」で神戸 U18に劇的勝利を果たして初出場を決めた佐賀 U18は、さっそく仙台 U18に対してうれしい初勝利を挙げている。鈴木龍雄HC曰く、「目指すはトップチームと同じく“連動したバスケ”」。ポジションレスで選手全員がボールプッシュからシュートまでこなし、状況に応じて自ら判断できる、そんな選手が揃っている。

軸となるのは、メインハンドラーとなる#17大石空汰。170cmながら抜群の身体能力とスピードを生かしてオフェンスのテンポを上げ、広い視野を生かしてディフェンスをあざむくパスを出す。彼がどれだけ目立つかは、チームの調子を映すバロメーターとなる。加えて、得点面では3Pシュートを得意とする#13力久嵩彪も頼れる存在だ。すでにトップチームでのベンチ入りも経験している両者について、鈴木HCは「彼らが持ち込む雰囲気がチームに良い影響を与えている」と高く評価している。それでも、決してサイズに恵まれているわけではないチームにとって、鈴木HCが語る連動性がなければ勝利は見えてこない。スキルがある#6大津悠翔、体を張るディフェンスで貢献する#4石橋泰惺、果敢なドライブが特徴の#10福永健太など、各自が必要な役割をこなしていくことは今後に向けてカギになる。

コンディションなどの問題もあって8名で臨んだ集中開催は、チームにとって大きな経験値を得る機会となった。まずは初勝利を挙げたこと、そして初戦で優勝常連の北海道 U18と対戦できたことは今後につながるはずだ。その試合について、#17大石は「改めて連動して攻める必要性を感じました」と語ると、鈴木HCは「リングに向かう姿勢を出して難局を打開する姿がありました。やはり実戦に勝る練習はない。このリーグを通して、どれだけ成長するかが楽しみです」と期待を寄せた。

チームの目標は「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025」でメインコートに立つこと」。このリーグで勝利を重ねることができれば、ベスト8という目標も現実味を帯びてくるだろう。

開幕2戦の主なスタメン

#17大石 空汰(170cm・61kg・PG)
#14宮島 遼(178cm・66kg・SF)
#13力久 嵩彪(178cm・69kg・SF)
#4石橋 泰惺(179cm・73kg・PF)
#6大津 悠翔(181cm・70kg・SF)

RESULTS

9/5 ●57-89 北海道U18
9/6 ○63-59 仙台U18

#17大石空汰がどれだけ目立つかがチームのバロメーターとなる【(C)B.LEAGUE】
 

PICKUP VIDEO

Bリーグ
オリジナル特集